おたふく風邪とは耳の下にある唾液腺・耳下腺が腫れてしまう病気です。小さい子から大人までかかる病気ですが、1度発症してしまえば再発する可能性はごく稀と言われています。そのため幼少期にかかってしまえば大人でかかることはまずないでしょう。

また多くの場合、両耳下が腫れて痛むのですが、稀に片方のみ腫れる場合もあります。主に3歳～4歳の幼児がかかりやすい病気で、予防接種は2歳～3歳の間で受けることが勧められています。

耳下から顎下まで腫れてしまうことが多く、人によってその腫れ具合はさまざまです。腫れが小さくて診断が難しい場合もあれば、腫れが酷く人目でおたふく風邪と分かる場合もあります。腫れの他にも熱が同時に出る場合もあり、腫れが酷い場合には腫れや痛みは2週間以上続くことがあります。

おたふく風邪の予防接種は1歳の誕生日を迎えてから受けることが可能です。1回目を受けたあとに数年の期間を置いてから2回目を受けることが多いようです。おたふく風邪は稀に合併症を引き起こしてしまう可能性があるため、是非受けることをお勧めします。

その合併症ですが、最近は「感音性難聴」の危険性に注目が集まっています。感音性難聴とは基礎難聴の1種で、他に伝音性難聴があります。感音性難聴になってしまうと、言葉を聞き取りにくくなってしまったり音が聞こえにくくなります。場合によっては補聴器を付けなければいけないほど聞こえが悪くなってしまう場合もあるようです。

おたふく風邪は先ほど説明した難聴の他にも合併症を引き起こしてしまう可能性があります。主に多いといわれているのは「無菌性髄膜炎」です。症状は発熱や嘔吐、頭痛を引き起こすことが多いのですが症状が全くでない場合もあります。

思春期以降におたふく風邪にかかった場合、男性は精巣炎、女性は卵巣炎にかかる場合がありますが、これが原因で不妊になってしまう可能性は低いといわれています。

また他には1％の割合で脳炎を発症してしまうこともあるようです。脳炎にかかってしまうと、最悪の場合死に至ることもあるため、やはり予防接種を受けさせる方が良いと思います。

おたふく風邪の予防接種はロタウイルスやインフルエンザと同じく任意で受ける予防接種です。そのため受けさせるかは親の判断となります。自費での支払いになってしまうため、お金が掛かるなら…と受けさせない家庭もありますが、できるだけ受けておいた方が良いと思います。

幼児でかかってしまうと症状が小さいといわれています。ですが、体力のない幼児がおたふく風邪にかかって、症状が重たくなってしまう可能性を考えると受けておいた方が無難だと思います。しかし強制ではないため、受けるか受けないかは両親の判断次第になります。

定期の予防接種とは、必ず受けさせるように決まっている予防接種のことです。4種混合やヒブなどがこれにあたります。費用は市区町村から健診票が送られてくるためかかりません。定期となっているのは、種類によって3回～4回ほど期間を空けて受けに行かなければいけないからです。接種漏れを防ぐためにもしっかりとスケジュールを組んでおく必要があります。

定期と比べ、任意の予防接種とは親（もしくは本人）の意志で受けるか受けないか決めることができる予防接種のことです。こちらは市区町村から健診票が送られてこないため、自費で受けることになります。