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【実録】二世帯住宅のメリットデメリットは?住み替え時に後悔しない為の重要ポイント5つ

【実録】二世帯住宅のメリットデメリットは?住み替え時に後悔しない為の重要ポイント5つ

2018年7月18日 公開

近年、意外と増えてきている「二世帯住宅」。経済面や子育て面などでメリットの多い二世帯住宅ですが、その一方で当然デメリットもあります。今回は住み替え時に後悔しないために考えたい・二世帯住宅を検討する際の重要ポイントについてご紹介します。

今注目の「二世帯住宅」!した方がいい?しない方がいい?

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憧れのマイホーム。特に子育て中は、子供がのびのびと過ごせる広い家に住みたいと考える方も多いのではないでしょうか。最近では、親世帯が保有する土地に、新たに「二世帯住宅」の家を建て替えるという家族が増えているのだそうです。

金銭面でも親世帯と折半したり、土地を新たに購入する必要がないなどメリットも大きい一方で、親世帯との確執が生じてしまったなどデメリットも考えられます。

これから家を購入しようと検討中の方、二世帯住宅を検討中の方は、メリット・デメリットをしっかりと理解し、後悔しない住宅選びをしてくださいね。今回は、実際に二世帯住宅に住んでいる方の体験談をもとに、二世帯住宅を建てる際のポイントについてご紹介します。

【目次】

1. 二世帯住宅にするメリット
2. 二世帯住宅にするデメリット
3. 実際に二世帯住宅に住んでいる人の感想は?
4. 二世帯住宅にするなら「形式」を決める!
5. 二世帯住宅にするなら「ルール」を決めておく!
6. 二世帯住宅にするなら「理由」を明確にしておく!
7. 二世帯住宅にするなら「間取り」に配慮する!
8. 二世帯住宅にするなら「金銭負担」を明確にする!

二世帯住宅にするメリット

Art Fingers Heart · Free photo on Pixabay (122778)

二世帯住宅は、「親世帯とのトラブルが面倒くさそう」「気を遣ってストレスがたまりそう」などといったマイナスイメージが多いのですが、メリットもたくさんあります!特に子育て中は、メリットのほうが多いと感じるかもしれません。

まずは二世帯住宅における、様々なメリットについてご紹介しましょう。

◆経済的負担が軽減される

まず大きなメリットとして挙げられるのが「金銭面」ですよね。家を建てる時の費用を、親子で分担することが出来ますし、もともと親世帯が保有していた土地に建て替えるというのであれば、数千万円の土地代が節約出来ますので、その分建物の方にお金をかけることが出来ます。

また、戸建ての場合気になる固定資産税も、親子それぞれ1戸ずつ住宅を保有していることになる「区分登記」にすれば、課税標準額が軽減されるため、節税になることがあります。場合によっては相続税までもが減額されることもあるそうです。

購入時だけでなく、その後の金銭面でのメリットも考慮に入れて検討してみるのも良いでしょう。詳細は、不動産会社や建築会社の担当者に聞いてみると具体的なシミュレーションで教えてくれると思いますよ!

◆家事・育児を分担できる

子育て世帯にとって大きなメリットは、親世帯に「子供のことを見てもらえる」ということでしょう。共働き夫婦の場合、幼稚園や保育園の送迎をお願いできたり、ママが体調が悪いときも子供を預けて病院に行くことができたり、様々なシーンで援助を受けられるというのは心強いと思います。

また、ママが体調不良のときも、親世帯に家事を手伝ってもらうことも出来ますので、ゆっくりと体を休めることが出来ますよね。ワンオペ育児に悩まされているママからすると、なんとも羨ましい環境だと言えます。

◆介護がしやすい

今はとても元気な親世帯であっても、いずれ訪れる介護問題。そんなときも二世帯住宅であれば、1階と2階を行き来するだけで済むので、介護する側の負担が軽減されます。私の周りでも、遠方に住む1人暮らしの母親の介護に、週2~3回、通っている知人がいますが、移動だけでも時間とお金がかかると嘆いていましたので、近くに住んでいるというのは安心感があると思います。

