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いつか来る時に慌てないために。「家族葬」のポイント

いつか来る時に慌てないために。「家族葬」のポイント

2016年12月31日 公開

いつか来る別れの時。動揺が大きいその時にも、家族のためにと動く必要があります。昨今、家族だけで小さなお葬式を、と望む人も少なくありません。その時に慌てないために家族葬のポイントを覚えておきましょう!そして、家族葬に参列する時のマナーも確認しておきましょう。

「家族葬」とは

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家族葬とは、家族だけで行う小さなお葬式のことです。
しかしその定義はあいまいで、遺族だけで行う葬儀、遺族と親しい友人だけで行う葬儀、どちらも「家族葬」と言われています。

生前に、いつか来るその日に費用を少しでも押さえたいから、と小さく葬儀を行いたい、という声も聞きます。
それを冗談のように話している場合もあり、家族間でもうまく伝わっていないケースもあります。

さて、家族葬の際に事前に気を付けておきたいポイントとは何でしょうか?

事前に確認しておくべきポイント

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家族葬を行う際に事前に確認しておくべきポイントがあります。
まず「どこまでお知らせするのか」というポイント。
これは、親族間のトラブルがある際などもそうですが、遠方の親族までお知らせするのか、親しい友人は誰にお知らせするのか、といった事を綿密に確認しておかなければなりません。

次に「理解を得る」というポイントがあります。
家族葬で小さく葬儀をすることを、近隣の方や親族に伝えて、理解を得ておかなければなりません。
故人の遺志を尊重した葬儀を行いたいですね。

そして準備を忘れがちな「お知らせ文書」の作成があります。
これは、参列をお断りする場合や香典や供花・弔電を辞退する場合に必要なものです。
葬儀を執り行っている事が外から分かったとしても、この文書を貼っておくと親切ですね。

家族以外の参列者への配慮

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訃報を知った方や、自宅で葬儀を執り行った場合、近隣の方が葬儀に訪れる場合があります。
その時に慌てないよう、お知らせ文書の作成をし、見えやすい場所に貼っておくと親切です。
訃報を送る際に「家族葬のため参列お断り」の旨を記載しておくとさらに親切ですね。
その時に、香典や供花を辞退する場合はその旨も記載しておきましょう。

また、葬儀後に自宅にお参りに来てくださる方もいます。
焼香や香典を辞退する際には、丁寧な対応が出来るように準備しておきたいですね。
また、香典を「どうしても」と受け取った際には、きちんとお返しをしましょう。

家族葬 もしもの時の流れは?

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簡単に葬儀の流れを説明します。

【事前準備】
・家族葬をする旨を親族に伝え、理解を得る
・その時が来たら誰にお知らせするのか決めておく
・香典や弔電・供花などを辞退するのか決めておく
・葬儀場で行う場合は家族葬である旨と「受付や会葬返礼品が必要ない葬儀」であることを伝える

【ご臨終・ご遺体の搬送】
・葬儀の依頼の連絡をする
・医師から死亡診断書を受け取る

【ご遺体の安置・訃報】
・近隣の方や親戚、家族の会社関係者などに家族葬である旨を伝え理解を得る
・香典や供花・弔電を辞退する場合は、訃報にその旨も書いておく

【枕飾り・葬儀の打ち合わせ】
・事前に誰にお知らせするのか決まっていない場合はこの段階で話し合い、連絡をする
その際に、関係者に理解を得られるよう話しておく
・葬儀の内容を打ち合わせし、決めていく

【納棺・通夜】
・ご遺体をお柩に納め、故人の愛用品なども一緒に納める
・葬儀会場では設営の確認などを行う

【葬儀式】
・家族葬のため告別式は行わない

【火葬・繰上げ初七日】
・火葬後、骨上げをする
・埋火葬許可証を骨つぼとともに受け取る
・当日に繰上げ初七日を行うことがほとんど

【忌明け法要(四十九日法要)】
・49日以内に納骨する
・参列した家族以外に死亡通知を知らせる場合には故人の遺志により、家族葬で執り行った旨を書き添える

家族葬で葬儀を行うメリットとは?

