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【帝王切開後の妊娠】いつから?出産方法は?不安や疑問を解消しよう

【帝王切開後の妊娠】いつから?出産方法は?不安や疑問を解消しよう

2017年1月22日 公開

帝王切開での出産の後、また赤ちゃんに出会いたいと思ったとき一番はじめに思うのはどんなことでしょうか。いつから妊娠していいの?出産方法は?とやっぱり気にしてしまいますよね。そんな不安や疑問を解消する、帝王切開後の妊娠についてまとめてみました。

帝王切開が増えている理由

帝王切開が年々増加傾向にある原因について考えよう | 赤ちゃんの部屋 (22414)

分娩の件数は減ってきているにもかかわらず、帝王切開での出産は右肩上がりに増えてきているようです。この20年で2倍にも及び、その数は、5人に1人といわれています。
経膣分娩からの緊急帝王切開というケースが多くなってきているともいわれているようです。

高齢出産が増えていることから、妊娠出産におけるトラブルも増加の傾向にあるようです。そのため、事前に帝王切開が選択されることも多くなっているのだそうです。
また、高齢出産の場合、産道が十分に広がらない状態で長時間となり、緊急帝王切開が選択される場合もあるようです。

もうひとつの理由としては、医療側が出生前後のリスクを回避という動きもあり、少しでも経膣分娩に異常があると判断した場合、帝王切開を行う傾向にあることが大きな理由となっているようです。

帝王切開後の妊娠について悩みは多い

[フリー写真] 悩みを抱える女性のポートレイトでアハ体験 -  GAHAG | 著作権フリー写真・イラスト素材集 (22595)

予定帝王切開にしても、緊急帝王切開にしても、お腹を切開して大切なわが子を出産したのですから、その後子供を授かるにあたっては不安に思うママも多いようです。
帝王切開後の妊娠。妊娠前にチェックを受けましたか?
分娩中のトラブルのため、第一子を帝王切開で出産しました。
その時「子宮の回復のために1年間は妊娠しないように」と、言われました。

第二子を希望する時、産婦人科で子宮の状態を診てもらった方が良いのでしょうか?
帝王切開後の妊娠について教えてください。
今年の5月に帝王切開で男児を出産しました。
30代半ばということもあり、出来れば早めにもう1人授かることができれば良いなと思っています。
産院
からは最低半年を開けてください。出来れば一年と次の妊娠のことを言われました。
来年の5月に以降であれば妊娠しても大丈夫ということでしょうか?
帝王切開後の妊娠は、時期によっては残念な決断をせざるを得ない場合もあると聞きますし、時期を選んで妊活しないといけないかもしれませんね。

では、帝王切開後の妊娠はいつからできるのでしょうか。

帝王切開後、いつから妊娠できる?

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帝王切開での出産後、きっと医師による指導を受けていると思います。ただ、ネットやいろいろな場所で見聞きするものはどれも期間が違ったりして悩むところですよね。

●最低でも半年
●1年あけて
●2年あけて

など、さまざまなことが書かれていますよね。

これを書いているわたしの場合ですが、次男のときに軟産道強靭症で長時間のお産となったため、母体の状態が悪化し、緊急帝王切開となりました。
その後、医師からの指導では、『次の妊娠出産については2年あけてくださいね。旦那さんときちんと話し合ってくださいね』と言われました。
わたしの場合は第2子でしたから次の妊娠のことをすぐに考えることはなかったですが、これが初産だった場合、次の妊娠のことはきっと心配になることでしょう。
家族計画を立てている場合、年子を望んでいる場合もあるのでしょうから、計画がくるってしまうと不安になるかもしれません。

次に、帝王切開での出産後、次の妊娠出産までの期間をあける理由について考えてみましょう。

※軟産道強靭症は、十分に強い陣痛が来ているのにも関わらず骨産道異常や回旋異常もなく、分娩を妨げる要因はないのに子宮口も開かず赤ちゃんが下りてこられないまま、分娩が進行しなくなったり、非常にゆっくりになってしまう。※

帝王切開後の妊娠までの期間をあける理由

Free photo: Speaker, Child, Pregnancy, Baby - Free Image on Pixabay - 1305540 (22679)

子宮の回復をさせるためというのが、まずあげられます。これは、経膣分娩でも帝王切開でも同じですね。
しかし、帝王切開の方が慎重にならざるを得ない理由があります。それは、子宮を切開しての出産であるということです。

