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産休・育休明けの「マタハラ」って?実体験から学ぶ原因と5つの対処法とは?

産休・育休明けの「マタハラ」って?実体験から学ぶ原因と5つの対処法とは?

2019年5月8日 公開

産休育休明けの仕事復帰。家事育児と仕事の両立に不安を抱きながら復職するママも多いですよね。働く女性を、社会が応援してくれるような時代になりましたが、そこにはまだマタニティハラスメント通称「マタハラ」問題が存在することを忘れてはいけません。産休だけでなく育休明けにもよくある「マタハラ」。働くママが不快な思いをせずに仕事復帰するためにはどうすればよいのでしょうか?今回は私の周りで実際に起きたマタハラの実態をご紹介しながら、その原因と対処法についてご紹介します。

産休・育休明けにもある「マタニティハラスメント」とは?

Question Mark Why Problem - Free photo on Pixabay (148416)

近年、女性の社会進出が活発になったことで「産休」「育休」を上手に取得しながら、結婚・出産を経て仕事を続ける人が増えています。そんな働くママたちの間で問題となっているのが「マタニティハラスメント」、通称『マタハラ』です。

マタニティハラスメントとは、女性が妊娠や出産を理由に不当な解雇を強いられたり、自主退職を促されたり、妊娠出産を機に、職場で嫌がらせを受けたりすることです。

平成27年に行われた厚生労働省の調査によると、正社員で21%、派遣社員で48%の女性が、妊娠・出産を理由とする不利益な取り扱いを経験したという結果となっています。(※1)

セクハラやパワハラなどが一般的ではありますが、働く女性にとって「マタハラ」も、決して他人事ではないということを理解しておく必要がありますね。

※1、「妊娠等を理由とする不利益取扱い に関する調査の概要」厚生労働省調べ

マタニティハラスメントの実態は?

Startup Meeting Brainstorming - Free photo on Pixabay (148417)

ここでは、私の周りで実際に起きたマタニティハラスメントについてご紹介します。正社員に限らず、派遣社員や契約社員、パート社員でも起きている内容となります。

ケース①正社員A子さんの場合

勤続年数7年、正社員としてバリバリ働いていたA子さんですが、結婚を機に妊活を始め、2年後に待望の赤ちゃんを授かりました。もともと、残業も多く、帰宅時間が遅かった職場でしたが、妊娠してからも改善されることはなかったそうです。さらに、産休に入ることで上司や先輩に嫌味を言われたり、わざと重労働を強いられたと言います。

その後、無事に産休・育休に入ったA子さんでしたが、復職時には自宅から片道1時間半もかかる支店へ異動させられ、保育園のお迎えが間に合わないからと時短勤務をお願いしたところ、降格・給与減額を言い渡されたそうです。
その仕事にやりがいを持ってやっていただけに、このまま辞めるかどうか悩みながら今も仕事を続けています。

ケース②派遣社員B子さんの場合

女性スタッフばかりの職場で、派遣社員として働いていたB子さんでしたが、妊娠を機に独身の先輩社員に嫌がらせを受けたり、わざと過重労働を強いられたそうです。
さらに、変な噂を広められ、精神的にも追い詰められた結果、彼女は自主退職せざるを得なかったと言います。

他の上司や先輩には決して相談できる環境ではなかったそうです。

ケース③パート社員C子さんの場合

産休・育休明け、職場復帰した際に、出産前と異なる部署であるからと、時給を大幅に減額されたC子さん。子どもの体調不良や行事で休むことも多く、肩身の狭い思いをしながら続けていましたが、ある日契約を突然解除されてしまったそうです。

パートではあったものの、責任をもって仕事をしていただけに、大変ショックを受けていました。

マタニティハラスメントが起きる原因とは?

Macbook Notebook Home Office - Free photo on Pixabay (148418)

これだけ多くの女性が悩まされている「マタニティハラスメント」。不当な扱いを受ける女性側には、あまり非がないことが多く、ほとんどの場合、産休・育休を取得することやつわりなどでやむなく労働率が低下することで起きています。

その根本的原因の1つは、職場の理解や協力が不足していることにあります。
妊娠や出産における体の変化や、現代の育児環境についてなど、上司や同僚が理解していないことが大きな要因となっています。

もう1つは、会社の制度が徹底されていないことです。
産休や育休取得、職場復帰に対しての制度がしっかりとしていない企業の場合、周りの認識が不足してしまいます。これにより、マタハラなど働くママの職場環境を悪化させてしまっているようです。

対策1、上司と事前に打ち合わせをする

Business Deal Laptop - Free photo on Pixabay (148419)

決して他人事ではない「マタニティハラスメント」。自分の身に起きないようにするためには、まず産休・育休明けには必ず職場の上司と面談することが大切です。

・業務内容
・勤務形態
・勤務地
・勤務時間
・残業や出張などの有無
・給与など待遇面


これらをよく話し合い、納得できる条件であるかを見直すようにしましょう。
よくあるのが、事前の打ち合わせをせずに職場復帰してしまい、「勤務地が違った」「給与が大幅に下がっていた」「時短勤務だと思ったが違った」など、双方のすれ違いが生じてしまうケースです。

出産前は○○だったから大丈夫であろう…と思いこまず、細かい点もよく確認してから職場復帰を目指しましょう!

