ikumama

Top
HSPの子どもの特性を知っていますか?繊細な心を持った子の育児や接し方のポイント

HSPの子どもの特性を知っていますか?繊細な心を持った子の育児や接し方のポイント

2019年3月20日 公開

HSPとはHighly(高く) Sensitive(敏感な) Person(人)の略で、とても敏感な人のことを指します。周りの物事に敏感過ぎて、いつも通りの生活をしているつもりでも疲れてしまう…そんな気質の方は大人だけでなく、小さな子どもにもいます。HSPは障がいではなく特性の一つと考えられていますが、あまり知られていないもの。それだけにHSPの子どもの育児に悩んでいるママも多いのではないでしょうか。そんなHSPの子どもの育児のポイントをまとめました。

HSPの子どもはこんな子たち

Leaf Droplet Water - Free photo on Pixabay (144127)

HSPについては最近になって知られてきた特性なので、親としてもどのような特性を持つのか分からないという人もいますよね。しかし、HSPの子どもは5人に1人といわれています。意外と多いと驚いた方も多いのではないでしょうか。

HSP気質の子どもはHSC(ハイセンシティブチャイルド)とも呼ばれます。

・周りの音や匂いに敏感
・物事に慎重になる
・静かな場所を好む
・親が考えていることを先読みする
・周りの変化に気づきやすい
・急な変更に弱い
・完璧主義
・身につけるもの、座るものにこだわりを持つ
・何か気になることがあると、そこから前に進めない


このように周りのことに敏感すぎるほど敏感になり、

・疲れやすい
・影響されやすい
・ストレスを抱えやすい


というのが特徴です。もちろん程度の差はあります。
人は少なからず他人に影響されやすいものですが、それが過剰に反応してしまい、疲れたりストレス反応として出たりするのがHSPの子どもたちです。

HSPの子どもたちはこんなことが苦手です

Boy Child Sad - Free photo on Pixabay (144126)

・集団生活が苦手

人に影響されやすく、ざわざわとしている環境が苦手なので、ただ集団生活を送っているだけでストレスを受けやすいです。そのため内向的なHSPタイプの子は孤立しやすく、集団生活が苦手な子もいます。

人と何か一緒にすることが苦手なので、1人で遊ぶことを好み、園に行くと疲れるので行きたくないなどと言い出すことも。

・人を気にしすぎる

Bullying Child Finger - Free photo on Pixabay (144124)

HSPの子どもは非言語的なものを敏感に感じ取りやすいです。言葉そのものだけでなく、声のトーン、表情、言葉の裏に隠されたものを敏感に感じ取るのです。伝えた側にそこまで意図がなくとも、それに関して影響を受けやすく疲れてしまう原因となります。

誰かが近くで叱られていると、自分が叱られているわけでもないのに泣いてしまうなどの行動が見られることも。一旦落ち込むと部屋から出てこられなくなることもあります。

・突発的な行事が苦手

急な予定の変更が苦手なので、いつもと違うことが苦手です。いつも通りの生活を送るだけなら問題はなくとも、急に出かけることになった、突然先生が変わったなど、そのような状況が辛くて仕方がなくなることがあります。

しかもその辛さを外に出して周りに伝えることが難しい場合もあるので、注意が必要です。

HSPの原因は?育て方は関係がありません!

Person Little Boy - Free photo on Pixabay (144128)

HSPの子どもたちはその特性があまり知られていないだけに、周りから、

「甘やかして育てたのでは?」
「集団生活になじませようと積極的にしないからよ」


などと言われることがあるかもしれません。
しかし、親の育て方が原因かと言われると、それは完全にNOです。その子の生まれ持つ気質であるため、育て方どうこうでなるものではありません。

しかし、親や周りの言葉かけ次第でHSPという特性があっても、ストレスをためずに生活がしやすくなることはあります。なので、「育て方が悪かったのでは?」などと気負わず、どうすれば子どもが過ごしやすくなるかを考えていきましょう。

HSPの子どもにはどう接すればいいの?

