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子供のSOSとの上手な向き合い方!~心療内科という選択肢について~

子供のSOSとの上手な向き合い方!~心療内科という選択肢について~

2016年12月8日 公開

大切な子供たちの成長はとても嬉しいものですよね。しかし、子供たちの心は成長するにつれて不安定になったり、何を考えているのか自分でもわからなくなってしまったりと、大きく揺れ動く時があります。この状態は成長過程で一時的なものであることが多いのですが、時にその背後に心の病気が潜んでいることもあるのです。今回は、心の病気の解説や子供の心と向き合っていく方法をご紹介します。

子供の心の病気を心配する親は少なくはない

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我が子が不登校やひきこもりになってしまったときの親のショックはきっと計り知れないものがあります。
「うちの子に限ってまさか…」と思ってしまうのは、どこの親御さんでも一緒で、その気持ちは普通のことなのです。

そのため、いざ我が子が不登校やひここもりになってしまった時はみんなどうしようと焦ってしまうのです。


不登校やひきこもりというワードは最近よく耳にしますが、このような子供の状態を目の当たりにしてしまうと、親は様々な不安に駆られます。

親が抱える不安には様々なものがあるとは思いますが、考え方を少し変えてみることでそれらの不安を和らげることも出来ます。

そこで、代表的な親の不安と和らげるための親としての心構えを紹介していきます。

学校に行かないと学力が落ちて、進学が出来ないのではないか?

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進学のために無理をしてまで学校に行って、成績を維持することはそんなに意味のあることではありません。

今の日本社会には、昔よく言われがちだった「良い学校→良い会社→幸せな人生」といった人生のレールは、もう存在していないも同然です。

子供がこれからの長い人生生きていく中で、今重要とされているのは学校で良い成績を取ることよりも、生きる力・生きる知恵・人との関わり方を学ぶことです。
これらを学べる場所は学校だけではないですよね。

学校に行かないと社会性や適応力が身につかないのでは?

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昔は画一的な社会だったのに対し、現代はひとりひとりの個性を大切にする社会へと変わってきています。

個性だっていろいろ!
学校のシステムに馴染めない子が出てきても、何も不思議ではありません。

学校生活に適応できなかったからという理由で、その子の社会性や適応力に問題があるわけではありません。

子供が適応して、楽しく生活出来る場所は、学校以外でも必ず存在しているはずですよ。

学校くらい我慢できないと社会に出ても通用しないのでは?

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我慢には必要な我慢もあれば、時に有害な我慢も存在します。

学校という組織の中で秩序や規則を守り我慢を覚えることも大切ですが、いじめにあって傷ついている子が身を削ってまで学校に通うことは、必要な我慢とは言えませんよね。

何もしないで生活していたら無気力な人間になるのでは?

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学校に行かない行為は、大人が考えている以上にエネルギーを使うようです。

「頭が痛い、お腹が痛い」という身体の不調は、辛いことから自分を守るための自然な身体の防御反応で、そこから「学校へ行かない」という答えを出すことはとても力がいることです。

気力がないから家でゴロゴロしているわけではありません。

学校とはどのように関わっていけば良いのか?

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まずは、子供にとっての家庭が「安心して認めてもらえる場所」になるよう心がけることが大切です。
子供のことで学校とやり取りをするのは母親になりがちですが、父親にもできるだけ関わってもらいましょう。

学校側は、本人の気持ちを把握した上で手紙やメールのやり取り、家庭訪問などをしてきちんとコミュニケーションを測っていっていただきたいです。

子供の不登校やひきこもりは深刻な問題ですが、これが原因でその後の人生が全てダメになってしまうわけではありません。

まだまだスタートライン!
そこから立ち直って、いくらでもやり直すことが出来るはずです。

「鬱」は大人だけの病気ではありません

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受験やいじめ、不登校、家庭の事情、失恋など毎日の生活の中で、様々なことがストレスとなって、うつ病を発症する子供が増えています。

また、言葉ではうまく説明出来ないため、「頭が痛い」「お腹が痛い」などと訴える子も多いようです。
そのため気付いてあげにくいtぴう難点もあります。

子供の鬱は大人のような鬱病らしい症状はあまり出ないという特徴があります。

では子供にどのような特徴が現れたら注意すべきなのでしょうか。

もしかして鬱?見逃さないで!子供の鬱の代表的な特徴

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次のうち5つ以上(1か2を含む)が2週間以上続くようなことがあった場合は、専門家に相談することをオススメします。


1.悲しく憂鬱な気持ちが一日中続く
2.今まで好きだったことに興味がわかない、何をしていても楽しくない
3.食欲低下、あるいは増加
4.眠れない、あるいは寝すぎる
5.イライラして怒りっぽくなる
6.疲れやすく、何もやる気が起きない
7.自分が価値のない人間に思えてくる
8.集中力がなくなり、物事の判断が出来ない
9.死にたい、消えてしまいたい、存在しなければよかったと思う


鬱病の初期症状は、心の不調ではなく身体や行動の問題として現れることがほとんどです。
特に思春期の頃に、このような傾向が多く見られます。

また、鬱病の症状は朝の調子が一番悪く、午後から夕方になるにつれて調子が改善していくということが多いようです。
そのため、朝調子が悪く学校を休んだのに午後からは元気に見えるため、周囲からはサボったように見えてしまうのです。

しかし、鬱病は決して怠けているわけでも、気の持ち用で何とかなるものでもありません。
鬱病は日本人の今や15人に1人が一生のうちにかかるだろうと言われているくらい、とてもありふれた病気です。
早めに適切な治療を受けることが望ましいのです。

「心療内科」とはどういった病院?

