「おたふく」の予防接種ってなに?
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「おたふく風邪」は飛沫感染や接触感染によっておよそ2~3週間の潜伏期間を経て、症状が現れ始めます。平均すると18日程度だそうですが、その後、初期症状として首や肩の痛み、頭痛があらわれて、耳下腺の腫れ、倦怠感、発熱、腹痛、咳や鼻水、嘔吐などがあらわれることがあります。
厚生労働省では「おたふく」について、以下のように記されています。
『流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)はムンプスウイルスによる感染症であり、感染力は比較的強く、わが国の年間患者数は約 43.1 万人~135.6 万人、入院患者数約 5,000 人と推計され、死亡することは稀である。合併症として、無菌性髄膜炎の頻度が高い(1-10%)が、予後は一般に良好である。難聴、脳炎・脳症は、重篤な後遺症を残し予後不良である(発生頻度は難聴 0.01-0.5%、脳炎・脳症0.02-0.3%)。また、思春期以降に罹患すると精巣炎(睾丸炎)(20-40%)や卵巣炎(5%)を合併する。ただし、精巣炎を合併した場合、精子数は減少するが不妊症の原因となるのは稀である。』
(出典:厚生労働省 おたふくかぜについて)
以上のように、おたふくかぜはかかっても軽症の場合が多いのですが、重い合併症を引き起こすことがあります。そして小児に多い病気ですが成人にもみられ、一度かかると生涯免疫を獲得するということからも、ワクチン接種が重要と考えられます。
厚生労働省では「おたふく」について、以下のように記されています。
『流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)はムンプスウイルスによる感染症であり、感染力は比較的強く、わが国の年間患者数は約 43.1 万人~135.6 万人、入院患者数約 5,000 人と推計され、死亡することは稀である。合併症として、無菌性髄膜炎の頻度が高い(1-10%)が、予後は一般に良好である。難聴、脳炎・脳症は、重篤な後遺症を残し予後不良である(発生頻度は難聴 0.01-0.5%、脳炎・脳症0.02-0.3%)。また、思春期以降に罹患すると精巣炎(睾丸炎)(20-40%)や卵巣炎(5%)を合併する。ただし、精巣炎を合併した場合、精子数は減少するが不妊症の原因となるのは稀である。』
(出典:厚生労働省 おたふくかぜについて)
以上のように、おたふくかぜはかかっても軽症の場合が多いのですが、重い合併症を引き起こすことがあります。そして小児に多い病気ですが成人にもみられ、一度かかると生涯免疫を獲得するということからも、ワクチン接種が重要と考えられます。
たかが「おたふく」でしょ?
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前述のとおり、「おたふくかぜ」はかかっても軽症の場合が多いのですが、重い合併症を引き起こすこともあります。
一般的な症状は、①発熱(38℃以上の熱)②耳下腺の腫れ ③首や肩痛 ④倦怠感、咳、鼻水などの風邪症状 ⑤腹痛や嘔吐 ⑥意欲低下 などです。
症状が発症してから4日~1週間程度で発熱や腫れなどは治まるといわれています。
しかし、重篤化した場合の症状は、①難聴 ②髄膜炎 ③髄膜脳炎 ④卵巣炎や睾丸炎 ⑤心筋炎 ⑥膵炎 ⑦甲状腺炎 ⑧腎炎 ⑨肝炎 ⑩溶血性貧血 などの合併症を引き起こす事が稀にあるのです。
まず「難聴」についてですが「一生治らない重度の難聴」に、約1,000人に1人の割合で、年間700人くらいがかかっていると推定されています。
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ:ムンプス)の原因となるムンプスウィルスは、まれに内耳にも感染し急性発症する難聴を起こすことがあり、これをムンプス難聴といいます。ほとんどが一側耳に起こりますが、難聴は高度で難治性です。流行性耳下腺炎の好発年齢は2歳~15歳で、発熱と両側の耳下腺がおたふくの様に腫れますが、0.2~1.1%の確率でムンプス難聴が発症します。難聴は、「100~ 500ムンプス罹患に対して1件の難聴発生」と述べる文献もあり、小児耳鼻咽喉科医が臨床で実感する値に等しいと言われています。
(「急性高度難聴に関する調査研究(厚生労働科学研究・特定疾患対策研究事業)より得られたムンプス難聴の疫学調査結果」より 喜多村 健・中島 務 著)。
次に、「髄膜炎」については、「無菌性髄膜炎」が約50人に1人の割合で起こっているという研究結果が発表されています。これを発症すると強い頭痛を訴え、嘔吐することもあるそうです。