Family Together Parenting - Free photo on Pixabay (144129)

HSPの子どもの育児は一般的な育児とそう変わりはありませんが、次のようなことに気を付けてみてください。

1.先生に相談する

園へ行くと集団生活が待っています。そんな集団生活にストレスを感じやすいHSPの子。必ず園の先生(担任の先生や園長先生)には相談しましょう。どういう場面が苦手なのか、どのようなこだわりがあるのかを伝えておきましょう。どこまでを他の子どもたちと一緒にさせるのかなど、苦手な活動への配慮を園と相談しながら決められるといいですね。

園との連絡は普段から密に取っていた方がいいです。

2.無理強いをしない

無理に「友だちを作りなさい」「園でみんなと仲良くしなさい」「近所の子と遊びなさい」と言うのはとても酷です。園へ行っても1人で遊べる、園から家に帰ればゆっくりできる、子どもの安心する時間や環境を作ってあげることが大切です。

親の子どもの特性への理解が、ストレスを抱えがちな子どもの心を楽にさせることもあります。「今日は疲れちゃったよね。早めに寝ようね。」など、子どもが落ち着ける言葉をかけてあげましょう。

3.SOSを見逃さない

内向的なタイプのHSPは自分が辛いと思っていても、なかなか言い出せない子もいます。そのため、子どもの様子をしっかりと見守り、SOSを見逃さないようにしましょう。感覚が過敏になりすぎて、様子がいつもと違う、子どもが辛そうだと感じたならば、ゆっくり家で休ませてください。

親の過干渉もストレスになることがあります。ひとりになれる空間を作ってあげるといいでしょう。

HSPは発達障がいとは何が違うの?

Kid Soap Bubbles Child - Free photo on Pixabay (144130)

HSPは発達障がいとは違うのでしょうか。
そもそも発達障がいも、「障がい」と名前はついていますが、障がいというよりHSPと同じく人の特性のことを指します。人とのコミュニケーションをとるのが苦手、文字を読むのが苦手、片付けや順序良く物事をこなすのが苦手など、苦手な分野があるという特性があります。

そのため、発達障がいもHSPも育て方や接し方にコツが必要という点では変わりません。どんな特性を持つ子も健やかに、その子が過ごしやすい環境を作ってあげるというのが一番です。

苦手なことはあれど、人一番得意なことだったありますから、そちらに注目して得意なことを伸ばしてあげられるといいですね。

HSPの子どもについて学べる書籍

Adult Mothe Daughter - Free photo on Pixabay (144133)

HSPの子どもについては近年注目され始めたということもあり、書籍からも子育てポイントやHSPについて学ぶことができます。

「こんな時はどう接すればいい?」
「先生や周りの大人に子どもの特性を分かってもらえない」


など悩んだ時に心強い味方になってくれるかもしれません。周りの理解を得たい時には、口で伝えるだけでなく、本を渡して読んでもらう、というのも効果的な方法ですよ!

HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子 | 明橋 大二, 太田 知子 |本 | 通販 | Amazon

1,296
多くのママ達が参考にしている「子育てハッピーアドバイス」の著者の書くHSPの子どもたちについての本です。イラスト付きで分かりやすく、場面場面での接し方が詳しく書かれています。

子どもの敏感さに困ったら読む本: 児童精神科医が教えるHSCとの関わり方 | 長沼 睦雄 |本 | 通販 | Amazon

1,404
児童精神科医がその診察経験をもとに書かれた本です。HSPであるかのチェック項目や特性が例を挙げながらまとめられています。

「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本 | 武田友紀 |本 | 通販 | Amazon

1,300
子どもだけでなく、大人のHSPについても知りたい方はこちらの本がおすすめ。繊細という特性にどう向き合うかなど、具体的なケースをもとにまとめられています。子どもの将来を考えるときに、参考にもなる本です。

HSPの子どもも良いところを見つけてあげられる子育てを

Heart Card Pastels - Free photo on Pixabay (144131)

HSPという言葉を知らなかったという人も、子どもがHSPかもしれないと悩んでいる方も、HSPがどのような特性であるのかご理解いただけたでしょうか。HSPは困った特性だと捉えられがちですが、でもそうではありません。繊細過ぎるのはポジティブな意味でとらえると「よく気が付く」ということ

HSPである自分を子ども自身がよい特性だと気づき、自分に自信が持てるようになるのは、未就学児ではまだ少し難しいかもしれません。だからそれまで、周りの大人が協力しながら、子どもの過ごしやすい環境を整えてあげられるといいですね。