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家族葬で葬儀を行うメリットは、参列者の気遣いに追われることがない点が一番に挙げられるでしょう。
精神的余裕がほとんどない時期にバタバタと行う葬儀に『亡くなってしまった』という実感が湧かないまま葬儀が終わってしまった、という声も聞きますね。
また、この気遣いに追われることがないため、故人を偲ぶ時間をもつことができます。
一般の方へのおもてなしが必要ないため、受付や返礼品の手配などの準備の手間もありません。
さらに、家族や親しい友人のみが参列するため、事前に参列人数が把握しやすい点があります。

家族葬で葬儀を行うデメリットはあるの?

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家族葬で行う葬儀は「費用が安い」という点があります。
これはメリットのように感じますが、会社の関係者などにもお知らせしている葬儀に比べ参列者が少ない分、香典収入で葬儀代が賄えない場合があります。
香典収入で葬儀代が黒字になる場合はほとんどないケースですが、赤字を少しでも抑えることはできます。
また、事前に周囲の理解が必要になるため、亡くなる前からの準備が多くなります。
そして、事前に「家族葬で」とお知らせしていても、当日に「参列させてほしい」とお見えになる場合もあります。
その気持ちを踏みにじってお断りするわけにもいきませんので、その時に返礼品や料理の手配対応など、おもてなしの準備を行う必要があります。
また、稀に「なぜ呼ばれなかったんだ」とお知らせしなかった親族や友人、近隣の方に批判されることがあります。
今後の付き合いも考え、慎重に選択していかなければなりませんね。

家族葬での葬儀に参列する時のマナー

お葬式のイラスト「最後の対面」 | かわいいフリー素材集 いらすとや (13792)

家族葬での葬儀に参列する場合も、服装は一般葬と同じ礼服になります。
香典は、香典を辞退する旨の記載がなければ変わらず用意しましょう。
しかし、香典を辞退する旨の記載があっても、念のため鞄の中に忍ばせておきましょう。
香典の額も一般の葬儀と同じです。
もし心配なら、参列する親族に相談してみてもいいかもしれませんね。

家族葬と一般葬の違いに、受付の有無がありますね。
一般葬の場合は受付にてお悔やみの言葉を述べますが、それが家族葬では行えません。
本来ならマナー違反ですが、遺族の方に直接お悔やみの言葉を述べましょう。
親族や親しい友人にしかお知らせされていない小さな葬儀ですので、細かい部分に関しては問われないでしょう。
ただし、忌み言葉に関しては一般葬と同様に気を付けなければなりません。

帰る際は、喪主に一言声をかけてからにしましょう。

訃報が届いた時には

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訃報が届いた時には、きちんと熟読し、どんな葬儀が行われるのか確認しましょう。
家族葬の場合、参列を遠慮してほしい旨が記載されていることが多々あります。
それに加え、香典や供花・弔電を辞退する旨も記載されているかもしれません。
故人の遺志を汲み、書いてあることを素直に受け取り、控えるようにしましょう。

どうしても、哀悼の意を表したい場合は、香典や供花・弔電を辞退する旨の記載がない場合に限り、会場が分かれば会場へ、分からなければ自宅へと送るようにしましょう。
香典の場合は現金送付はできませんので、現金書留にて送付しましょう。

家族葬と密葬との違い

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同じものと捉えられがちな「家族葬」と「密葬」は何が違うのでしょうか?
その意味を見てみましょう。
密葬は、葬儀をとり行うこと自体を世間や社会に告知しないで秘密裏にごく内輪だけで通夜や葬儀、火葬まで行うことです。
告別式は行いません。
参列者を限定する点が家族葬に似ていますね。
家族葬とは、家族やごく親しい人だけで行う小規模の葬儀のことで、通夜や葬儀は普通にとり行います。
こちらは、小規模葬の一種が家族葬と呼ばれているものです。
一説では密葬という言い方が新しくなって家族葬だ、という説もあります。
本質は故人をお見送りするもので、同じ「葬儀」です。
この意味を今一度考えたいですね。

いつか来るその日のために。

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避けては通れないその日のために、縁起が悪いからと後回しにしてはいけない問題ですね。
しっかりと家族で話し合い、いつか来る日に備えましょう。

また、参列する際もマナーをきちんと守り、故人を見送りましょうね。