また、「脳炎」については毎年約30人に起こっていて、障害が残ったり死亡したりすることもあるそうです。
「卵巣炎」については女性の場合で約7%ですが、不妊症との直接の関係はないようです。
問題は男性の場合で「睾丸炎」になる確率は約25%で、片側であればまだ安心ですが、両睾丸が腫れてしまった場合に大人になってから不妊症の危険があるようです。
自分や自分の子どもだけは重症化しない、とは限りません。
簡単に考えるには、リスクが大きすぎると言えます。
一般的な症状は、①発熱(38℃以上の熱)②耳下腺の腫れ ③首や肩痛 ④倦怠感、咳、鼻水などの風邪症状 ⑤腹痛や嘔吐 ⑥意欲低下 などです。
症状が発症してから4日~1週間程度で発熱や腫れなどは治まるといわれています。
しかし、重篤化した場合の症状は、①難聴 ②髄膜炎 ③髄膜脳炎 ④卵巣炎や睾丸炎 ⑤心筋炎 ⑥膵炎 ⑦甲状腺炎 ⑧腎炎 ⑨肝炎 ⑩溶血性貧血 などの合併症を引き起こす事が稀にあるのです。
まず「難聴」についてですが「一生治らない重度の難聴」に、約1,000人に1人の割合で、年間700人くらいがかかっていると推定されています。
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ:ムンプス)の原因となるムンプスウィルスは、まれに内耳にも感染し急性発症する難聴を起こすことがあり、これをムンプス難聴といいます。ほとんどが一側耳に起こりますが、難聴は高度で難治性です。流行性耳下腺炎の好発年齢は2歳~15歳で、発熱と両側の耳下腺がおたふくの様に腫れますが、0.2~1.1%の確率でムンプス難聴が発症します。難聴は、「100~ 500ムンプス罹患に対して1件の難聴発生」と述べる文献もあり、小児耳鼻咽喉科医が臨床で実感する値に等しいと言われています。
(「急性高度難聴に関する調査研究(厚生労働科学研究・特定疾患対策研究事業)より得られたムンプス難聴の疫学調査結果」より 喜多村 健・中島 務 著)。
次に、「髄膜炎」については、「無菌性髄膜炎」が約50人に1人の割合で起こっているという研究結果が発表されています。これを発症すると強い頭痛を訴え、嘔吐することもあるそうです。
また、「脳炎」については毎年約30人に起こっていて、障害が残ったり死亡したりすることもあるそうです。
「卵巣炎」については女性の場合で約7%ですが、不妊症との直接の関係はないようです。
問題は男性の場合で「睾丸炎」になる確率は約25%で、片側であればまだ安心ですが、両睾丸が腫れてしまった場合に大人になってから不妊症の危険があるようです。
自分や自分の子どもだけは重症化しない、とは限りません。
簡単に考えるには、リスクが大きすぎると言えます。
何故「おたふく」の予防接種は「任意」なの?
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国立感染症研究所によると、欧米に習って 1989 年4月から国産 MMR ワクチン(風疹+麻疹+おたふく)が定期接種に組み入れられたようです。
定期接種化により、おたふく風邪の感染は減らすことができたのですが、副反応として無菌性髄膜炎の発症率が高いことが問題となり、1993 年、定期接種開始後わずか4年で国産 MMR ワクチンの定期接種は中止されました。その頻度は 0.16%(接種者約 10 万人)に達したそうです。
(参考:「おたふくかぜワクチンに関するファクトシート」・国立感染症研究所)
その後、ムンプスワクチン研究班が組織されましたが残念ながら研究が進んでおらず、無菌性髄膜炎の発症頻度が中止した時と比べて大きく改善されていないため、現在いまだに任意接種となっています。
とはいえ、国も「定期接種」の方向で動いているようなので、近い将来無料接種できるようになるかもしれません。
定期接種化により、おたふく風邪の感染は減らすことができたのですが、副反応として無菌性髄膜炎の発症率が高いことが問題となり、1993 年、定期接種開始後わずか4年で国産 MMR ワクチンの定期接種は中止されました。その頻度は 0.16%(接種者約 10 万人)に達したそうです。
(参考:「おたふくかぜワクチンに関するファクトシート」・国立感染症研究所)
その後、ムンプスワクチン研究班が組織されましたが残念ながら研究が進んでおらず、無菌性髄膜炎の発症頻度が中止した時と比べて大きく改善されていないため、現在いまだに任意接種となっています。
とはいえ、国も「定期接種」の方向で動いているようなので、近い将来無料接種できるようになるかもしれません。
「おたふく」の予防接種の副作用とは?
