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止まらない「イライラ」は病気のサイン!?そのSOSを見逃すな

止まらない「イライラ」は病気のサイン!?そのSOSを見逃すな

2017年2月13日 公開

ああイライラする!とつい叫びたくなること、ありますよね。それが一時的なものであれば「そんなこともあるさ」で済ませられますが、ひどいイライラが止まらない場合はもしかしたら病気が潜んでいるのかもしれません。ここでは「イライラ」が知らせてくれる病気とその向き合い方について考えていきましょう。

ストレス社会にイライラはつきもの

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仕事に家事、育児、人間関係や金銭的な問題など私たちの生きる社会にはストレスのもとがたくさん。個人差こそあれ、イライラするのはとても自然なことと言えます。

「緊張」や「イライラ」を医学的・統計的に考えるサイト『緊張・イライラLABO』では、多くの人が感じるイライラについて色々な切り口でアンケートを実施しています。
20代~60代の男女各258名、合計516名に「イライラしやすいか」とのアンケートをしたところ、「Yes」と答えた人が70.7%、Noと答えた人が11.1%となっています。さらに男女別に見たところ、男性でイライラしやすい人は63.6%、女性では77.9%となっており男性よりも女性の方がイライラを感じやすいことがわかります。

その「イライラ」、病気が原因かも

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誰しもある程度はイライラする世の中ですが、「たかがイライラ」と考えるのは危険です。
「イライラするのは短気な性格のせい」「仕事も育児も忙しいから今はイライラがひどくて当然」など、イライラは性格の話や置かれている状況と絡めて語られることが多く、あまり深く考えられない傾向があります。でもイライラはそれだけで片付けられる話ではないんです。
日本女性心身医学会ではイライラの原因について次のように述べています。
イライラの原因は大きく分けると自分の思い通りに事が運ばないときに生じるもの(精神的イライラ)と自分の意思とは全く関係なく生じるもの(ホルモンバランス的イライラ)とその両者の合わさったものがあります。
(略)
ホルモンバランス的イライラは本人の意思とは全く関係なくイライラする場合でホルモンバランスが崩れていることが原因で起こります。
(略)
ホルモンバランスの崩れによるイライラの治療法はその原因となっている病気の治療を行うことが第一です。
精神的イライラについては自らその原因を取り除く努力ができても、ホルモンバランス的イライラに関してはそうもいきません。
そのイライラを病気によるものだと認め、きちんと治療を受けることがイライラ克服への近道です。

イライラで病院を受診する目安は?

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イライラは大なり小なり日常的に感じているものだけに、どの程度のイライラで病院を受診してもよいものなのか迷うところですね。
病院受診の目安としては、
〇いつも何をしていてもイライラを感じている
〇家事ができない、仕事が手につかないなど日常生活に支障が出ている
〇自分なりのイライラ解消法を試しても効果がない
〇感情のコントロールができず、人や物に当たってしまう
といったことがあれば迷わず受診しましょう。
上記のような症状にまで発展していなくても、自分で「つらい」と感じているようなら受診をお勧めします。

では、以下から「イライラ」が引き起こされる病気について見ていきましょう。

月経前症候群(PMS)

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生理がある年代の女性の多くが悩まされる月経前症候群(PMS)ではどのような症状が出るのでしょうか。
月経(生理)の前にはどうしてもイライラしてしまったり、甘いものが無性に食べたくなったり、乳房がはって痛んだり…いろいろな不調がでてきますよね。
これは、PMS(月経前症候群)と呼ばれる症状です。PMS(月経前症候群)は“Premenstrual Syndrome”という英語の略称。月経(生理)の3〜10日位前から起こるキモチやカラダの不調で、月経(生理)が来ると症状が弱まり、やがて消えていくものです。
多くの女性が月経(生理)の前になんらかのPMSの症状を抱えていると言われています。でも、まだPMSという名前の認知度は低く、知らずに悩んでいる人もたくさんいるようです。
PMSは多くの女性が経験しているものの非常に個人差が大きく、「ちょっとイライラする」といった程度の人から、イライラで何も手につかなくなるという重度の人までさまざまです。他人と比較して「これくらい我慢しなくちゃ」などと考えるのではなく、自分のつらさとしっかり向き合うことが大切です。
病院でのPMSの治療では、その症状によって低用量ピルや漢方薬、向精神薬などが処方されます。薬を服用することで症状がグッと改善されることがありますので、我慢せずに受診を検討しましょう。

更年期障害

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更年期障害もイライラを引き起こす代表的な病気です。
女性ホルモンの「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌量は30代半ばをピークに徐々に減り始めます。これは卵巣機能の低下によるもので、40代半ば以降には急激に減少していきます。更年期障害とはこの急激なホルモンバランスの変化に体がついていかずに心身にさまざまな不快症状が起こることを言います。
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更年期障害で起こる症状としては下記のようなものが挙げられます。
【身体的な症状】・だるさ ・動悸 ・多汗 ・のぼせ ・火照り ・頭痛 ・めまい ・肩こり など
【心の症状】・イライラ ・憂鬱感 ・不安感 など

「更年期」とは閉経を挟んだ前後約10年程度の期間を指します。
日本人女性の閉経は50歳前後と言われていますので更年期は45~55歳くらいということになりますが、最近では30代~40代前半でも更年期障害の症状が出る人が多くいます。過度なストレスや冷え、不規則な生活などによりホルモンバランスが乱れ卵巣機能が低下していることが原因とみられています。
若年性更年期障害の場合、ストレスの軽減や生活リズムの見直しなどでホルモンバランスを整える対策が必要です。イライラがとてもつらいときには無理をせず、病院を受診しましょう。