◆孫にとっても心のよりどころになる

私自身も、祖父母世帯と同居していた環境で育ったのですが、やはり「おじいちゃんおばあちゃん」の存在は大きなものでした。

親に厳しく怒られたときや兄弟喧嘩をしたときなど、優しい言葉をかけてくれる祖父母のところへ気軽に行けるというのはメリットでした。子供にとっての「逃げ場」があるのは、親にとっても子供にとっても大切なことだと思います。

核家族化が進み、親子で揉めてしまったときに、子供が行き場をなくしてしまうケースが非常に多くみられます。そんなときも、無条件で自分を受け入れてくれる祖父母の存在は、とても心強いものでしょう。

祖父母にとっても孫とのコミュニケーションの時間は、とても有意義なものになりますので、双方にとってメリットがありますね。

二世帯にするデメリット

Males 3D Model Isolated · Free image on Pixabay (122779)

母方、父方、どちらの親と同居するにしても、トラブルはつきもの。やはり異なる環境で育ったもの同士が完全に分かり合えるというのは難しいことなのかと思います。

どんなに仲良しの嫁・姑でも、実際に二世帯住宅に住み始めてみたら、仲が悪くなってしまったという話はよく耳にします。「うちは大丈夫」と思い込まず、あらゆるデメリットを視野に入れて検討しましょう。

◆価値観の違いにトラブル続出

二世帯住宅の場合、どんな形式の間取りで建てたとしても少なからず生活習慣の違いや価値観の違いに、お互いストレスを感じ、トラブルに発展することが多くあります。

掃除の仕方、生活スタイルの違いなど、非常に細かい部分まで気になりだしたら止まらないものです。これは一緒に住んでみなければ分からないことも多いので、同居前は良好な関係であったのに、同居してから衝突が多くなったというケースもよくあります。

◆プライバシーの侵害にストレス

二世帯住宅の場合、どうしてもお互いの生活空間が近くなりますので、プライバシーの確保が難しくなります。そのため、常に監視されているような気がしてストレスを感じるという人も多いようです。

プライバシー保護を優先して考えるのであれば、「完全分離型」といって玄関や水回りなどすべて別々の間取りにするなど配慮する必要があります。

◆子育てに口出し

子供を預けやすいというメリットの一方で、子育てに口出しをしてくるというデメリットもあります。距離が近ければ、それだけ祖父母が育児に介入する機会が増えますので、ママやパパの子育てを否定するような発言が増えたり、過剰に甘やかされてしまうなど困ることもあるようです。

嫁・姑の場合は、このような問題が悪い方へ発展すると離婚に繋がってしまうという恐れもありますので、育児に対するものの見方や考え方についてよく話し合うことが必要かもしれません。

◆将来的に介護が大変

二世帯住宅にする際、将来的には介護問題がついて回ることがほとんど。家を建てた当初は、子育てを手伝ってもらったり金銭的援助を受けられたりメリットも大きいですが、10年、20年と経過すると、親世帯の介護をしなければならないことがあるのを頭に入れておきましょう。

実親であろうと義親であろうと、その苦労は計り知れないものです。同居することで、介護しやすいと感じるメリットもありますが、介護すること自体負担に感じることもありますよね。

入居前には、そういった将来的なことも考え、よく話し合ってから計画するようにしましょう。

実際に二世帯住宅に住んでいる人の感想は?

Living Room Couch Interior · Free photo on Pixabay (122780)

私自身の体験談だけでなく、私の周りで実際に二世帯住宅に住んでいるという人の体験談をまとめてみました。

改めて気づかされる部分もあるかもしれませんので、是非参考にして欲しいと思います。

◆私の場合…(一部共用型)

私の実家は、玄関とキッチン、ダイニングルーム、お風呂が共用の「一部共用型」の二世帯住宅でした。

孫と祖父母の距離が近く、いつも学校から帰ってくると「おかえり」と声掛けしてもらえる安心感がありました。

しかし、思春期になると、共用のお風呂の順番が気になったり、祖父母の目が気になり友達を自宅に呼ばなかったり、帰りが遅くなる日は生活音に配慮するなど、ストレスを感じることも多かったです。

実家は、母方の両親との同居でしたが、子供ながらに父親が義理の両親に気を遣っているのも凄く嫌でした。

孫にとって祖父母の存在がメリットとなることもあれば、そうでないこともあるのだと理解し、間取りを工夫する必要がありますね!