対策2、給与減額は各種制度で乗り切る

Money Finance Business - Free photo on Pixabay (148420)

産休・育休後に職場復帰をしても、なかなか思うように働けないことで給与が下がってしまうこともありますよね。そのようなときは、公的な制度を利用して、家計の負担を少しでも軽くすることが大切です。

①厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書

この制度は、育休明けに短時間勤務などで標準報酬月額が下がってしまった場合に、将来受け取れる厚生年金を、子どもが生まれる前の標準報酬月額に基づいた年金額に出来るというものです。

これは、子どもが3歳未満であることと、子どもの養育が始まった月の前1年以内に厚生年金の被保険者であったことが条件となります。これらを満たした場合、勤務先の会社に申し出れば、手続きをしてもらえます。

通常は、標準報酬月額が下がれば将来受け取る年金額も下がってしまうのですが、この制度を利用すれば、将来受け取れる厚生年金額は変わることがありません。

②育児休業等終了時報酬月額変更届

この制度は、育休明けに、短時間勤務などで月の給与額が減ってしまった場合に、社会保険料も同等に下げることができるというものです。

こちらも3歳未満の子どもを養育していることや、改定前と改定後の標準報酬月額の差が1等級以上であること、育休明けてから3ヶ月のうち、労働日数が17日以上/月あるという条件を満たしていれば利用できます。

社会保険料が少しでも減額になれば、育休明けでも、子どもを保育園に入れながら上手に働くことができそうですね。

対策3、割り切りも必要!

Notebook Work Girl - Free photo on Pixabay (148421)

産休・育休明けは、タイミングによっては職場に空きが無いことで、元の勤務地や元の職責に就くことか出来ない場合もあります。
また、希望の部署に戻れたとしても、子どものことでお休みや遅刻・早退が増えることで、これまでのようにバリバリと働くことが難しくなることもあります。

「こんなはずじゃなかったのに」「もっとできるはずなのに」と悔しい想いもあるとは思いますが、そんな時も卑屈にならず、多少の割り切りが大切でしょう。

子どもが大きくなり、自立してくれるようになれば、また元のように働くことができます。今は、グッとこらえ、最低限今の自分ができることをしっかりとやり遂げるようにしましょう。

対策4、周りへの感謝の気持ちを伝える

Thank You Thanks Card - Free photo on Pixabay (148422)

トラブル回避の1つには、周りへの感謝の気持ちを伝えることが重要です。
子どものことでお休みや遅刻・早退が多くなった時に、自分の代わりに仕事を請け負ってくれる、協力してくれる同僚や上司への感謝の気持ちを常に忘れないようにしましょう。

「有難うございます」「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」という姿勢でいれば、周囲も自然と理解を示してくれるはずです。

対策5、家事育児はパパと分担して乗り切る

Family Kids Baby - Free photo on Pixabay (148423)

産休・育休明けは、慣れない仕事にプラスして家事や育児も担うことになるので、ママはとても大変ですよね。
保育園や幼稚園に通い始めた子どもも、慣れない環境でストレスをためてしまうので、いつもより甘えん坊になったり、わがままになってしまいがちです。「ママ抱っこ~」と泣き叫ぶ我が子の相手をしながら、夕食の支度をするのはとても大変ですよね。

すべて完璧にこなそうとすると、ママ自身のストレスがたまり、体調を崩してしまいます。
なるべく、家事や育児はパパと分担し、協力し合いながら乗り切るようにしましょう。
仕事復帰をする前に、事前にパパと家事分担を決めておくなど、入念に話し合っておくと良いでしょう。

これを機に、パパにも積極的に育児参加してもらえると嬉しいですね!

「マタニティハラスメント」は法律で禁じられている!

No Not Warning - Free image on Pixabay (148424)

妊娠・出産・育休・産休取得などを理由とする解雇などの不利益な取り扱いは、現在では「男女雇用機会均等法および育児・介護休業法」にて禁止されています。
前述したように「妊娠した」と告げたら解雇されたり、契約更新をしてもらえなかったなどの不当な扱いは、すべて違法となるのです。

また、法律の改正に伴い、平成29年1月からは事業主に、このような「ハラスメント行為」を適切に対処することが義務付けられています。もし、このような不当な取り扱いを受けた場合は、速やかに会社の人事・労務などの担当部署に連絡をするようにしましょう。また、各自治体の労働局でもこれらのハラスメント行為に対し、相談を受付けてくれます。勇気を出して相談してみると良いでしょう。

まとめ

Mom Daughter Beauty - Free photo on Pixabay (148425)

いかがでしたか?育児・産休が明けてからも、保育園が見つからなかったり、保育園に入れても子どもが馴染めず思うように通えないことで、大事な会議に出られなかったり、仕事を任せてもらえなかったり、働くママの立場はとても難しいものですよね。

出産前と同じように働けない自分にショックを受けてしまうことも多いと思います。しかし、そこで諦めたり、卑屈になったりせずに、周りに感謝をしながら働き続けることが大切です。
子どもは、成長と共にママの手から離れていきます。
今年よりも来年、来年よりも再来年…というように、年々楽になっていくはずです。

せっかく築き上げたキャリアをここで諦めることなく、上手にパパと協力し合いながら育児と家事、仕事の両立をしていきましょう。働くママの背中を、子どもはきっと見ていてくれるはずです。