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産後すぐの妊娠は大変?注意点や計画の立て方について確認しよう

産後すぐの妊娠は大変?注意点や計画の立て方について確認しよう

2017年1月26日 公開

出産後ほどなくして次の妊娠をすることはそれほど珍しいことではありません。赤ちゃんができることは喜ばしいことですが、産後間もない状態で妊娠生活を送るのは大変なことも事実。ここでは、産後1年以内に次の妊娠をした場合・計画する場合の注意点などについて見ていきます。

産後すぐに妊娠することはあるの?

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産後すぐに(この記事では『1年以内』とします)妊娠することはもちろんあります。
一般的に、
〇産後、母乳育児の場合は特に排卵が起こりづらい
〇産後は性欲の減退や疲労、時間がとれないなどで夫婦生活の機会が減る傾向がある
〇排卵タイミングに合った夫婦生活で妊娠する可能性は1周期あたり20%程度
といったことからそれほど多くは見かけませんが、珍しいというほどのことでもありません。

私の身内には11月に第一子を出産し、翌年の11月に第二子を出産した者がいます。その経験談を参考に、産後すぐの妊娠生活&出産後の生活について考えてみたいと思います。

産後ママの体と心はこんな状態

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産後のママの体は疲れ切っています。
胎盤がはがれたぶん体内には大きな傷ができ、骨盤は開ききってグラグラ、腰痛になりやすい状態です。お腹周りの筋肉は緩みほとんど力が入りません。赤ちゃんを育てて大きくなった子宮は出産直後から急激に収縮を始め、完全に妊娠前の大きさに戻るのは産後6週間ほど経ってからです。帝王切開で出産した人はお腹と子宮にも傷ができますね。
このような劇的な体の変化がある上に、休む間もなく始まる新生児育児にママはまさに疲労困憊状態です。睡眠不足や育児への不安、ホルモンバランスや生活リズムの乱れによる情緒不安定など心が疲れてしまう人もたくさんいます。産後のママはこうしたとても不安定な体と心の状態で新生児育児に打ち込んでいるんです。
私の出産した産院では、このような不安定な状況下で次の妊娠をするリスクについて触れ、「産後1年間は次の妊娠は避けることが望ましい」と指導していました。

生理再開前の排卵で妊娠もあり得る

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出産後に生理が再開するまでの期間には個人差があり、産後1、2か月で再開する人もいれば再開まで1年以上かかる人もいます。母乳育児のママから分泌される「プロラクチン」というホルモンには排卵を抑制する働きがあるため生理再開も遅くなる傾向にありますが、これにも個人差があります。完母で育てているからしばらくは生理は再開しないだろうと思っていたら2、3か月で再開したという話もよくあることです。

生理の約2週間前には排卵が起こります。排卵が起こるタイミングについては、基礎体温をつけるなどして意識していないと気づきにくいものです。育児で忙しい時にはなおさら排卵のタイミングには目が向きにくくなります。
産後初めての排卵のタイミングで夫婦生活を持ち、それが妊娠につながることも十分にあり得ます。そして妊娠が成立した場合には生理は来ません。産後、まだまだ生理は再開しそうもないなと思っていたら実は妊娠していたということも珍しい話ではないのです。

妊娠を望まない人は避妊をしっかり

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前述のとおり、生理が再開していなくても排卵と夫婦生活のタイミングが合えば妊娠の可能性は十分にあります。妊娠を希望していない場合はきちんと避妊をしましょう。
希望しない妊娠での選択肢は「赤ちゃんをあきらめる」「希望はしていなかったけれど、できてしまったから産む」のどちらかでしょう。どちらの選択をしてもあまり後味の良いものではありません。
コンドームは夫婦生活再開後すぐから使用できます。避妊リング、低用量ピルは女性側で行う避妊方法ですから、使用開始時期は医師に相談することが大切です。夫婦で話し合い、自分たちに合った避妊方法を選びましょう。
なかなか妊娠しづらく、妊活や不妊治療を経て上の子の妊娠に至った人でも油断は禁物です。まさか妊娠するとは思わなかったと後悔しないように慎重に行動しましょう。

産後すぐの妊娠には試練も伴います

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出産後すぐに次の妊娠をすると苦労も伴います。上の子のお世話をしながらの妊娠・出産はママにとって次のような点で大変になると考えておきましょう。

