「お盆に海に入ってはダメ」って本当?迷信だけではない危険な6つの理由とは?
2017年6月6日 公開
昔からの言い伝えで「お盆の時は海に行ってはいけない」と聞いたことはありませんか?それって単なる迷信だと思っている方、実は本当に危険な理由があるんです。何故、お盆の時は海に行ってはいけないのか?行ってはいけない期間はいつまでなのか?など、様々な疑問についてまとめてみました。ちょっとした豆知識として知っておくと良いですよ。
お盆の海に関する言い伝えとは?
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昔から日本では「お盆の時は海に行ってはいけない」「縁起が悪い」といった言い伝えがありました。その理由の1つに「お盆期間中は、地獄の釜の蓋が開く」と言われ、あの世から悪い霊が戻ってきて、海水浴に来た人間をあの世へ連れて行ってしまう…というものがあります。本当かどうか分かりませんが、昔の日本は、魂や霊と言ったことをとても信じていましたので、お盆中の海や川の出入りを非常に恐れていたんだそうです。
また、昔の人は「海や川はあの世へ続く道」と考えられていたので、お盆中は、ご先祖様が川や海をつたって帰ってくる「神聖な道」になると考えていました。そんな時に、海や川に出入りしては「神聖な道が汚されてしまう」と言う意味もあり、お盆中の海や川には入ってはいけないと伝えられたそうです。
三途の川や灯籠流しは、このような教えのもと、出てきた考え方や風習なのかもしれませんね。
しかし、これらのような非科学的なものが原因だけではなく、お盆期間中に海や川へ行っては危険であるという、きちんとした理由があるんだそうですよ。早速、その真相についてご紹介します。
また、昔の人は「海や川はあの世へ続く道」と考えられていたので、お盆中は、ご先祖様が川や海をつたって帰ってくる「神聖な道」になると考えていました。そんな時に、海や川に出入りしては「神聖な道が汚されてしまう」と言う意味もあり、お盆中の海や川には入ってはいけないと伝えられたそうです。
三途の川や灯籠流しは、このような教えのもと、出てきた考え方や風習なのかもしれませんね。
しかし、これらのような非科学的なものが原因だけではなく、お盆期間中に海や川へ行っては危険であるという、きちんとした理由があるんだそうですよ。早速、その真相についてご紹介します。
お盆に海や川に行くのが何故イケナイの?
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本当に昔の人が言うようにお盆中の海や川は危険なのでしょうか?本当にあの世から悪い霊が集まってくるのでしょうか?調べてみると、単なる迷信というわけでもない事が判明しました。お盆中に海に入ってはいけない本当の理由をご紹介します。
理由1. ご先祖様の霊をお迎えする時期だから
そもそもお盆とは、祖先の霊を供養する行事です。お盆の時期には、ご先祖様や故人の霊が家に帰ってくるので、迎え火をたいて霊を迎え、そして最終日には送り火をたいて霊を送りますよね。
このように、お盆はご先祖様や故人を敬い、供養をともにするという時期なので、そんな時に自宅を離れて海へ遊びに出掛けるなんてとんでもない!…という考えが大きく影響した為だと言われています。
ご先祖様を大切にすることや、古くからの風習を大切にするのは、日本ならではの考え方なのかなと思います。
このように、お盆はご先祖様や故人を敬い、供養をともにするという時期なので、そんな時に自宅を離れて海へ遊びに出掛けるなんてとんでもない!…という考えが大きく影響した為だと言われています。
ご先祖様を大切にすることや、古くからの風習を大切にするのは、日本ならではの考え方なのかなと思います。
理由2. 水難事故が多発する時期だから
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ちょうどお盆の時期は、毎年「離岸流」による水難事故が多発すると言われています。離岸流とは、海岸の波打ち際から沖合に向かって出来る流れのこと。
離岸流が発生してしまうと、まるで霊に足を引っ張られてしまったかのようになり、膝下くらいの深さであっても、流れに飲み込まれてしまうんだそうです。
浅い海辺なのに、何故か溺れ死んでしまう人がいた…などと言うことは、霊の仕業ではなく、このような離岸流のせいだったのかもしれません。
離岸流が発生してしまうと、まるで霊に足を引っ張られてしまったかのようになり、膝下くらいの深さであっても、流れに飲み込まれてしまうんだそうです。
