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非認知能力って何?これからの時代を生きる力の伸ばし方、おすすめの習い事を徹底解説

非認知能力って何?これからの時代を生きる力の伸ばし方、おすすめの習い事を徹底解説

2024年3月8日 公開

最近はAIの飛躍的な発達など、超加速度的に変化する時代になりましたね。

実は教育の分野では、筆者が教員免許を取得した約10年前から、先の予測が難しい時代に生きる現代の子供達には、私たちが子供の頃以上に自分で考えて生き抜く力が求められていると言われていました。

今回はそんな人間力を支える能力、「非認知能力」について解説します。

非認知能力の基礎知識に加えて保護者のサポート方法や習い事も合わせてご紹介します!

非認知能力とは?

非認知能力とは、やる気や自制心・コミュニケーション能力などの、人としての内面的な能力を指します。学力を測るテストは数値化ができるのに対し、非認知能力は能力の度合いを数値化しづらいという特徴もあります。
ここからは、非認知能力について具体的なイメージを持てるよう、認知能力との比較や具体例、非認知能力が高い人の特徴について解説してゆきます。

認知能力と非認知能力の違い

認知能力とは、テストで数値化し評価できる能力を指します。
認知能力の例:
  • IQ(知能指数)
  • 英語検定などの資格
  • 学校のテスト
一方で非認知能力は、認知能力以外の数値化できない能力を指します。
非認知能力の例:
  • 人の話を聞いて共感する能力
  • 辛い時でも自分を信じて頑張る力
幼稚園や小学校でもこういった人間性を養う学びを取り入れることが義務付けられています。

非認知能力の具体例

数値化が難しい非認知能力ですが、言葉で表す際にも幅広い表現が用いられます。非認知能力には「自分自身に関するもの」「社会性に関するもの」があり、それぞれの例は以下の通りです。
自分自身に関するもの
  • 自分の目標を目指して粘り良く取り組む力:忍耐力、意欲
  • 失敗した際に挫けずに学びを得て次に活かす力:対応力、自己肯定感
  • オリジナルのものを生み出す力:クリエイティビティ、発想力 など
社会性に関するもの
  • 同じ目標に向けて他の人と協力する力:協調性、社会性
  • 他の人の状況や感情を慮る力:共感力
  • 状況を客観的に分析する力:客観的思考力、メタ認知 など
並べてみると、「自分自身に関するもの」と「社会性に関するもの」のどちらも、生きる力に欠かせないものであることがわかりますね。

非認知能力が高い人とは?

非認知能力が高い人の特徴としては、
  • 自己肯定感が高く精神が安定している
  • やる気に満ち溢れ、失敗に挫けず最後までやり抜く
  • 他の人を巻き込んだコミュニケーションが取れる
などが挙げられます。
非認知能力が高い人をイメージすると、周りの変化に左右されずに、切磋琢磨できる仲間と、自分のやりたいことを達成していく、そんな人生が見えますね。

非認知能力を伸ばすには?

非認知能力の中心となる能力には忍耐力、社会性、感情コントロールなどが挙げられますが、いずれも様々な経験や体験を通して長期的に育まれる能力です。
子供にとって楽しい・興味がある分野であれば苦難に対峙し乗り越えることができ、成功経験が積みやすいと考えられます。
ただし、人生経験を積んでいる途中の子供達にとって、大人のサポートは必須です。
ここからは非認知能力を伸ばすための基礎知識と具体的な方法をご紹介します。

非認知能力の早期教育が重要視される理由

非認知能力は数値化して評価しづらいと言われていますが、体験学習を通して生涯を通して育成できる能力であることがわかっています。
一方で、非認知能力は特に10歳程度までの発達が顕著であるとも言われています。
非認知能力の早期教育が重視される理由は以下の2つです。

