一体何に怒っているの?
そんな時、保育士の対応に不信感を持ったこと、ありませんか?
園でありがちな場面です。
こんな時、あなたはどう感じますか?
仕事をしていると、保育園から連絡がありました。
子どもが遊んでいる時に、脱臼した、というのです。
「これから病院に連れていくので、すぐに病院へ来てください。」と言われました。
今は、仕事の途中です。
「脱臼しやすいということは伝えているはずなのに、、、」と思いながらも、心配なので、言われるままに病院へ行くと、担任保育士が脱臼の経緯を説明してくれました。
担任保育士は、謝罪をしてくれたものの、「言い訳」のようにしか聞こえない説明に腹が立ってしまいました。
さて?この母親は何に対して怒っているのでしょうか?
・園で子どもが脱臼したことに怒っている?
・脱臼したときの保育園の対応に怒っている?
・担任保育士の言い訳態度に怒っている?
上手に苦情(あなたが怒っているポイント)を相手に伝えるためには、自分が今何に一番怒っているのかを見つけることが大切です。
苦情は「怒ったまま言わない」ほうがうまくいく
苦情は「苦しい事情」と書くように、元々は「難儀な事情」を意味した言葉。
転じて、害を受けていることに対する不平不満の気持ち。また、その気持ちを相手に伝えることや、その言葉をいう。
対象となる事象が、本来あるべき姿と異なることを伝えるというよりは、その事象に対して腹が立つ感情を伝えることを表す。
苦情を整理して相手に伝わりやすくする
この作業をすることで、「怒っている」状態ではなく、落ち着いて苦情の目的を伝えることができるのです。
1、何に怒っているのか明確にする
2、自分の第一次感情を見つける
3、「私は」メッセージで伝える。
この手順を踏んで、苦情を伝えることで自分の要求が伝わりやすくなり、解決する確率が高くなりますよ。
では、先ほど紹介したエピソードを使って整理をする練習をしていきましょう。
1、何に怒っているのか明確にする
確かに、脱臼しやすいことを伝えていたはずなのに、気を付けてもらえなかったことにも腹が立ちます。
そして、こちらの都合も考えず、仕事中に呼び出されたことも腹が立ちます。
でも、一番腹が立っているのは、保育士の「言い訳」
どんな状況にあったにせよ、子どもが脱臼していることは事実なのだから、それに対して自己防衛的な「言い訳」を前面に出すのはいかがなもんなのか?
ここで、1つ目のステップ達成です。
何に怒っているのか明確にする
→保育士の自己防衛的な「言い訳」に対して怒っている。
2、自分の第一次感情を見つける
私たちは何故「怒り」の感情が湧き起こってくるのでしょう?
ここを理解しておかないと、実は冷静に苦情を伝えることはできないのです。
苦情を言いたくなる背景には「怒り」が関係しています。
その「怒り」は、第二次感情と言われています。
「怒り」感情が湧き起こる前段階に、第一次感情があるのです。
あなたの心の中に、コップがあるとイメージしてください。
そのコップには、ネガティブな感情の水が溜まっています。
毎日の生活の中で、「不安」「心配」「辛い」「疲れた」「悲しい」「淋しい」などネガティブな感情が沸き起こったとき、コップの水が増えていくのです。
そのコップの水がいっぱいになって溢れ出た時に、怒りの感情が湧き起こり、怒りの行動となって表に現れてくるのです。
つまり、「怒り」感情の裏側にかくれている第一次感情を見つけて、そこをサポートしていかないと「怒り」はおさまってくれないのです。
では、エピソードの母親の第一次感情は何?
彼女の第一次感情は、信頼していた保育士のいい訳に対する「不信感」「裏切られた感」。
もしくは、その行動に対する「残念感」「悲しさ」と言ったところでしょうか?
ここで2つ目のステップ達成です。
自分の第一次感情を見つける
→「不信感」「裏切られた感」「残念感」「悲しい」
あなたの苦情の目的は、相手を打ち負かすことではありません。
「難儀な事情」のある状態を解決する為に、より良い方向に向かわせるために、お互いが気持ちよく関係を続けてていくために、「自分の感情と欲求を伝える」ということが目的のはずなのです。
「怒り感情」に振り回され、怒ったままの状態で苦情を言ってしまうと、本来の目的を達成することが難しくなってしまいます。
つまり、あなたが苦情を言う時のポイントは、「怒ったまま苦情を言わない」ようにすることなのです。