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幼児の湿疹の原因は?ホームケアのやり方と気になるステロイドのこと

幼児の湿疹の原因は?ホームケアのやり方と気になるステロイドのこと

2017年1月25日 公開

赤ちゃんや乳幼児期の子どもにできやすい湿疹といえば、乾燥やかぶれに伴うものと思い浮かべますよね。しかし、中には病気が原因で起きるものあり注意が必要なものもあるようです。いざというときに適切に対処をしてあげられるよう、湿疹について知識を深めてみましょう!

幼児に多い湿疹の原因は?

脂漏性皮膚炎

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主に低月齢の赤ちゃんに多くみられる湿疹です。生後間もなくはママのホルモンの影響を受けて、皮脂の分泌が活発になるため起こる湿疹です。脂漏性皮膚炎の特徴として頭の中に黄色いかさぶたのようなものができたり、顔の表面がカサカサしてフケのようなものがぽろぽろ落ちたりします。中には赤い湿疹になって出てくる場合もあります。こうした炎症は体にはできず、赤ちゃんの首から上にできます。

接触皮膚炎

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接触皮膚炎とは素肌と接触したものが刺激をあたえることにより湿疹が起きてしまう状態のことをいいます。特に赤ちゃんや乳幼児期の子どもの肌はバリア機能が低く、大人の肌では何ともないものも刺激の元となってしまいます。

子どもの接触皮膚炎の代表と言えばおむつかぶれがあげられます。おむつがあたっている部分の皮膚がかゆみや痛みを伴い赤くなります。症状が進むとただれて出血することもあります。意外と見落としてしまいがちですが、お腹や太もものオムツギャザーが当たる部分が赤くなるのもおむつかぶれですので注意が必要です。

その他の接触皮膚炎として、洗濯洗剤や柔軟剤、ボディーソープなどによるかぶれなどもあげられます。

あせも

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あせもは汗が長時間皮膚に留まることにより起きる炎症反応です。赤ちゃんは大人よりも体温が高く、汗をかきやすいためあせもになりやすいです。最近の住宅は高気密になり、しっかり暖房がきくので冬でもあせもになる赤ちゃんが増えているそうです。あせもができた所を掻くことにより「とびひ」へと悪化することがあります。

発熱を伴う湿疹もある

はしか

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麻疹(ましん)ともいわれており、空気感染する強力なウイルスです。最初は発熱や咳、くしゃみなどの症状がでるので風邪かと思いますが、一旦熱が下がった後、再び高熱が出て全身に発疹が出ます。発疹が出ても数日高熱が続き、適切な処置を怠ると肺炎や脳炎といった合併症の可能性も高くなります。感染症の中でも比較的重い病気ですので、かかると入院となるケースも。また、妊娠中の女性がかかると早産や流産の可能性も指摘されています。

はしかは重症化しやすい病気ですが、予防接種をすれば防ぐことができます。満1歳のお誕生日~2歳までと小学校入学前の1年間の計2期間が定期接種ですので必ず受けるようにしましょう。また、成人の場合、小さいころにはしかにかかったり予防接種を受けていても抗体がなくなっていることがあるので注意が必要です。

風疹

妊娠中の女性が風疹にかかると、お腹の赤ちゃんに影響がでることからも良く知られている発疹を伴う感染症です。

発熱と共に発疹が現れ、首の下や耳の後ろなどのリンパ腺が腫れます。発熱と発疹といった、はしかに似ている症状が出ますが、数日程度で軽快していくため「3日ばしか」ともいわれています。

手足口病

健康の森/手足口病 (24623)

夏に流行する風邪の一種で37.5度程度の熱と共に、文字通り、手のひらや足の裏、口の中に米粒ほどの赤い発疹ができます。その他に膝やおしりにできることもあるようです。口の中の発疹が破れると痛みを伴うので、食事を嫌がるようになります。感染経路は咳やくしゃみなどの飛沫感染かつぶれた発疹や便などを通しての経口感染となっています。

溶連菌感染症

健康情報を更新しました 「溶連菌感染症」 | 豊川市薬剤師会 (24622)

溶連菌が原因の感染症の一種で発熱・のどの痛み・全身の発疹が出ます。イチゴ舌といって舌にブツブツができるのも溶連菌感染症の特徴です。一定期間お薬を飲むことで完治させることができますが、医師の指示通りきちんと投薬しないとリウマチ熱や急性糸球体腎炎といった合併症を引き起こす可能性があります。唾液や鼻水などの飛沫によって感染し、大人もかかる可能性があるので家庭内感染に注意が必要です。

顔に湿疹が出る病気

りんご病

Free photo: Apple, Fruit, Fruits, Vitamins - Free Image on Pixabay - 1081105 (24614)

頬がりんごのように赤くなることから名づけられた病気で、両頬に左右対称の平たい発疹が出ます。主に頬に発症しますが、太ももなど体に発疹が出ることもあります。時に風邪症状を伴うこともあり、発熱や倦怠感、筋肉痛などがあります。感染経路は、くしゃみや咳などの飛沫感染か接触による感染です。