バゼドウ病(甲状腺機能亢進症の一種)

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イライラを引き起こす病気の一つとしてバゼドウ病が挙げられます。
バゼドウ病は体内にできた物質が甲状腺を刺激し続けることにより甲状腺ホルモンを必要以上に作ってしまうため、新陳代謝が異常に早くなり様々な心身症状を引き起こす病気です。
バゼドウ病は20~30代の若い女性に多く発症し、次のような症状を引き起こします。
心臓がドキドキする。(動悸)
たくさん汗をかく。(多汗)
手がふるえる。
体重が減る。
目が出る。
目がギラギラする。
目つきが変わる。
疲れやすい。
イライラする。
落ち着きがない。
暑がり。
下痢。
無月経。
月経不順。
体に力が入らない。
たくさん食べても太らない。
首が腫れる。
不妊。
バゼドウ病は放置しておくことで重症化し、さまざまな合併症を引き起こす恐れがあります。イライラさえ我慢すれば良いという考えは非常に危険です。早急に受診しましょう。
バゼドウ病の治療方法は「薬による治療」「アイソトープ(放射性ヨウ素)治療」「手術」の3つです。症状の程度や体質、普段の生活などを考慮してどの治療法を進めるかが決められます。それぞれの治療法にはメリット・デメリットがありますので医師の話をよく聞き、理解したうえで治療を進めましょう。

産後うつ

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産後うつによるイライラも見逃せません。
出産後は、妊娠中に大量に分泌されていた「エストロゲン」「プロゲステロン」というホルモンが急激に減少し、母乳を生成するホルモンの「プロラクチン」が分泌されます。この急激なホルモンバランスの変化や育児ストレス、疲れなどで心身にさまざまな変調をきたしてしまうのが産後うつです。
産後うつの症状には以下のようなものがあります。

◯イライラする
◯不安感
◯自分に価値がないと思う
◯不眠
◯食欲不振または過食
◯常に疲労を感じる
◯子どもが可愛いと思えない
◯判断力の低下
◯何をしても楽しいと思えない

産後うつのイライラの矛先は夫に向かうことが多いようです。夫に対するイライラが止まらずに激しい罵声を浴びせてしまったり、夫のすべてが不快に感じたりといったことが起こります。こういった状態から産後クライシスや離婚に発展してしまうこともあります。その後の人生に大きな影響を及ぼす可能性がありますので放置は厳禁です。
下記リンクのような産後うつのセルフチェック票なども活用して、まずは自分が産後うつを患っていると自覚することが大切です。

自律神経失調症

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病院を受診しても内蔵や器官に異常はなく、これといった原因も見つからないのにひどいイライラが止まらない・・・そんな時には「自律神経失調症」と診断されるかもしれません。
自律神経は活動する神経である『交感神経』と休む神経である『副交感神経』から成り、二種の神経が必要に応じて切り替わりながら機能しています。この自律神経のバランスが乱れることで、心身にさまざまな影響が出ていると考えられるときに自律神経失調症とされます。
自律神経のバランスが乱れる原因は十人十色で、過度なストレスや生活リズムの乱れ、女性ホルモンによるもの、環境の変化などさまざまです。原因がさまざまなだけに、その治療法も多岐にわたります。
症状・タイプなどにより、身体と心の両面に働きかける治療、生活環境を整えるなどのことを行う必要があります。体質・性格・ライフスタイルの歪みにも注目して見直し改善することが必要でしょう。

・治療方法・ 自律訓練法などによるセルフコントロール
・ 薬物療法
・ カウンセリングなどの心理療法
・ 指圧やマッサージ、整体、鍼灸、ストレッチなどの理学療法
・ 音楽療法やアロマテラピーなど五感に働きかける治療法
生活習慣の見直しなどでイライラが改善されるのなら問題ありませんが、医療の助けが必要なことも多々あります。自分の症状をチェックして自律神経失調症かもと思ったら病院を受診しましょう。

イライラで病院へ。何科を受診する?

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症状は「イライラ」。でも、そのイライラを引き起こしている病気は色々のため、どの診療科を受診するべきか迷うところですよね。

上記に挙げた病気の主な診療科は、
【PMS 】婦人科
【更年期障害】婦人科
【バゼドウ病】内科・内分泌科
【産後うつ】心療内科・精神科
【自律神経失調症】心療内科・精神科

といったところですが、病気にはさまざまな側面があるためこの限りではありません。
例えば更年期障害は女性ホルモンの関係による病気ですので婦人科での治療がまず考えられますが、イライラという精神症状が強い場合は心療内科や精神科の受診を選ぶ手もあります。
また受診前にイライラを引き起こしている病気の正体が何なのか確信が持てる人はまれでしょう。そんな時は、診療科が何かに関わらずかかりつけ医があればまずそこで相談してみることをおすすめします。そのままその病院で診てもらえる場合もありますし、適した診療科を紹介されることもあります。
適した診療科がわからずに受診をためらっているうちに、どんどん症状が進んでしまうかもしれません。まず自分が行きやすい病院に相談することから始めてみましょう。

まとめ

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イライラは本当に辛いものですが、それだけで病院に行くのも・・・と尻込みしている人もいるかもしれません。私はそのような人達に、ぜひ病院で医師に相談してくださいと言いたいです。
受診してもすぐにイライラが解消されないこともありますが、理由のわからなかったイライラに病名が付くだけで本当に救われるものです。それまで漠然としたイライラと孤独に戦ってきた状況から、病気の克服という目標に向かって治療を開始できるのですから。
自分の状況をしっかり認識し、頼るべきところはプロに頼ることからイライラ克服が始まります。
必ずよくなることを信じて、前向きにイライラの治療に取り組みましょう!
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