心療内科とは、心の病気がきっかけとなり身体にも症状が現れた場合、その症状や病気を治療するところです。
主に心身症に代表される、「心に原因がある身体の病気」を扱い、診察する医師は心療内科医になります。

心身症に該当するのはどんな疾患?

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心身症に該当する疾患は非常に多岐に渡ります。

・ ストレスが原因で生じた胃潰瘍
・ ストレスが原因で生じた心筋梗塞
・ ストレスが原因で生じた喘息
・ストレスが原因で生じた高血圧
・ストレスが原因で生じた下痢や腹痛、便秘

などなど、心が原因で生じた身体の病気は全て心身症に該当します。


これらの原因は主にストレスという精神的な問題であるため、一見精神科での治療では?と思ってしまいがちです。

しかし、実際に身体に表れている症状は胃潰瘍による胃の痛みであったり、血圧上昇による心筋梗塞だったりと身体の疾患に分類されるため、心療内科という内科領域の扱いになるのです。

心が原因であっても、身体の症状が表れている疾患であり、画像検査や時に採血などの検査値で異常を確認出来るものも多く、これらは心療内科医が専門になります。

「心療内科」と「精神科」の違いとは?

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精神科は「心(精神)の病気」を扱う科目になります。

心療内科は上記でも紹介したように、心が原因で表れた身体の病気を扱う科目になります。


両者の大きな違いはこれです。

しかし、鬱病など精神科で扱う疾患でも、胃痛や頭痛などの身体への症状が出ることもありますし、心身症であっても身体への症状が軽い場合もあります。
心へのダメージが大い場合は、心の症状と身体の症状の両方が現れてしまうことだってあります。

そのため、正直両者どちらを受診するのが正解なのか迷ってしまいますよね。

精神科と心療内科のどちらを受診するか迷った場合は、心が原因で「身体症状が主」であれば心療内科、「精神症状が主」であれば精神科というのが答えになります。

学校から「心療内科」を勧められる場合もある

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最近では担任の先生や保健室の先生、スクールカウンセラーなど学校側から心療内科への受診を勧めるケースも多いと言います。

学校側は子供の症状が良くなることはもちろん、将来を考えた上での提案だと思います。

しかし、急に心療内科を勧められて戸惑ってしまったり、または「私は病気なのかな」と不安になったり、心療内科にかかること自体に抵抗があり、恥ずかしいと思っている子供や親御さんも多い思います。

心療内科を受診することは恥ずかしいことではない!

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まず、分かっていただきたいことは、心療内科へ行くことは恥じることではないということです。
風邪をひいたり具合が悪い時は、病院を受診しますよね。
そのくらいの感覚で、何も抵抗を持つ必要はありません。

心療内科は、話を聞いてくれてリラックス出来る場でもあります。
先生や病院との相性はありますが、親や知人には話せないけれど、何の接点もない赤の他人(心療内科の先生)には何でも打ち明けられた、なんてことはよくあることです。

現にどこの心療内科でも初診では、じっくり話を聞いてくれて、今後はどういった治療が必要か一緒に考えてくれるところがほとんどです。


人は、他人に共感や理解を示してもらうと、とても安心するものです。
心療内科にかかることは、他人に心の内を話し、自らも開放してあげられる場所ではないでしょうか。
上記のリンクにもあるように、心療内科の受診は恥ずかしいことですか?と質問をしている方がたくさんいらっしゃいました。

見ていただければ分かるように、誰も恥ずかしいとは回答していません。
むしろ前向きな回答の方が多いように感じます。

学校や病院のサポートやアドバイスがあれば、大抵の子供の心の問題は解決に近付きます。
ただし、どんな場合でも親が子供に寄り添って「あなたは一番大切な存在である」こと、「治療で必ず良くなる」ことを伝えてあげること一番大切です。

子供の心のSOSの気づき方

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心の病気には様々なSOSのサインが現れます。
特に睡眠、食欲、体調、行動の4つの面に表れてくることがほとんどです。