【妊娠中】
〇つわりがひどくても体を休めるのが難しい
〇上の子を抱っこするのが大変
〇上の子の夜泣きなどで十分な休息をとれない
〇妊婦検診に上の子を連れていくのが大変

【出産後】
〇上の子がまだまだ小さいため赤ちゃんに嫉妬することがある
〇上の子のイヤイヤ期スタート頃に出産となり、両方のお世話が大変
〇上の子が寝ても下の子が起きていたり、またその逆もあり自分が休むタイミングがなかなか取れない
〇立て続けの出産で体がダメージを受けており、回復までに時間がかかる

妊娠期、出産後と続くママの数々の苦労を軽減できるよう、周囲の協力はどんどん受けましょう。

次の妊娠については計画をしっかり立てて

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述べてきた通り、産後すぐに次の妊娠をすることにはリスクや苦労も伴います。次の妊娠はそれらについて十分理解し周囲と相談をしたうえで、慎重に考えましょう。
考えておくべきこととして、以下のような点が挙げられます。

つわりなどでママが動けないときにどうするか

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いくら上の子のお世話があると言っても、つわりや体調不良ばかりは精神力で乗り越えるわけにもいきません。特に妊娠初期の無理は禁物です。食事の用意は休んでお惣菜にする、夫に仕事を休んでもらい上の子の面倒を見てもらうなど、ママが動けないときの対応について決めておきましょう。

妊娠中の緊急事態はどのように乗り越えるか

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軽めのつわり症状や体調不良などはよくあることでも、妊娠期間は何が起こるかわかりません。妊娠悪阻や切迫早産、予期しない早産での急な入院で長期にわたってママが家を不在にすることなどもあり得ます。そういった万が一の事態にも慌てないで対応できるよう、十分に心構えをしておきましょう。
特に「上の子のお世話はどうするのか」についてはデリケートで難しい問題です。この点については妊娠がわかったらすぐにでも計画を立てておきましょう。

産褥期をどう過ごすか

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短い期間に立て続けに妊娠・出産をしたママの体には休息が必要です。その後の生活のためにもしっかりと体を休めましょう。そしてそのためのサポートについては出産前に十分計画を練っておく必要があります。
「里帰り出産をする」「家族に手伝いに来てもらう」「産後ヘルパーを利用する」「夫が育児休暇を取得する」など選択肢はいくつか考えられます。
特に、里帰り出産や家族のサポートを希望している場合は、実家・義実家にも丁寧に相談をしておきましょう。私たちの親世代は既に高齢であることも多いでしょう。二人の赤ちゃんのお世話は体力的に厳しいと言われることもあり得ます。

上の子にどのように接するか

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赤ちゃんが産まれれば上の子は「お兄ちゃん・お姉ちゃん」になりますが、まだまだ1、2歳。ママに甘えたい盛りの幼い子どもです。またちょうどイヤイヤ期がスタートし、上の子への接し方がどんどん難しくなってくる時期でもあります。
新しく生まれた赤ちゃんのお世話をしつつ上の子の気持ちにも向き合う方法について、家族皆で話し合って心構えをしておきましょう。
妊娠期間中も出産後も、上の子がいるといないとでは大違い。「何かあったらその時に考えよう」というスタンスではいられません。行き当たりばったりにならないよう、しっかり計画しましょう。

衝動的に次の妊娠を考えないで

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「子どもは二人以上欲しい。そして兄弟の年齢差は小さい方が良い」「もう若くはないので、次の妊娠までのんびりはできない」などもともと家族計画を立てているご家庭では、産後すぐの妊娠はむしろ想定内。慌てることなく妊娠期間をスタートできるかもしれません。
注意したいのはそういった計画もなく、衝動的に次の妊娠を望んでしまうことだと思います。

前述しました私の身内は、
「子どもは一人で十分だと思っていたけど、いざ産んでみたら赤ちゃんが可愛くてもう一人産みたくなった」
「一人っ子で良いと思っていたけど、可愛い我が子にやっぱり兄弟を作ってあげたい」
「妊娠したくてもすぐできるとは限らない。できるだけ早く妊活を始めなければ」
との考えから、1か月検診で医師のOKが出てすぐに夫婦生活を再開。そしてすぐに妊娠しました。自ら望んだ妊娠とはいえ深く考えていたわけではなく、妊娠中や年子育児で本当に苦労していました(今となっては『いい思い出』だそうですが・・・)。
同じ「出産後すぐの妊娠」でも、覚悟があるとないとでは大違い。衝動に任せて次の妊娠を決めるのではなく、じっくり考えて決めることが必要です。

産後の妊娠、上の子の授乳はどうする?

