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今すぐ始めよう!「思春期の子どもの自主自立」を目指して、幼児期にしておくべき教育とは?

今すぐ始めよう!「思春期の子どもの自主自立」を目指して、幼児期にしておくべき教育とは?

2017年7月13日 公開

子どもから大人への階段を上り始める思春期。早い子で12歳頃から始まると言われています。今、この思春期に入った子どもとのかかわりに悩むママも多いようです。今はまだ、可愛いわが子にもいつかは必ずやってくる思春期に備えて、幼児期にしておくべき教育についてお話しましょう。

思春期は子どもにとって変化の時期、成長の時期、葛藤の時期

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思春期は子どもにとって変化の時期、成長の時期、葛藤の時期ですね。

そんな思春期に悩まないためには、まず「思春期」にはどういう特徴が現れるのかについて知っておきましょう。
男子、女子共に共通しているのが、イライラしやすい状態が続いているということです。子どもから大人へ成長する過程で、ちょうど思春期がその中間的な時期になるため、「今までのように、自由にしたい」という思いと、「でも、そういうわけにはいかない」という思い。
それがストレスとなり、心と身体にバランスが取れずバラバラな状態に陥ってしまいます。

大人として扱われたり、子どもとして扱われたり、どっちつかずの状態が子どもたちにとってストレスになってしまうのでしょう。

さらに、体の変化も現れてきます。
これは、個人差があるため、ここでも人と違う自分に対して羞恥心を抱いたり、自分に対する嫌悪感を感じる子どももいるようです。
男子は男性らしく、女子は女性らしく変化していく時期ですね。

これって、私たち大人も通ってきた成長過程です。私も、中学生時代は、とにかくイライラして母親に反発していたこをと思い出します。
「お願い、私に関わらないで」と心から思っていました。

思春期の子どもが自分の気持ちを上手く扱えず、イライラするのはなぜ?

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思春期の子どもが自分の気持ちを上手く扱えず、イライラするのはなぜでしょう?

それは、思春期の子どもが、自分の気持ちを上手く扱えず、イライラするのは全て幼児期のかかわりが原因である可能性が高いです。本当です。

なぜなら、思春期にはホルモンの関係上イライラしてしまうものですが、それとどう向き合うかについて教えてもらっていないため、自分以外の誰かにそのイライラをぶつけることで発散しようとするのです。
でもそのイライラを誰かにぶつけて発散してしまうというような、自分の感情を自分がうまく扱えない状態では、自分で落ち着かせることができず、周りを巻き込んだ感情の吐きだし方になってしまいます。
この状態まで行ってしまうと、親や先生、さらには友達との関係も上手くいかなくなってしまうでしょう。思春期に体験した「人とうまくいかない経験」は、将来的に人間関係を築いていく中でのトラウマになってしまう可能性も高くなります。

ただ、親としては目の前のイライラした反抗的なわが子を見ていると、どうしても口を出したくなってしまうのも仕方がありません。
「どうして私の言うことが聞けないの」
「何で反抗ばかりするの」
と不満が積もり積もると、子どもを罵倒してしまったり、人格を否定してしまう言葉を言ってしまいそうになることもあるでしょう。

でもね、思春期の子どもはそんなもんなんです。彼らも辛いんです。

なぜなら、自分の気持ちを上手に扱う方法や、上手に伝える方法を教えてもらっていないから、誰にも共感してもらえず、イライラがつのっているからです。
できることなら、この気持ちを扱う方法や、上手に伝える方法を幼児期から身に付けておくことが望ましいのです。

思春期を自分の力で乗り越えてこその自主自立!必要な時に手を差し伸べる環境作り

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思春期を自分の力で乗り越えてこその自主自立!親の仕事は、必要な時に手を差し伸べてサポートすることができる環境づくりなんです!

何度も言いますが、思春期は誰にでも訪れるものです。
でも、今、思春期の反抗期を経験せずに大人になっている人が多いようです。
実は、これは問題なんですよ。
この時期に反抗して、自分という存在の価値をしっかりと確かめることこそが自主自立に繋がります。

今、引きこもりやニートなど大人になっても親のすねをかじって生活している若者が増えているのも、これが原因なのではないかと考えます。
子どもの思春期に、親が全ておぜん立てをして言いなりになってしまうと、子どもは反抗する必要がありません。
反抗する必要がないので、親離れをする必要もありません。
これでは、いつまでたっても自主自立は望めません。
また、親の気分で叱り飛ばしたり、人権を無視したような発言をしてしまうのもNGです。