◎睡眠

・なかなか寝付けない様子だ
・遅くまで夜更かししている
・眠れないと言う
・逆に寝すぎる


◎食欲

・食欲低下、食べる量が減った
・逆に食べ過ぎる
・急に痩せた、または太った
・パンやご飯などの炭水化物ばかり欲しがる


◎体調

・疲れている
・顔色が悪い
・腹痛や頭痛、めまいや吐き気を訴える


◎行動

・学校に行きたがらない
・友達と遊ばなくなった
・無口になった
・何度も同じ動作を繰り返す
・話が支離滅裂になって、通じなくなった




「今まではこんなことはなかったのに」、「最近どうも普段の様子と違っているな」など、いつもとは違うというその気付きがとても重要なのです。

このようなサインに気付いたら、子供から話を聞いてみるようにしましょう。

心の病気の多くは、早期に治療すれば回復も早いと言われています。
子供の変化に気付いたら、早めに行動に移すことをお勧めします。

「子供の心療内科」についての動画は沢山ある

「子供の心療内科」で検索すると、その道の専門の方がわかりやすくアドバイスをしてくれている関連動画がたくさんヒットします。

その中でもおすすめをいくつかご紹介します。

引きこもり・不登校の治し方【精神科医・樺沢紫苑】

精神科医でもある樺澤紫苑先生が、子供がひきこもりや不登校になってしまったら自宅で出来る第一歩をアドバイスしてくれている動画です。
心療内科に通っているからといって、親は自宅で何もしない、これでは全く意味がありません。
規則正しい生活に戻してあげることの重要性について唱っています。

子どもが不登校のママさんこの動画見て!

我が子が自分に向けて話しているかのような気分になる動画です。
同じ気持ちの子供たち、またそのような子を持つ親たちの多くが涙を流したそうです。
親から見た子供の姿と、本音の子供の姿は違うのかもしれません。
子供の将来を守れるのは親である私たちだけ、そう気づかされる動画です。

子供の気持ちを理解して解決された実例集 不登校引きこもり解決法

不登校、ひきこもりカウンセラーの先生による動画です。
子供は自分のことを分かろうとしてくれている人のために変わるんだと、クライアントの実例を用いて説明してくれています。

心の病気は薬を飲むだけでは治らない?

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心療内科に行くとその症状に見合った薬が処方されるでしょう。
もちろんきちんと薬を飲めば症状はおさまります。
しかし、これは一時的に症状がおさまっただけであり、根本的な部分は何も治っておらず解決していないのです。

本当に大切なのは心のトレーニング

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心療内科は心の病気を治すためにとても重要なものであることは間違いありません。

心療内科は心の不安定な症状に対し、それを改善するための手助けをしてくれる場所です。
よって根本的な解決を提供してくれる場所ではないのです。

例えば、風邪をひいて医者にかかると、辛い症状を緩和するための風邪薬が処方されます。
この薬は風邪の症状に対して回復をサポートするためのものです。

しかし、この風邪薬だけが身体を完全に回復させてくれるのかといったらそうではないですよね。
身体を回復させるのは自分自身です。
あくまで風邪薬は、それのサポートするものなのです。


要するにこれが心療内科の役割です。
心の病気を治すのではなく、あくまで症状を緩和して治りやすくしてくれるということです。

心の病気も風邪と同様に、 最終的な根本部分を治せるのは自分自身 しかいないのです。

子供の心の病気を治すには、心療内科での治療で症状を軽減しながら、自分自身を変えていく努力をしていくことなのです。

子供の言葉に耳を傾けてあげましょう

辛いことや悩みがあるとき、話を聞いてもらっただけで気が楽になったという経験は誰にでもありますよね。

子供が辛くていっぱいいっぱいの時に、いきなり「病院に行こう」と言うのではなく、まずはその原因である不安や悩みを聞いてあげることを心がけましょう。

子供の話を聞くときの心構えとは?

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・話してくれなくても、無理強いはしない
・話してくれなくても諦めず、「いつでも聞くから話してね」と伝えて、話してくれるのを待つ
・話してくれてどうもありがとう、という気持ちで聞く


自分の心の問題を話すことは、誰にとっても勇気がいることです。
そのため話してくれなかった場合は、決して無理強いはせず話してくれるのを待ってあげることが大切です。

そして、話してくれたときは「辛かったね。話してくれてありがとう」と思いやる気持ちも大切です。


「私はあなたを気にかけているよ、心配しているよ」ということが子供に伝われば、きっと素直に胸の内を話してくれるはずです。
日頃からきちんと子供とのコミュニケーションを取るように心がけましょう。

まとめ

子供の心のSOSのサインは、長い間生活を共にしてきた家族だからこそ気付けるものがほとんどです。

そんな時、「子供は自分のせいで悩んでいるんだ」と自分を責めたり、夫婦で言い合いをしたりという行為はしないようにしましょう。
子供の不調は誰のせいでもないのです。

子供の心の病気の克服には、何よりも家族や周りの人の協力が必要不可欠です。
辛い時、大変な時だからこそ、家族で支え合っていかなければなりません。

必ず解決します、無駄なことは何一つありません。
焦らず、ゆっくり見守っていくことが重要です。