◆A子さんの場合…(完全分離型)

知人のA子さんの場合は、玄関も全て別の「完全分離型」の二世帯住宅です。プライバシーが確保され、過ごしやすいように思えるのですが、意外とストレスを感じることがあるそうです。

完全分離型と言っても、1階と2階の違いだけなので、何だかんだ生活音を気にしてしまうことや、子供が祖父母に気軽に会いに行ってしまう為、結局のところ一緒に過ごす時間が長くなり、義理の親に気を遣わなければならないなど不満も多いそうです。

親世帯と近い分、子供のイベントやお出かけの際など、知らん顔出来ませんから、毎回誘わなければならないプレッシャーにも悩まされています。

◆B子さんの場合…(一部共用型)

B子さんの場合は、玄関が共用の二世帯住宅だそうですが、「玄関だけ」と思って納得して同居してみたものの、意外とストレスが多いそうです。

例えば、通販などで買い物した際。自分が不在で、親世帯が代わりに受け取ってくれた時など、「よく届くわね」「また何か買ったの?」などと嫌味を言われてしまうのだとか。

また、子供が友達を連れて来る時もいちいち祖父母に伝えないといけないルールなのだそうで、面倒に感じてしまうそうです。スペースの関係上、止む無く玄関を共用にした場合も気を遣う瞬間は意外と多いようですね。

◆C子さんの場合…(一部共用型)

こちらも玄関とお風呂が共用の一部共用型。幼稚園のママ友とのお茶会に義母が介入して来たり、子育てに意見されるとことが多いそうで頭を悩ませていました。

一方で、仕事をしているママとしては、時々幼稚園のお迎えをお願い出来るなどのメリットも感じているようでした。程度にもよりますが、あまりにも子育てに口を出されてしまうのは困りものですから、しっかりと話し合いをしてから同居を始めた方が良さそうですね。

二世帯にするなら…「形式」を決める!

Architecture Family House Front · Free photo on Pixabay (122781)

失敗しない二世帯住宅のポイントとして挙げられるのが、二世帯住宅の「形式」です。主に以下のような3タイプに分けられます。限られた土地の広さに建てるので、全て希望通りの間取りとはいかないかもしれませんが、二世帯住宅を建てるにあたって、同居の形式は、非常に重要なポイントとなりますので、しっかりと話しあっておきましょう。

◆完全分離型

完全分離型とは、いわば玄関も水回りもすべて別々の二世帯住宅のことを言います。同じ敷地にあってもすべて別々の住居となりますので、プライバシーは十分確保されます。しかも、頼りたいときはすぐにお互いを頼ることが出来るので、最も人気の形式と言えるでしょう。

メリットが大きいように見える完全分離型の二世帯住宅ですが、実はデメリットもあります。それは「家の価格」。水回りを1階と2階と2か所設置するとなると、それなりの費用が掛かります。電気やガスなどのメーターも各々つけるとなれば、当然費用がかかります。基本料金だって倍にとられるわけですよね。

場合によっては家を2軒建てるのとほとんど変わらない金額になってしまうこともありますので、
予算を考えて検討する必要があります。

◆一部スペース共用型

玄関が一緒、お風呂やキッチンが一緒など、住居の一部スペースのみが共用となっているタイプの二世帯住宅のことです。

キッチンやお風呂などの水回りスペースは、別々につくると費用がかかるため、お風呂のみ共用して、キッチンだけは別にするといった家庭も多いようです。キッチンはどうしても、主婦にとっては「聖域」的な考えがあるので、嫁姑のトラブルが起きやすい場所です。別々の方が双方にとっても気楽と言えるのでしょう。

実は、予算的にも一部共用型の二世帯住宅を建てる方が多くいます。完全分離型だと、賃貸として貸し出すことが出来るので、アパートなどと同じ基準で建築することになりますから、費用がそれだけかかってしまうからなんです。

低予算で、家具や内装にこだわりたいという方は、一部共用型の二世帯も検討してみると良いですね。

◆完全同居型

完全同居型は、玄関や水回りなどすべて共用にし、親世帯の部屋だけをプラスしてつくるパターンです。二世帯とはいえ、部屋を増やすだけなので、費用もさほどかからず済むのが最大のメリットです。

しかしこの場合、完全に「同居」という感覚が強いため、プライバシーがなく、互いにストレスを抱えてしまうことが多いようです。

生活スペースが区切られていない分、トラブルが多くなるでしょう。特に育った環境に違いがあるお嫁さんは、些細なことでも不満やストレスを感じてしまうものです。あらかじめ生活ルールを細かく決めておくなど、しっかりとした話し合いが必要不可欠です。

二世帯にするなら…「ルール」を決めておく!