思春期の子どもが一生懸命もがき、この時期を抜け出そうとする姿を見守り、共感し、支えることこそ親の仕事。
必要なときにはしっかりと手を差し伸べる準備ができている状態を作っておくことがこの時期に親がしておく環境づくりだと思うのです。

ここを目指すためには、親自身の感情コントロールに加え、子どもが自分で自分の感情と上手に付き合える技術を身に付けさせておくことは必要不可欠です。
思春期のイライラと上手に付き合うことができれば、子どもは自分の心も身体も人間関係も壊すことなく自主自立を目指すことができるはずです。

思春期の子どもが自主自立する!「子どもの感情コントロールの技術」を高める秘訣

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今、乳幼児期の子どもを育てているママさんにぜひ知っておいてもらいたい「子どもの感情コントロール」の技術を高める秘訣があります。

それは、子どもの心に目を向ける技術です。この技術を取得するためには、第一次感情と第二次感情について知っておく必要があります。
感情をコントロールする、とはいわゆる怒りのコントロールです。
怒りというのは喜怒哀楽の中で一番扱いにくい感情だとされています。

「怒っちゃダメってわかっているけど止められない」「ついつい怒りすぎてしまう」というママも多いのではないでしょうか。

なぜ、私たちが怒りに振り回されてしまうのかというと、怒りの感情は他の感情に比べてエネルギーが強いからなのです。怒ると疲れますよね。怒ることで、自分の持っているエネルギーを大量に消費してしまうので、どっと疲れてしまうのです。だから、感情のコントロールがうまくなるためには怒りのコントロールがうまくなれば万事OKなわけです。

では、なぜ私たちは怒りたくないのに怒ってしまうのでしょう?
それこそが、第一次感情と第二次感情の仕組みに関係しているのです。

この関係については、筆者のコラム「子どもにイラつく本当の理由とは?怒り感情の仕組みを知って、イライラをスッキリ解消!」も参考にしてもらうといいですよ。

思春期の子どもが自主自立するために知っておきたい怒りの感情の仕組み

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思春期の子どもが自主自立するために、ママに知っておいてほしいのが怒りの感情の仕組みです。

怒りは第二次感情と言われています。子どもが怒っているその姿は、仮の姿、とでも言っておきましょうか。
 
でも、ママにお願いしたい!本当に目を向けてほしいのは、心にひっそりとかくれている第一次感情です。
 
怒りは、第一次感情が形を変えて表出された感情です。
わかりやすく言うと、私たちの心の中にはコップがあって、その中に水が入っています。
その水が、第一次感情と言われるマイナスな感情。
マイナスな感情とは、例えば「疲れた、悲しい、辛い、困る、恥ずかしい、寂しい、しんどい、痛い、寂しい」などです。
毎日の生活の中で、このようなマイナスな感情(第一次感情)を抱くたびに、心のコップの水が増えていきます。

そして、水がいっぱいになって溢れ出た時に第一次感情は第二次感情である怒りに変換されるのです。
つまり、怒りは仮の姿、本家本元は心の中にある第一次感情なのです。

ここに目を向けてあげることで、子どもの心は救われます。

「今、辛かったね」「寂しかったね」「困っているんだよね」と、ママに自分の気持ちを言葉にしてもらえた子どもは、今の自分の気持ちに向き合えるようになります。
自分の気持ちに向き合う機会が多ければ多いほど、子どもは自分で自分の心に問いかけることが上手になります。

「今、ぼくは恥ずかしかったんだ」
「今、私は、疲れているんだ」
 
自分のマイナスな感情を大切にしてあげることこそが怒りのコントロールに繋がります。
「自分で感じたその気持ちを言葉にすると、必ずママが受け止めてくれるから、安心して伝えることができる。そうすれば、ママも自分の気持ちを大切にしてくれる。」
この成功体験が子どもの怒りのコントロールを上達させる秘訣です。

怒りのコントロール術を身に付けながら成長していくことこそが、思春期の子どもが自主自立に向かう手助けになってくれるでしょう。

子どもの感情コントロールに必要なのは「感情の幅を広げること」

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今後、あなたが思春期の子どもの自主自立をサポートするために、幼児期から子どもと上手にコミュニケーションをとるために必要になってくるのが、感情の幅を広げていくことです。

感情をコントロールするためには、今、自分がどんな気持ちなのかを言葉に置き換えて表現することが必要です。
つまり、感情を表す言葉を増やせば上手に感情を表現できるようになるということです。

子どもが「切れやすい」のは、もしかしたら、感情表現の語彙が少ないのかもしれません。

あなたも、こんなときありませんか?
「あー、もういい」「もう、知らない」と言いたくなる時、気持ちがモヤモヤしませんか?