切開した子宮の壁は傷がある状態です。その傷の部分は、まわりの子宮の壁よりも薄い状態になっています。そのため、妊娠出産のときに子宮破裂を起こしてしまうリスクがあるのだそうです。
次の妊娠出産に耐えられる子宮に回復するために、間隔をあけて妊娠するように指導される理由といえそうです。

年齢などの理由で、すぐにでも次の子供をと考えるかもしれませんが、まずはママのカラダを回復させることに重点を置きましょう。
もしも、どうしてもできるだけ早くと望むのであれば、かかりつけの医師などに子宮の回復状態など妊娠が可能かどうか診てもらってはどうでしょうか。そうすれば、妊娠できるのか、時間をあけるのか納得しやすいでしょう。

出産後、生理が再開していなくても排卵は再開しているということがあるそうなので、生理が再開していないからと安心はしないほうがいいでしょう。
望んでいない期間に妊娠して、悲しい選択をしなければならないというケースもあるようですし、パパと避妊についてもしっかりと話し合っておく必要があるかもしれませんね。

帝王切開後の出産は経膣分娩できない?

Free photo: Parents And Children, Famllia - Free Image on Pixabay - 1917649 (22680)

帝王切開後の妊娠で出産方法はどうなるのか、これもとても気になるところですねよ。
出産に対して、いろいろな思いをもっていたのに帝王切開での出産にならざるを得なかった場合、特に気になるかもしれません。
まずは、そんな思いを抱えているママたちのことに触れてみます。

帝王切開コンプレックス

はじめての妊娠、バースプランなどお産についての思いを赤ちゃんを授かってからずっと考えていたというママも少なくないのではないでしょうか。

思い描くのはきっと、経膣分娩。そして、カンガルーケア。パパの立ち合い。理想の出産を思い描いていることでしょう。心構えをしているのは陣痛のことでしょうね。お腹を切ってその痛みなど想像もしていないかもしれません。

逆子などの原因で帝王切開をせざるを得ない状況になってしまったり、お産が始まったのになんらかの理由で緊急帝王切開となってしまったりで思い描いていたお産ができなかったという状況になってしまうことがあります。

そんな中、【陣痛の痛みに耐えないとお産じゃない】とか【あの痛みに耐えるから母性がわく】とか【楽して出してもらって】とか訳の分からないことを言ってくる人もいるんですよね。
【痛い思いしなくてすんでよかったね】とか【楽だったでしょ?寝てるだけだもんね】とか経産婦さんからも言われたりして傷ついてしまい、経膣分娩できなかったことで自分を責めてしまったり、後悔を募らせてしまうママもいます。

また、赤ちゃんに対しても【産道を通るという苦しい体験をしないで生まれると我慢ができない子になる】とか心ないことを言ってくる人もいるのだとか。

このように、思い描いたお産ができなかったことをコンプレックスと思ってしまって傷を深めてしまうママたちの抱えている思いを【帝王切開コンプレックス】というそうです。

帝王切開後の経膣分娩はできるの?

やっぱり経膣分娩がしたい!と願うママも多いかもしれません。しかし、一般的には帝王切開後の出産は帝王切開が選ばれることが多いです。それには子宮破裂のリスクが高いからということになるでしょうか。

帝王切開での出産のあとでも、経膣分娩が可能な方法があるようです。それは【VBAC】という方法です。
有名芸能人が第一子を帝王切開で出産し、第二子を【VBAC】で経膣分娩をしたということで話題となりましたよね。

では、その【VBAC】という方法についてみていきましょう。

帝王切開後のVBACってなに?

ブランケットを羽織った女性|フリー写真素材・無料ダウンロード-ぱくたそ (22681)

【VBAC】とは、【Vaginal Birth After Cesarean】の略で、帝王切開で出産した後、次の出産で経膣分娩することをいうそうです。
そして、【VBAC】に挑むことを【TOL*経膣試験分娩】というそうです。

【VBAC】には適応条件があります。

●帝王切開での出産が過去に1回だけ。
●前回の帝王切開で出産後の経過が順調。
●お腹の赤ちゃんが双子でないこと。
●お腹の赤ちゃんが頭位であること。
●お腹の赤ちゃんに問題がないこと。
●妊娠合併症がないこと。
●経膣分娩のリスクが前回帝王切開だったことだけ。
●41週までに自然に陣痛がくること。
●VBACの条件やリスクを家族が理解し承知していること。


条件がたくさんあり、挑戦的なことだということなのかもしれませんね。
次に、【VBAC】のメリット・デメリットについて考えていきましょう。

帝王切開後のVBACのメリット・デメリット

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帝王切開のあと、VBACを考えるうえでメリット・デメリットはきちんと把握しておく必要があります。メリットとデメリットを十分に考え、家族でしっかり話し合いを重ねていきましょう。