理由その1:幼児期は脳の発達が盛んだから

幼児期は1歳から6歳ごろまでの就学前の時期を指します。
特に後期幼児期と言われる3歳から6歳の間には、自己主張や自分と他者の違いの認識、遊びのルール理解など、社会性が目覚ましく発達する時期です。
また就学後10歳程度まではより抽象的な感情や概念を理解する基礎が身につく時期でもあります。
もちろんその後も心身の発達は続いていきますが、幼児期に身につけた非認知能力は、その後の発達や成長に大きな影響を与えることとなります。

理由その2:「認知能力」のベースになる能力だから

認知能力と非認知能力は、お互いに影響し合うことがあります。
例えば、苦手な算数のテストで100点をとった際には、認知能力が伸びたともいえますが、見方を変えると苦手でも頑張ろうという「意欲」、つまり非認知能力が育っていた結果であるとも言えます。
筆者は学習塾で勤務をしていましたが、授業についていけず困っているお子さんへの初めのアプローチは、まずはできている部分を一緒に認識することでした。自信がつくことで学習への意欲を取り戻し、少し難しい部分があっても自分で頑張って考えてわかる部分を広げようとする様子は感動的でした。
年齢が上がり自立していく中で、非認知能力が高いことで自分から認知能力を高める行動ができるようになります。その結果、認知能力が高まることで自信がつき、さらに非認知能力が育まれる、といった好循環が生まれやすいと考えられています。

非認知能力を伸ばす鍵は保護者の「見守り力」と「褒め力」

非認知能力を実際に伸ばすには、子供が「挑戦したい!」と思えるよう、大人が心の安全を確保してあげることが大切です。
困難も成功も、大人が一緒に振り返ってあげることで非認知能力を育てる糧となってゆきます。
その鍵となるのが保護者の「見守り力」「褒め力」です。

「見守り力」:挑戦させて一緒に振り返ろう

習い事や友達関係、遊びなどの経験が非認知能力を高める体験となるためには、子供の自己決定が大切です。
初めてのことは特に、失敗するリスクが高く見える方法を取るかもしれません。
しかし子供がやろうと決めたこと・方法を尊重して見守ってあげることで子供自身の経験を確保でき、対応力や発想力などの非認知能力を育むことにつながります。
さらに経験を一緒に振り返ってあげることで、子供の思考力や表現力などの様々な力の育成に繋げることができます。

「褒め力」:褒め方に気をつけよう

子供の成功を褒める褒め方にはいくつか方法がありますが、中でもおすすめなのが良い行動をそのまま言葉にすることです。
「えらい」「お利口さん」など、大人の評価が含まれる褒め方も場合によっては有効です。
ただ、非認知能力を育むという視点では、「挨拶ができたね」「苦手なのに算数をやってるね」のように子供が自分のできた部分に気がつく能力を育成でき、「自分の頑張りを見てくれている人がいる」と感じられる褒め方が特に有効だと言えるでしょう。

非認知能力を伸ばす習い事

非認知能力は机上の勉強ではなく、様々な体験を通して育成されます。習い事は非認知能力を伸ばす良い機会となり得るでしょう。
ここからは非認知能力を伸ばす習い事について具体的に解説してゆきます。

習い事は子供の興味関心を軸に選ぶ

非認知能力を高める習い事は、子供の興味関心をベースに選びましょう。大人でも、例えば運動が好きな人であれば初めてのロッククライミングで上手に登れないという困難が立ちはだかった時に、登るコツを自分で調べて工夫するなど、挫折ではなく克服の道を選ぶことができますよね。
子供と一緒に体験教室に行ってみるなど、反応を見ながら非認知能力を高める習い事を選びましょう。

クリエイティブ系の習い事

「芸は身を助ける」という言葉があるように、クリエイティブな活動を行う習い事は非認知能力だけでなく、将来に繋がるスキルを身につけることも期待できます。
また、コンクールの入賞などを目指す教室ではなく、のびのびと1人1人のペースを尊重する教室を選ぶことで、非認知能力をより高められると考えられます。