浅い海辺なのに、何故か溺れ死んでしまう人がいた…などと言うことは、霊の仕業ではなく、このような離岸流のせいだったのかもしれません。
理由3. 土用波の危険があるから
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一般的に、お盆の期間というのは、8月13日からの4日間のことを言います。地域によっては、7月である場合もありますが、多くは8月ですよね。そんなお盆の期間中は、昔から台風が増える時期と言われていました。その台風の影響で発生した波浪は、うねりとなって周辺の海に伝わります。この時に突然大きな高波が現れるのですが、これを『土用波』と言って、昔から漁師からは恐れられていました。
高波と同時に引き波も強くなるので、波が引くときに足を取られる危険も出てきます。土用波の特徴は、沖ではあまり目立たなかった波が、海水浴場など遠浅の海岸で突然高い波となり、人々を飲み込んでいくところです。
突然の高波に対応しきれず、溺れてしまう恐れもある為、大変危険なんですよ。だから、この時期は海へ近づいてはいけないんですね。
高波と同時に引き波も強くなるので、波が引くときに足を取られる危険も出てきます。土用波の特徴は、沖ではあまり目立たなかった波が、海水浴場など遠浅の海岸で突然高い波となり、人々を飲み込んでいくところです。
突然の高波に対応しきれず、溺れてしまう恐れもある為、大変危険なんですよ。だから、この時期は海へ近づいてはいけないんですね。
理由4. クラゲが大量発生する時期だから
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お盆を境にして、クラゲが大量発生します。だいたい、8月〜10月までは多いんだとか。土用波によって、沖にいたクラゲが海岸付近に行くこともあり、この時期の海水浴は大変危険なんです。クラゲの種類によっては、毒を持っていることがあるので、刺されたら大変ですよね。
そんな理由からも、この時期に海へ入るのは危険だとされていました。見ているだけならキレイなクラゲですが、意外にも刺されると痛いので気をつけましょう!
そんな理由からも、この時期に海へ入るのは危険だとされていました。見ているだけならキレイなクラゲですが、意外にも刺されると痛いので気をつけましょう!
理由5. 水温が低下する時期だから
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この時期あたりから、海水の温度が低下して行きます。水温があまり低いと、体調を崩してしまいますよね。風邪をひくだけならまだしも、海に入っている最中に、突然心臓麻痺や筋肉の痙攣などを起こし、溺れる危険性もありますので、この時期の海水浴は控えるようにしましょう。
理由6. 水草が多く出てくる時期だから
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特に川は、この時期になると、長い水草が多くなります。水草が、知らず知らずのうちに、身体に絡まって溺れてしまうこともあるんだそうです。浅い川だからと言って油断すると余計に危険なので、気をつけましょう。
お盆中に釣りがダメな理由とは?
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お盆中に海水浴に行くのはNGですが、釣りをするのもいけないと言われることもあります。これはどんな理由があるのでしょうか。この場合、これまでの、海や川へ入るのが「危険」という理由よりも魚を獲る=殺生という考えから来ています。
お盆は、命ある動物の姿を借りて、ご先祖様がこの世に帰ってくるので、動物を殺してしまう、殺して食べてしまうということは、いけないことだと言われているからです。地域によっては、お盆期間中に豚や牛などの足が4本ある動物は食べないという風習が残っているところもあったり、漁師が漁に出ないというところもあるようです。特に、海や山など自然の恩恵をうけて育った地域の人たちは、そのような考えを大切にしているようですよ。
お盆は、命ある動物の姿を借りて、ご先祖様がこの世に帰ってくるので、動物を殺してしまう、殺して食べてしまうということは、いけないことだと言われているからです。地域によっては、お盆期間中に豚や牛などの足が4本ある動物は食べないという風習が残っているところもあったり、漁師が漁に出ないというところもあるようです。特に、海や山など自然の恩恵をうけて育った地域の人たちは、そのような考えを大切にしているようですよ。
行ってはいけない期間は?