VBACのメリット

●経膣分娩(自然分娩)できる●
帝王切開での出産のあと、経膣分娩(自然分娩)ができるということでしょうか。VBACをしたママたちはしてよかったと思っているようです。

●産後のカラダの回復が早い●
どちらの出産方法も経験したわたしは、確かに、経膣分娩(自然分娩)の方が回復が早かったです。
出産を終えたあと、すぐに歩けたし、食事も普通にできました。その点はとても大きなメリットといえるとおもいます。

●赤ちゃんのお世話が楽●
産後の回復が早い分、赤ちゃんのお世話は楽だと思います。

●入院期間が少し短い●
帝王切開の場合、6日~10日ほどの入院が必要ですが、経膣分娩の場合5日ほどでの退院が可能です。

●次のお産もVBACに挑戦できるかもしれない●
帝王切開の回数は過去に1回だけという条件ですから、次のお産もVBACに挑戦することが可能かもしれません。

VBACのデメリット(リスク)

●子宮破裂●
子宮破裂がもっとも大きなデメリット(リスク)といえるでしょう。【無症候性子宮破裂】といって、子宮破裂の兆候が見られず分娩が進行して、赤ちゃんが生まれたあとに出血があり気がつくといったケースも増えているのだとか。
子宮破裂の確率は、帝王切開の経験がない場合は1万人~2万人に1人と言われますが、VBACの場合、1000人に1人というデータや100人に1人というデータもあるといわれています。
子宮破裂が起こると、まれに大量出血を起こしてしまうことがあり、ママの生命にかかわる事態となることがあります。輸血が必要となったり、子宮を全摘出しなければならないということもあるそうです。
また、お腹の赤ちゃんには心拍異常や死亡、生まれた赤ちゃんも新生児仮、死亡や脳性麻痺や精神遅滞などの重い後遺症が残る場合があるそうです。

●なにかあったときは緊急帝王切開に●
VBACに挑戦したとしても、子宮破裂をはじめ、分娩中に問題が起きたときは緊急帝王切開に切り替わることになります。
そのことは十分に理解しておかなければならないことでしょう。

帝王切開後の出産VBACはどの病院でもできる?

病院・医院の建物イラスト(医療) | かわいいフリー素材集 いらすとや (22683)

一般的には、帝王切開後の出産に関しては、次も帝王切開でという病院が多いと思われます。それはやはり、より安全な出産をとの思いからと考えられます。

VBACが可能だとしている個人病院もあるようですが、その場合でも緊急事態に対応できる病院との連携がきちんとされているところを選ぶ必要がありますね。

理想的なのは、周産期医療など緊急事態に対応できる設備が整った病院を選ぶことでしょうか。万が一の事態となったときに、ママの命にも赤ちゃんの命にも全力で対応してくれる病院を選ばなければならないでしょう。

VBACを考えているママは、まずかかりつけ医に相談し、その先生がVBACでに出産を受けてくれるか、または、受けられないならVBACができる病院を紹介してもらえるかなど確認してみるといいかもしれませんね。

帝王切開後の出産VBACの費用

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VBACが成功すれば、経膣分娩(自然分娩)での出産となり、帝王切開よりは少し低くなるでしょう。ただし、帝王切開と違って保険適用外となります。

VBACを受け入れてくれる病院の多くはしっかりとした設備が整っている病院であることが多く、費用が高めであることも考えられます。公立の大学病院や総合病院なら少し費用を抑えられる場合もあるようです。

VBACの際になにか問題が起きて、緊急帝王切開となる場合はその帝王切開の費用も加算されることになるので、高額になる可能性もありますので、その点は把握しておく必要があるでしょう。

どんな出産の場合でも、病院によって費用は変わってくるので、出産する病院に問い合わせをし、費用面のことも理解しておいた方がいいかもしれません。

まとめ

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帝王切開後の妊娠出産は、とにかくママのカラダの回復が第一です。ママのカラダが妊娠出産に耐えられるカラダに回復していないとはじまらないのです。

次の赤ちゃんに出会いたいと思ったときは、まずはママのカラダが万全か検査してみるのもいいかもしれません。
そして、赤ちゃんを授かれたら、どんな出産方法にするのか、ママとパパ、家族でしっかり話し合ってみましょう。きっと、家族の絆も深まるのではないでしょうか。

そのために必要な情報をしっかり集めて、十分に考え、話し合って後悔のない素晴らしい妊娠出産になることを願います。