絵画・工作

家にあるもので十分に楽しめる絵画・工作ですが、様々な作品から刺激を受けられ、表現の幅も広げられるのは専門の教室に通うからこそ得られる経験でしょう。
「アトリエ教室」「図工教室」など、類似の呼び方もあるため、実際に行ってみて子供の興味により近い教室を選ぶのが理想です。

プログラミング

2020年度から小学校で必須となったのが記憶に新しいプログラミングは、創造力や表現力など、様々な非認知能力の育成に繋がる習い事です。うまくいかなかった結果を客観的に分析し、工夫して改善する力も身につけられます。
プログラミングの中にも様々な分野があるため、内容を調べてから教室を選びましょう。

楽器

1人で演奏する際には忍耐力や想像力などを育むことができ、他の人と演奏する際にはコミュニケーション能力が身につく習い事です。
自分が演奏に没頭することで他の人にも感動を届けられる経験は、困難に対峙するハードルを下げてくれて、自信につながることも期待できます。子供と教室や先生との相性を重視した教室選びが大切です。

スポーツ系の習い事

スポーツの習い事で非認知能力の育成に繋がるものは、他者に勝つ事を目標とするのではなく自分と向き合える競技仲間と協力する競技だと考えられます。
体を使うことは脳の発達にも良いため、非認知能力の育成だけでなく、長期的に見た際に人生に広い範囲で良い影響を残してくれるでしょう。

ダンス

ヒップホップ、バレエ、社交ダンスなど、たくさんのジャンルがあるダンスは子供の興味を引きやすい習い事です。1人でダンスのスキルを上げるだけでなく、他の人と一緒に踊ることも多いため、コミュニケーション能力を上げる良い機会となります。
先生の方針や教室の子供達の雰囲気を見ながら、1人1人を尊重してくれる教室を選ぶと非認知能力の育成に繋がるでしょう。

合気道

心身の強さの育成と礼儀を重んじる文化が色濃い格闘技は、親からの人気も高い習い事です。
中でも合気道は勝敗を決めることよりも、組み手の練習をしたり等級試験を受けることが中心のことが多く、自分の成長に重きを置きやすい格闘技です。スポーツの
習い事の中でも、親子で習いやすいことも魅力の1つです。

水泳

習い事の定番となっている水泳は、練習方法や上達のためのトレーニング方法が確立しており、成功体験が積みやすいことが魅力です。
また、「顔をつける」「クロールで25m泳ぐ」などスキルが明確になっており、目標を立てやすいため子供が努力しやすいのも嬉しいポイントです。

体験学習系の習い事

今まで紹介してきた習い事よりも通う頻度が下がるものの、1回1回の経験に学びが凝縮されているのが体験学習系の習い事です。
すでに通っている習い事にプラスして、特に非認知能力に特化した体験を求める場合にはぴったりと言えるでしょう。
体験学習系の習い事では、振り返りの時間をすでにプログラムに含んでいる場合が多いことも魅力のひとつです。

料理教室

順序立てて食材を調理する計画力、うまくいかなかった際に原因を振り返る客観的思考力など、料理は日常的に活かせるスキルだけでなく、非認知能力を育む要素がたくさん含まれています。
また、家庭で家事を任せられ認められる体験にも繋がり、日常的に自信をつけたい子供にはぴったりの習い事です。親子で一緒に楽しめる教室が多いのも人気の理由です。

自然体験・ボーイスカウト

自然体験やボーイスカウトは、まさに非認知能力を育むことに特化した習い事と言えるでしょう。
自分の安全は自分で守れるよう計画しながら、仲間と様々な挑戦にいどむ体験は、人間力を高めることに直結します。
夏休みなどの長期休みだけ参加するのも可能なことが多く、興味のある回のみ参加するのもおすすめです。

まとめ

私たち大人が想像もしない世界で生きることとなる子供達を支える、非認知能力。子供の非認知能力を高めるためには、見守る力やできたことを言語化する力など、大人の非認知能力を高めることも必要です。家族で楽しみながら様々な体験を通して一緒に非認知能力を育んでゆきましょう!