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妊活を徹底解説!【その3】不妊治療を始める前にすべき5つのこと

妊活を徹底解説!【その3】不妊治療を始める前にすべき5つのこと

2016年12月6日 公開

このシリーズ、その1では見た目は若々しくても卵子のエイジングは止めることができないこと、年齢を重ねるにつれ妊娠率が低下することなど述べました。その2ではクリニック選びが重要であることを述べました。 ここでは、赤ちゃんがなかなか出来ないなと思った時、クリニックを訪れる前にすべきことについて述べています。 不妊症という病気はありません。赤ちゃんが欲しいけれどなかなか出来ないなと思ったら、それが不妊という状態です。 不妊検査してみたけれど、男女とも特別異常がないということも多いのです。赤ちゃんが来てくれるよう、不妊治療に進む前にできることをまずやってみましょう!

その⒈基礎体温表をつける

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基礎体温とは何でしょうか?
基礎体温の"基礎"とは、人間のもっともエネルギー消費量が少ない基礎的な状態を意味しています。人は寝ている間が最も活動していない状態ですから、就寝中が一番基礎的な状態にあるといえます。とはいえ、睡眠中に体温を測ることはできませんし、寝たばかりというのもこれまで活動してきたあとですから急に基礎的な状態になるわけではありません。したがって、基礎体温を測るのは起床時、体を起こす前にベッドの中で測るのがよいということになります。この時、舌下で婦人体温計を用いて測ったものが基礎体温です。風邪などを引いた時であれば腋の下に体温計を挟んで測りますが、基礎体温はそれよりも精度の高い体温計を舌下で測ります(専用の体温計があります)。

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基礎体温を測り始めるタイミングは生理初日が最もいいでしょう。もしあなたの生理周期が安定していれば最初の二週間の低温期と次の二週間の高温期に綺麗に二分されます。なぜこのような不思議なことがおこるのでしょうか?しかもこうしたことは生殖期にある女性だけに起こるのです。

体温が低温期と高温期に分かれるのは一言で言えば排卵があるからです。排卵があると体温は高くなるのですが、これは排卵した後黄体ホルモンが大量に分泌されるからです。黄体ホルモンは卵巣から分泌されるのですが、体温を上げる働きがあります。そしてこの排卵は脳から卵巣への指令によっておこります。すなわち基礎体温は卵巣の状態を示すとともに、脳が正常に働いているか示すものでもあります。

基礎体温を測ったらぜひそれをグラフ化してください。グラフ化して初めて低温期、高温期が見えてきます。そしてそこに生理があったら×印、セックスをしたら◯印をつけましょう。そうすることで、基礎体温表が立体的になってきます。薬局へ行くと紙の基礎体温表が売っていますが、最近はスマホのアプリでも基礎体温表がたくさんありますので、それらを活用するのもいいですね。

子どもができづらいと感じていて不妊治療を考えているのであれば、最低2ヶ月は基礎体温表をつけてそれを持参してください。クリニックの中には基礎体温表には意味がないと考えるところもあるようですが、自分の卵巣の状態を把握するツールとして、とても優れたものだと私は考えます。

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その2.タイミング法をためす

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この基礎体温にさしたる問題がないと思えるのであれば、基礎体温表から排卵の日を予測します。安定した周期を持った人ならおおよその検討がつけられるはずです。その排卵日を狙ってセックスするのがタイミング法です。その排卵日をより正確に把握したい場合、排卵日検査薬を使うといいでしょう。
女性の年齢にもよりますが、排卵日検査薬を併用してタイミング法を三ヶ月〜半年ほど試してみるのもよいと思います。
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その3.副交感神経に優しい生活をする

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現代の女性は仕事か家庭かではなく、どちらも頑張ってしまう人が多いと感じます。仕事で一定のキャリアを重ねて落ち着いたら出産したいと考えている人もいるかと思いますが、子供がいる生活を考えるなら、少し仕事の量をダイエットしてみませんか?
卵子のエイジングを止めることは出来ませんが、卵子に優しい生活をすることはできます。それは私たちの体をいたわるということ。アクセルを踏みっぱなしの生活では体だけではなく心も疲れてしまいます。時にはブレーキをかけながら、自分が楽に過ごせるようバランスを取っていきましょう。

その4.セックスの回数を増やす

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排卵日を検査しタイミング法を試すようになると、"その日"がお互いにプレッシャーになってくるカップルが多いようです。生殖と切り離されたセックスは楽しかったのに、妊娠するためにするセックスするとなると排卵日のその日だけになってしまい、必然的に回数が減ることに。しかし夫婦で仲良くしないことにはそもそも妊娠はできません。あるアメリカのクリニックでは、セックスの回数を2倍にするようアドバイスしたところ妊娠率が上がったという報告もあります。