それは、自分が感じている気持を言葉にできないから、モヤモヤしてしまうのです。
そして、感情を言葉で表現できないから、「怒る」という行動で表現してしまうのです。

思春期に必要なのは、感情コントロールの基礎となる感情表現の言葉の獲得

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思春期に必要なのは、感情をコントロールする基礎となる感情表現の言葉の獲得です。というのも、子どもは周りの大人から、感情表現の方法を学びます。

子どもと接する時間の長いママが、感情表現の言葉をたくさん使うことで、自然に使い方を学び、子どもの感情表現の幅が広がります。
子どもの第一次感情を見つけて、言葉にして伝えるためには、感情表現の言葉を増やす必要があります。プラスの感情も一見マイナスに見える感情も、どちらも私たち人間にとって大切な感情です。否定する必要なんてありません。

あなたはどんな感情表現の言葉が思いつきますか。

例えば、嬉しい、気持ちいい、おもしろい、かわいい、感激、感動、満足、不思議、感謝、誇らしい、すき、きらい、幸せ、ウキウキ、ドキドキ、ワクワク、夢中、うらやましい、心配、悲しい、怖い、かわいそう、気持ち悪い、あきれる、切ない、悔しい、緊張、苦しい、寂しい、恥ずかしい、落ち込む、怒る、つまらない、びっくりする、困る、焦る、など。

これはほんの一例ですが、普段これだけの言葉を使って自分の気持ちを表現していますか。

きっとあなたは、この感情表現の言葉を見て、「こういう気持ちわかる」と思うでしょう。
でも、この言葉を知らない子どもはピンとこないはずです。このような気持ちを感じたことがあったとしても、言葉を知らなければ表現できないからです。

感情表現の言葉は、ママが知っているだけではだめで、子どもに使い方を伝えていかなければならないのです。それが、子どもと気持ちを共感することです。

この基本的な感情を表す言葉の獲得は、幼児期の子どもの日常生活を情緒豊かなものに変えてくれるでしょう。そして、ママとだけでなく、子ども同士で気持ちを共感し合える機会も増えてきます。

自分の気持ちを言葉で表現できる子どもは、切れない子どもに成長します。そして思春期にさしかかったとしても、キレることなく、ママにとっても、子どもにとっても関係を悪化させずに過ごすことができるでしょう。

幼児期の感情表現の言葉の獲得は、思春期に成長した時、自主自立に向かうために必要不可欠な感情コントロールの基礎になってくるのです。

まとめ

保育者のためのアンガーマネジメント入門

保育者のためのアンガーマネジメント入門

筆者は、コミュニケーション講師として、保育園、幼稚園、小学校、中学校などの保育、教育現場で講演会を行っています。

そこで感じることは、「幼児期にどれだけ子どもが気持ちを満たしてもらっているかが、成長に大きく関係してくる」ということです。
今の社会では、色々な家庭環境がありますから、「ママの愛が不足しているから」とは言えない状況ではありますが、それでもやっぱりママとのかかわりは子どもにとって絶大な影響を与えています。
「子どもは可愛いのに腹が立って仕方がない」「この怒り方はよくないってわかっているけどやめられない」「もう自分が嫌になる」「子どもを施設に預けたい」そんなところまで追いつめられている保護者にも出会うことがあります。
これって、ひどい母親でしょうか?

私は、このママたちもまた、子どもと同じことで苦しんでいるのだと思います。
感情をコントロールするための基礎となる「自分の気持ちに向き合って、その気持ちを大切にすること」「自分の気持ちを相手に伝えること」「自分の気持ちを相手に受け止めてもらうこと」この成功体験が少ないから、相手を大切にする気持ちがうまく表現できないのだと思うのです。

自分と同じ苦しみを、子どもに与えないためにも、今からでも遅くないから自分の気持ちに向き合うために、沢山の感情を表す言葉を見つけてください。と伝えています。

そして、自分の気持ちをどんどん言葉にしてください。

「ママは今とても疲れているの」
「ママは、あなたが今すぐ起きてくれなきゃ困るの」
「パパとけんかして泣きたい気持ちなの」

怒らなくても、イライラしなくても、自分の気持ちを言語化できた時、心が少し軽くなることを体験してください。

ママが子どものモデルです。ママの感情表現の方法を子どもは真似します。自分の気持ちを大切にしているママに育てられた子どもは、自分の気持ちを大切にできる子どもに成長します。

思春期の子どもの自主自立のため、今すぐ始められることですね。