全身に湿疹が出る病気

水疱瘡

向洋こどもクリニックBLOG: 11月 2013 (24625)

37~38度の発熱と同時に虫刺されのようなポツポツとした発疹が全身に広がり、水ぶくれにかわっていきます。飛沫や接触感染の他にも空気感染もする感染力の強いウイルスです。

発熱はさほどあがりませんが、水疱瘡の厄介なところは強いかゆみを伴う発疹が全身に広がること。特に小さな子どもはかゆみに耐えることができないので掻き壊してしまうことがあります。水疱瘡かなと思ったときには迷わず小児科を受診し早めに治療に入ることで重症化を防ぐことができます。

湿疹が出たときはまず小児科へ

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湿疹が出たと思うと受診する病院は「皮膚科」と連想しますが、子どもの場合は、まず小児科を受診しましょう。小児科は新生児から中学生くらいまでの子どもを専門として見てもらえます。おむつかぶれやあせもなどの湿疹は、赤ちゃんならまず経験する皮膚トラブルですので、先生も治療のノウハウを持っています。また先にご紹介したように、子どもの湿疹は感染症などの病気からくる発疹だったということもあります。小児科の先生なら皮膚トラブルか病気が潜む発疹なのか多角度から診察してくれるので、いち早く見抜くことができ素早い対処もできます。

皮膚の症状が重い場合は皮膚科へ

皮膚科 | 社会医療法人河北医療財団河北総合病院(東京都杉並区) (24606)

湿疹ができ、小児科で診てもらい薬も処方してもらったけれど症状が良くならない場合は皮膚科を受診しましょう。症状によっては小児科の先生から皮膚科の受診を勧められることもあります。皮膚科は患部の組織を顕微鏡で観察するなど、より専門的な診察でお薬を処方してくれます。

皮膚科を受診する場合は、小児科にかかった症状の経過や処方されたお薬などの情報が重要になりますのでお薬手帳や症状の経過をまとめてから受診すると診察もスムーズになります。

ホームケアのやり方

ケノン効果を出すクーリング方法 (24604)

子どもに湿疹ができた場合、まずは様子を良く観察するようにしてください。発熱やだるさ、風邪症状を伴ったり、数時間のうちに範囲が広がったりするようなものは早めに病院を受診するようにしましょう。おむつかぶれ用など小さい子どもにも使用できる市販薬も売られおり、利用するママも多いですが数日使用しても症状が改善しなかった場合も病院の受診が必要です。

病院で処方してもらった薬でも、効き目が出てくるまでには一定の時間が必要です。かゆみを伴う湿疹や発疹は小さな子どもにとっては我慢ができずつらいものです。家庭で簡単にできるかゆみケアとしては、患部を冷やすことがあげられます。氷水で冷やしたタオルを患部にあてて冷やしますが、このとき強く冷やしすぎないように気を付けます。強く冷やしすぎると、冷やすのをやめたときに患部に温感が出てしまい、かゆみを強めることになります。

気になるステロイドのこと

保湿剤とステロイドどっちを先に塗ればいいの?アトピー暦20年の僕はこう塗ってます! | アトピー攻略ブログ (24600)

市販の皮膚薬には「ステロイドは使用していません」などの文字が入るものも多く、ステロイドは副作用の心配もあり避けたいイメージをもっているママも多いのではないでしょうか?しかし、皮膚のトラブルで病院を受診するとステロイドが処方されることも多いのも現状です。

ステロイドに良くないというイメージがあるのは、過去に効き目の良さから乱用し、重篤な副作用を引き起こした事例があったため。しかし現在はステロイドの副作用についての研究も進んでおり、より安全性の高いものが使用されています。

一番よくないのはステロイドを避けるあまり、医師より処方された用法・容量を守らず使うことです。不適切な使用は症状を悪化させることもあるので注意が必要です。気になることは診察のときに先生によく聞き、不安を解消した上で使用しましょう。

また、医師の中にもステロイドをなるべく処方しない方針の先生もいますので、自分の考えに合う先生を探すのも良いでしょう。

湿疹を防ぐために日頃からできることは?

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乾燥する場合はしっかりと保湿をし、肌のバリア機能が低下しないように気を付けましょう。また、汗をかくときには通気性の良い服を着たり、着替えをしたりするなど清潔を心がけるのも大切です。また、子どもの中でも比較肌の強い子、刺激に弱い子、アレルギーなど体質も大きく違います。その子の肌の状態にあった、おむつや洗剤、ケア用品など身の回りのものをチョイスしてあげられるようにしたいものですね。

まとめ

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日頃から充分にケアしてきたつもりなのに、わが子の肌に湿疹ができるとママとしても落ち込んでしまいます。しかし、今回ご紹介したように子どもの湿疹の原因は多種多様で、必ずしもママの努力不足という訳でもありません。思わぬ病気が潜んでいたりするなど医師の診察を受けた方が良い場合もありますので「湿疹にしては何だかおかしいな」というママの直観が働いたら迷わず病院を受診することも大切ですね!