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上の子の授乳中に妊娠した場合、授乳を続けるか断乳するか迷うところですね。
授乳により分泌される「オキシトシン」というホルモンは子宮収縮を促すため、妊娠初期から中期にかけての胎盤形成の時期にはお腹が張ったり痛くなったりすることもあります。また妊娠後期に入ると、度重なる子宮の収縮で早産につながることもあり得ます。
かと言って、妊娠中に授乳をしたら必ず流産や早産につながるというわけではありません。授乳を続けながら出産したママもたくさんいます。赤ちゃんがおっぱいを飲みたがっていてママも体調に気になる点がなければ無理に断乳する必要もないでしょう。無理に断乳を進めるとうまくいかないことも多く、上の子にとってもママにとってもストレスになってしまいます。
自己判断で授乳を続けるか断乳かを決めるのではなく、妊婦検診の際に医師や助産師さんに相談して決定しましょう。

産後すぐ妊娠・・・その時、先輩ママ達は?

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実際に産後1年以内に次の妊娠・出産・育児を経験した先輩ママの声を集めてみました。どんな苦労や喜びがあるのでしょうか?
私は長男を2月に産んですぐに妊娠しました。翌年の4月に長女を出産しましたので、その差1年2ヶ月。私の場合、産後2ヶ月で生理が始まりましたので妊娠はすぐわかりました。分かったときは予想していなかった事なのでビックリしましたが、嬉しい事だったし、こないだまで妊娠していたのでそういう意味では次はこんな感じで、そろそろこんなじょうたいになるなぁ・・・と先が予想でき心配はあまりありませんでしたね~。上の子もあまりにも幼すぎて赤ちゃん返りもなく、甘えて困るということはありませんでした。大変だった事・・・と思い出せばあるのでしょうが、とにかくあっという間でしたよ!自分自身も若いし一生懸命だし今考えるとあの頃は充実していたと思います。
恥ずかしい話しですが、1人目を出産後、初めての行為で妊娠
しました。長女が7ヶ月のときです。
私もすぐに授かるものなら・・・と思っていましたが、正直
びっくりしました。本当に産後は妊娠しやすいんだなぁと感心
しました。

うちの長女と次女は1歳4ヶ月違いになります。
育児は大変か?とういと・・・正直、大変ですよ!
でも、それは歳が離れていてもいっしょかなぁと思うのですが・・・
大変だけど、今振り返ってみると楽しかったことのほうが多いですね。
年子でも、そうでなくても、育児ってそういうものだと思うんです。
私は産後初めての生理で妊娠しました。
出産、3ヶ月目でした、私も年齢のことを考えて年子で妊娠したかったので、良かったです。
でも一歩間違えば、4月、3月と同じ学年になるので、気をつけて下さい。私は上が早生まれなので同じ学年にはなりませんでしたが・・・
年子の子育ては最初はかなり大変ですが、今は3歳2歳になり仲良く2人で遊んでくれるので楽ですよ。
怒涛の赤ちゃん育児を連続で終えたママ達から聞こえてくるのは、たくさんの「大変だった!」「でも楽しかった!」「大きくなったときにラク」などポジティブな声。
『喉元過ぎれば熱さを忘れる』とも言えそうですが、産後すぐに妊娠して不安を感じている人にとって、とても心強いですね。

まとめ

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「年子は双子より大変」とよく聞きます。確かに、赤ちゃんのお世話をしながらの妊娠生活も出産後の二人のお世話も、想像もつかないような大忙しの毎日なのでしょう。それでも、年の近い二人の赤ちゃんを一緒に育てる充実感や成長の喜びもまた格別なのかもしれません。
子育ての苦労も喜びも2倍(それ以上?)の「産後すぐの妊娠」、自分の心身の状態と家族の意志を大切にして、慎重に計画するようにしましょう。