卵子の寿命は排卵されてから約24時間。そのうち6〜8時間程度受精能力があると言われています。また精子の寿命は約5日と言われていますが、射精直後は受精能力はなく5時間ぐらい経ってから可能となります。また5日間あると言われる寿命ですが、受精能力は84時間程度と言われています。
なので、排卵してからセックスするのではなく、排卵した時そこに精子があるという状態が理想です。
タイミングは大切ですが、あまり"その日"にこだわらず、パートナーとはいつも仲良くしていることが妊娠につながるのではないかと思います。

その5.環境ホルモンを避ける

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環境ホルモンという言葉を聞いたことのある方も多いでしょう。この環境ホルモンとは、ホルモンと類似あるいはそのホルモンと拮抗する作用を示す化学物質のことです。これらの物質が内分泌障害を起こすことから、一括して内分泌撹乱化学物質(EDC:Endocrine Disrupting Chemicals)、あるいは環境ホルモンと呼ばれています。

近年、この環境ホルモンは、野生動物における生殖異常やヒトにおける精子数減少、生殖器異常、悪性腫瘍の増加や継世代的障害の原因物質として報告されています。

環境ホルモンに含まれ、近年特に地球環境に廃棄・放出されて問題となっているダイオキシン類、PCB、DDTなどは、実験動物による毒性試験では、低用量で明らかに精子数の減少、精子形成障害を引き起こすことが報告されています。特に、現在最も社会的に注目を浴びているダイオキシン類は、実験動物で妊娠率の低下、流産、出生仔の体重低下、性周期の変調、精子数の減少などを引き起こします。また、妊娠動物がダイオキシン類の暴露を受けた場合に胎仔の発生を障害する催奇形作用が社会的な注目を集めています。
このように動物実験では、環境ホルモンが精子形成障害の結果として精子数を減少させることは確実であり、また、次世代に影響を及ぼすことも確かめられています。

現代の日本では6〜7組に1組が不妊に悩むと言われていますが、晩婚化による女性の生殖リミットの問題だけでなく、この環境ホルモンによる精子形成障害がその一因になっていると思われます。環境ホルモンのヒトへの影響は正確にコメントされていません。しかし、動物実験で起こったことが、ヒトでも起こらないとは言いきれません。むしろヒトにも起こりうると考えるほうが自然ではないでしょうか。

この精子数の減少は世界規模で起こっています。1995年のフランス研究グループの報告によると、1945年生まれの男性の30歳時における平均精子数は精液1ミリリットル中1億2百万でありましたが、1962年に生まれた男性の30歳時における平均精子数は同じく5千百万で、17年間に精子数がほぼ半減したとしています。1986年生まれの30歳(現代)の男性の精子はさらに減少しているでしょう。

これは現代社会に様々な化学物質が現れ、それに曝露されてきた結果といえます。この環境ホルモン問題の場合、一般の生活に密着した製品が発生源になっているのです。つまり、私たちの生活習慣の問題でもありますから、生活を皆で変えていくことが必至です。
市民にも出来る環境ホルモン対策

環境ホルモンのメカニズムの解明や原因物質の特定はもう少し時間がかかる。今とりあえずできる身近な対策の提案。

プラスチック容器に入った食べ物を電子レンジで温めない
油ものを高温で熱した場合の溶出基準はない。コンビニで気軽に弁当や総菜を温めてくれるが、ラップやプラスチック容器が高温で溶けてしまえば環境ホルモンを摂取する。

食器保存はガラスか陶器で

動物性脂肪を避ける
除草剤や殺虫剤などの農薬には環境ホルモン作用が疑われているものも多く、それを使って育てた餌を食べる家畜が体内に取り込んだ場合、脂肪に多く蓄積される。動物性脂肪を避ければ環境ホルモンの摂取はかなり減らせる。

野菜を良く洗う

化学物質の使用を全体的に減らす努力をする

環境への負荷が少ない商品を作っている企業を応援する

ごみを減らす

科学を勉強する

環境保護活動に参加する
環境ホルモンを避けることで今すぐ妊娠につながるわけではありませんが、これを次世代での問題ととらえ、この機会にそれぞれの立場で考えていくことが必要だと思います。

まとめ

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昔と生活環境や社会情勢が異なる現代、不妊の理由は様々です。医学的な見地から、結婚年齢が高くなってきたことによる卵子のエイジングの問題があります。また今回は触れませんでしたが、子宮内膜症や子宮筋腫といった不妊の原因になる病気も加齢とともに増えてきます。また結婚前からセックスすることが当たり前のカップルにとって、結婚していつも一緒にいるというのはセックスの新鮮さが褪せてしまい、回数が激減するものです。仕事を持って毎日が多忙な女性も多いでしょう。

カップルを取り巻く環境は厳しいですが、不妊治療中のカップル、そしてこれから不妊治療を始めようとするカップルには情報に振り回されず主体的に妊活してほしいと思います。最終的に妊娠に至っても至らなくても、それまでの経験はそのカップルにとって大切な財産になることでしょう。

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