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おたふくかぜワクチンの軽度な副反応としては、
① 接種後、接種部位の痚みがある。(24時間以内)
ほとんどは一過性で、時間が経てば消失します。
② 微熱や軽い耳下腺腫脹を起こす場合がある(接種後 10~14 日後)(1~2%)
自然感染に比べて非常に軽度なため、これも特に治療は必要ないようです。
③ 発疹、痒みあるいは紫斑が現れることがある(1%以下)。
通常、一過性で2~3日中に消失します。
④ 感音性難聴、睾丸炎、急性筋炎が起こることがある(きわめて稀) 。 などです。
一方、入院加療が必要なおたふくかぜワクチンの副反応として、「無菌性髄膜炎」が挙げられます。
国立感染症研究所の研究データには、
『ワクチン接種後 2〜3 週間目に髄液中の細胞数の増多が認められ、それに伴い発熱、頭痚、嘔吐などの髄膜刺激症状が出現。無菌性髄膜炎の重症度は自然感染例とワクチン接種例で変わらない。無菌性髄膜炎の治療方法は自然感染時と同様である。一般に予後はどちらも良好である。』
と、記載されています。
(出典:おたふくかぜワクチンに関するファクトシート・国立感染症研究所)
① 接種後、接種部位の痚みがある。(24時間以内)
ほとんどは一過性で、時間が経てば消失します。
② 微熱や軽い耳下腺腫脹を起こす場合がある(接種後 10~14 日後)(1~2%)
自然感染に比べて非常に軽度なため、これも特に治療は必要ないようです。
③ 発疹、痒みあるいは紫斑が現れることがある(1%以下)。
通常、一過性で2~3日中に消失します。
④ 感音性難聴、睾丸炎、急性筋炎が起こることがある(きわめて稀) 。 などです。
一方、入院加療が必要なおたふくかぜワクチンの副反応として、「無菌性髄膜炎」が挙げられます。
国立感染症研究所の研究データには、
『ワクチン接種後 2〜3 週間目に髄液中の細胞数の増多が認められ、それに伴い発熱、頭痚、嘔吐などの髄膜刺激症状が出現。無菌性髄膜炎の重症度は自然感染例とワクチン接種例で変わらない。無菌性髄膜炎の治療方法は自然感染時と同様である。一般に予後はどちらも良好である。』
と、記載されています。
(出典:おたふくかぜワクチンに関するファクトシート・国立感染症研究所)
「おたふく」の予防接種の値段
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現在日本で「任意接種」となっているおたふく風邪ワクチンは、混合ワクチンではなく、単体ワクチンです。
単体のものは、1989年以前から使用しているワクチンであり、安全性も確認されています。
その値段については、「ワクチンの医療経済性の評価」を試算する国の研究チームがワクチンの小売り代金、接種代(初診料+処置費用など)などから考え、消費税をを加えて1 回 6,951 円と決めたようです。
これは、『平成 21 年賃金構造基本統計調査の一般労働女性の賃金平均月額 228,000 円を基に、罹患時の看護に0-3 歳児で 6 日、4-14 歳児で 8 日、接種時の付添に0.5 日を費やすと仮定して』生産性損失を加味して計算してあるそうです。
その結果、『ワクチン接種費用 1 回 6,951 円で 2 回接種した場合にも、社会の視点の分析で罹患に係る費用減尐額が予防接種に係る費用増加額を上まわり、費用対効果に優れている』と判断されるに至ったとのこと。
(参考:厚生労働科学研究「ワクチンの医療経済性の評価」研究班)
私たちからすれば定期接種化してくれれば助かるのですが、年間105万人を対象とするワクチン接種を無料化すると、お金の問題が関わるのでしょう。
今はまだ、国も無料化に踏み切れない状態のようです。
単体のものは、1989年以前から使用しているワクチンであり、安全性も確認されています。
その値段については、「ワクチンの医療経済性の評価」を試算する国の研究チームがワクチンの小売り代金、接種代(初診料+処置費用など)などから考え、消費税をを加えて1 回 6,951 円と決めたようです。
これは、『平成 21 年賃金構造基本統計調査の一般労働女性の賃金平均月額 228,000 円を基に、罹患時の看護に0-3 歳児で 6 日、4-14 歳児で 8 日、接種時の付添に0.5 日を費やすと仮定して』生産性損失を加味して計算してあるそうです。
その結果、『ワクチン接種費用 1 回 6,951 円で 2 回接種した場合にも、社会の視点の分析で罹患に係る費用減尐額が予防接種に係る費用増加額を上まわり、費用対効果に優れている』と判断されるに至ったとのこと。
(参考:厚生労働科学研究「ワクチンの医療経済性の評価」研究班)
私たちからすれば定期接種化してくれれば助かるのですが、年間105万人を対象とするワクチン接種を無料化すると、お金の問題が関わるのでしょう。
今はまだ、国も無料化に踏み切れない状態のようです。