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特に完全同居型の二世帯住宅の場合、生活ルールをしっかりと決めておかないと後々トラブルになってしまいます。
一部共用型でも、お風呂や玄関などの使い方など、ルールがあった方が良いでしょう。

良かれと思って親が子世帯の部屋を掃除したり、ゴミ出しを勝手にしてしまったりすると、とんでもないトラブルに発展してしまいます。「家族」であっても、プライバシーがあるので無断で部屋を出入りすることのないようルールを決めておく必要がありますね。

これは親世帯・子世帯の価値観によっても差が出てくるものですから、入居する前に家族で話し合うようにしましょう。また、その際も休日・平日の生活パターンを加味して検討することを忘れないようにしましょう。

二世帯住宅にするなら…「理由」を明確にしておく!

Board Questions Who · Free image on Pixabay (122783)

そもそもなぜ「二世帯住宅」にするのか?二世帯住宅を建てる前に、理由を明確にしておくようにしましょう。親世帯の介護が目的なのか、子世帯の「子育て」を手助けすることが目的なのか?単に土地が余っているから二世帯住宅を建てるのか?

この「理由」によって、二世帯住宅の形式が変わってきます。

介護が目的なのに完全分離型にしてしまっては意味がありませんよね。また、土地が余っているから二世帯住宅にしたいのであれば、完全分離型でプライバシー保護を優先したつくりにしたほうが良いでしょう。

このように、二世帯住宅を建てる場合は、その目的を明確にすることで、後悔しない間取りの家を建てることが出来るでしょう。

二世帯住宅にするなら…「間取り」に配慮する!

Floor Gang Input Entrance · Free photo on Pixabay (122784)

二世帯住宅の場合、最も気を付けたいのが間取りです。特に「水回り」の場所。例えば、1階の親世帯の寝室の真上が子世帯のリビングやキッチン、お風呂であった場合、生活音がうるさくてトラブルになってしまうからです。

これは親世帯と子世帯の生活パターンの違いによるものですが、どうしても親世帯が眠りにつく頃に、子世帯が仕事から帰ってきたり、塾やバイトから帰ってきたりしてしまうからです。昼間は全く気にならない足音でさえも、夜は響きますから、意外と気になるものです。

特に水回りは、シャワーの音や洗い物の音、トイレの音などうるさく感じるでしょう。面倒なトラブルにならないためにも、親世帯の寝室の上は子世帯の寝室。親世帯の水回りの上には、子世帯の水回りを設置するなど、間取りに配慮して設計してもらいましょう。

二世帯住宅にするなら…「金銭負担」を明確にする!

Calculator Calculation Insurance · Free photo on Pixabay (122785)

金銭負担も明確にしておく必要があります。例えば以下のようなことがあげられます。

・光熱費(メーターを別々にするのかどうか)
・食費(キッチン共用型や同居型の場合、食費の分担は?)
・ローンの返済方法は?

金銭面は、話しにくいところもありますが、最初から明確にしておかないと後々嫌な思いをしてしまうこともあります。
生活ルールを決めるのと同様に、あらかじめしっかりと話し合っておきましょう。

まとめ

Hands Friendship Friends · Free photo on Pixabay (122786)

いかがでしたか?二世帯住宅のメリット・デメリットをお分かりいただけたでしょうか。お互いがちょうどよい距離感を保てれば、かなり便利な生活スタイルだと言えますので、それぞれ「目的」を明確にし、建て替えを検討してみるのも良いと思います。

母方の親と同居するのか、父方の親と同居するのかでも間取りや形式のニーズが変わって来るので、それぞれの家族にとって1番住みやすい家になるよう、しっかり話し合って決めるようにしてくださいね。家は一生モノの大きな買い物です。少しでも理想に近づけるお家になりますように♡