よく妊娠する前から葉酸を取ってください、と産婦人科やメディアなどで、妊娠初期の葉酸摂取の重要が告知されていますが、そもそも葉酸とはどういった栄養素であるか知っていますか？
葉酸と名前がついていますが、実はビタミンの一種でビタミンB群の仲間です。葉酸は赤血球をビタミンB12とともに作ったり、細胞が新しく生まれるのを手助けする役割があります。しかしこれだけの役割だけでは妊娠に必要といわれるには重要度が低いですよね。
葉酸が妊娠に必要といわれているのは、実は葉酸が胎児の「神経管閉鎖障害のリスクを減らす」からです。

では神経管閉鎖障害ってどういったもの？と疑問に思いますよね。神経管閉鎖障害とは例えば脳の重要な部分である脊髄や神経管の一部が何らかの原因によって塞がらない状態になる先天性異常です。よく無脳症や二分脊椎症といった病名を妊娠初期には耳にすると思いますが、こうした病気が神経管閉鎖障害となります。
葉酸はこうした神経管閉鎖障害のリスクを減らす役割も持っていて、妊娠初期に摂取することで細胞分裂を助け胎児の重要な器官の形成を担っています。

葉酸は妊娠初期に必要な栄養素ですが、妊娠してから摂取するのと妊娠前から摂取しておくのとでは結果も違ってきます。葉酸は胎児の重要な器官形成のために必要な栄養素ですから、取るのであれば妊娠前・妊娠を希望しているときから摂取しておくことが望ましいです。
妊活でも葉酸の重要性はいろいろなところで発信されています。ですが、妊娠してからでもできる限り必要量を摂取するように意識していくことも大切です。

葉酸は妊娠初期に重要な栄養素だということが分かったと思いますが、ではどのくらい摂れば良いのか気になりますよね。厚生労働省によると、18歳～49歳の妊娠している女性は1日に葉酸を480μg摂取することを推奨しています。
また妊娠初期に必要とされる葉酸ですが、妊娠中期・後期ともに必要な栄養素であることに変わりはないので、妊娠初期後も意識して摂取するようにしましょう。
しかし妊娠に必要な栄養素だからといってたくさん摂取しすぎるのも問題です。葉酸の1日の摂取上限は1000μgなので、食事と合わせてアプリを使う場合には過剰摂取にならないように気をつけましょう。
また飲み忘れた場合に、溜め飲みをしないようにしましょう。昨日飲み忘れたから今日の分と合わせて…と繰り返していると1日の摂取上限をあっという間に超えてしまいます。過剰摂取はビタミンB12欠乏症の診断を濁らせてしまうといわれています。
ビタミンB12も妊娠に必要な栄養素なので、不足するとまた別の問題が起きてしまいます。飲み忘れた場合は仕方ないと割り切り、今日・明日ときちんと決められた量を摂取するようにしましょう。

食事から葉酸を目標量摂取するのって意外と大変です。特に妊娠前～初期にかけてはつわりで何も受け付けられなくなる妊婦さんもいるでしょう。そんな中で目標量の葉酸を摂取するのって拷問かと思ってしまいますよね。
しかしそんな中でも葉酸は摂っていかなければいけない栄養素であることに変わりはありません。では、そんな中サプリメントを用いても良いのでしょうか？