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では、いつからいつまでが、海や川へ行ってはいけないのでしょうか。地域によって「お盆」も多少異なりますが、基本的にはお盆は8/13~8/16までを言いますので、この付近は様々な理由からも水辺へ行くのは控えたほうがよさそうですね。
特に注意したいのが、先にも述べたような【地獄の窯の蓋が開く】といわれる8月16日。この日は、お盆期間中でも特に水辺へ行くのは避けたほうが良い日といわれています。
特に注意したいのが、先にも述べたような【地獄の窯の蓋が開く】といわれる8月16日。この日は、お盆期間中でも特に水辺へ行くのは避けたほうが良い日といわれています。
正しいお盆の過ごし方
お盆は正式には「盂蘭盆会」(うらぼんえ)、「精霊会」(しょうりょうえ)といい、8月13日にご先祖様の霊を迎えに行き、お盆の間、家で一緒に過ごし、供養をして16日に送り出す昔からの風習です。
この日本ならではの過ごし方にも、正しいマナーがありました。最後に正式なお盆の過ごし方についてご紹介します。
この日本ならではの過ごし方にも、正しいマナーがありました。最後に正式なお盆の過ごし方についてご紹介します。
◆七日盆
七日盆は、お盆の準備を始める日で、お盆前に行うものです。一般的には、8月7日に行います。お墓や仏壇の掃除、お盆提灯の用意をし、ご先祖様をお迎えするための準備をしっかりとします。
◆盆市
地方によって花市、草の市、盆草市といわれ、昔はお盆に必要なものが売られる露店がズラリと並んでいた日だったようです。この盆市で、お供え物、お花、ろうそく、線香などを買って準備をしますので、お盆が始まる前日のことを指します。
◆迎え盆
迎え盆は、8月13日のこと。さぁ、いよいよご先祖様の霊を迎える日になりました。朝は、精霊棚(盆棚)と言うのを作り、ご先祖様をお迎えする最終準備を整えます。
夕方になったら、お墓参りに行き、玄関で迎え火を焚いてご先祖様を迎えます。迎え火はご先祖様の霊が迷わずに帰って来られるように焚くもので、軒先に提灯を下げたりします。
夕方になったら、お墓参りに行き、玄関で迎え火を焚いてご先祖様を迎えます。迎え火はご先祖様の霊が迷わずに帰って来られるように焚くもので、軒先に提灯を下げたりします。
◆盆中日
お盆中は、ご先祖様の霊が家にとどまっていますので、お供え物をして供養しましょう。
毎日、精霊棚にもお参りし、ご先祖様と一緒に過ごします。
毎日、精霊棚にもお参りし、ご先祖様と一緒に過ごします。
◆送り盆
送り盆は、お盆が終わる8月16日のことを言います。ご先祖様の霊が、無事にあの世に戻れるように送り火を焚きます。
まとめ
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いかがでしたか?お盆期間中の海や川にまつわる迷信や言い伝えは、意外にも科学的根拠のある事が多く、単なる迷信として軽んじてはいけないんだなと思いました。
お盆の過ごし方は、今となっては人それぞれで、家族で旅行へ行くのも良し、盆踊りや夏祭りに出かけるも良し、本来の過ごし方と同様、ご先祖様を供養するも良しですね。しかし、日本ならではの「ご先祖様を敬う気持ち」と言うのは、いつの時代も忘れてはいけません。最低限のマナーやルールをわきまえて、楽しくお盆休みを過ごしましょう。
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