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赤ちゃんの急な発熱!酷い咳!それってヒトメタニューモウイルスかも?症状と対処法とは?

赤ちゃんの急な発熱!酷い咳!それってヒトメタニューモウイルスかも?症状と対処法とは?

2017年6月9日 公開

皆さんは「ヒトメタニューモウイルス」という感染症をご存知でしょうか。特に赤ちゃんや幼児がかかりやすいと言われる、近年注目され始めた感染症の1つです。発熱や咳が長引き、酷い場合は肺炎や気管支炎、呼吸不全など重症化することもあるそうです。赤ちゃんの発熱や咳がなかなか治らない!という時は、単なる風邪ではないかもしれません。今回は、気になるヒトメタニューモウイルスの症状とその対処法について詳しくご紹介します。

赤ちゃんの発熱&長引く咳は単なる風邪ではないかも?

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赤ちゃんの突然の発熱、更には酷い咳でお困りのママさん。心配ですよね。特に咳は、あまり酷いと、上手にミルクを飲んだり離乳食を食べたりできないうえに、夜中も咳き込んで吐いてしまうこともあるので、どんどん体力も奪われてしまいます。その気になる熱と咳、本当にただの風邪でしょうか?

それって、「ヒトメタニューモウイルス」という感染症ではありませんか?あまり聞きなれない病気なので「何それ?」というママさんも多いかもしれません。今回は、実際に私の子供が感染した、風邪によく似た症状「ヒトメタニューモウイルス」について、体験談も交えながら、その危険性や対処法についてご紹介します。

とても身近な病気で、誰にでもかかる可能性のある感染症です。長引く熱や咳の症状が気になるときは、単なる風邪だと軽んじることなく、かかりつけの小児科で診てもらいましょう。

赤ちゃんに多い!ヒトメタニューモウイルスとは?

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「ヒトメタニューモウイルス」とは、別hMPV感染症とも言い、最近新たに注目され始めた感染症です。ママやパパが子供の頃には知られていなかった病気なので、知識のない方も多いと思います。しかし、重症化することも多く、免疫力の弱い乳幼児がかかりやすい病気なので、とても注意が必要なんですよ。

馴染みのない感染症のわりに、実はとても身近な病気で、気づかぬうちに多くの人が感染したことがあるんだそうです。風邪に症状が似ているため、気が付かないことが多いのも特徴。10歳までには、ほとんどの人が感染すると言われているくらい、感染率の高いものです。勿論、大人も感染します。主に、呼吸器感染を引き起こすウイルスで、重症化しやすい3歳くらいの赤ちゃんまたは喘息などの持病がある人には注意して欲しい病気なんです。

ヒトメタニューモウイルスの流行る時期とは?

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ヒトメタニューモウイルスは、基本的には1年通して感染するリスクがあるものです。しかし特に気を付けたいのが、3月~6月。インフルエンザがやっと終わったなという頃に流行りだすので、こちらも併せて注意が必要です。特に、集団生活をしているお子さんは、うがい・手洗いを忘れないようにしたいですよね。ただ、このヒトメタニューモウイルスがかかりやすい3歳未満の子供は、上手にうがいや手洗いが出来ないので、パパやママがしっかりサポートしてあげてください。

ヒトメタニューモウイルスの主な症状とは?

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ヒトメタニューモウイルスの症状は、風邪とよく似ていますので、最初はなかなか発見されにくいでしょう。このウイルスの大きな特徴としては、咳、発熱、鼻水です。RSウイルスにも症状がよく似ています。主な症状は以下の通りです。

・熱が4~5日続く
・咳がいつもより長い(1週間くらい)
・鼻水が酷い
・風邪のように思えるが、症状が長引く・重い

私の娘も、2歳になったばかりの頃に感染し、最初は病院でも単なる風邪と言った診断でしたが、5日経ってもまだ症状が改善されず、むしろどんどん咳も悪化し、毎晩吐いて眠れないほどだったので、大学病院で精密検査をしたところ、ヒトメタニューモウイルスということが発覚しました。最初は「何それ?」といった感じで、どんな病気かも知らなかったので、かなり心配しましたが、意外と身近な病気であることが分かり、少しほっとしたのを覚えています。

重症化するとこんな病気を引き起こす!

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ヒトメタニューモウイルスを「風邪が長引いているな」くらいに思っていると、大間違い!体力のない高齢者や乳幼児が感染すると、時には重症化するケースもあります。他にも、喘息などの持病を持っている人も、症状が悪化しやすいため、早め早めの治療が必要となってきます。

重症化した場合、肺炎や気管支炎、喘息、呼吸困難などの症状を引き起こしてしまいます。咳が、いつもよりも酷い・激しいと感じたら、早めに病院へ連れて行きましょう。

ヒトメタニューモウイルスの潜伏期間と感染経路は?

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ヒトメタニューモウイルスの潜伏期間は、4日~6日。ウイルスが体内から排出されるのは、約2週間ほどですので、お子さんが幼稚園や保育園に通っている場合、症状が落ち着くまでは、登園を控えたほうが良さそうです。インフルエンザのように、特に学校感染症法で指定されている病気ではありませんが、小さな子供への感染力が高いため、集団感染のリスクは高いと言えます。

感染経路は、咳やくしゃみによる「飛沫感染」と、唾液などが付いた手やおもちゃからうつる「接触感染」があります。兄弟間でもうつりますし、大人にもうつりますので、手洗いうがいを徹底しましょう。ちなみに、1度感染したくらいでは、免疫力がつかない病気なので、乳幼児の場合は、何度も感染してしまうことがあるんだそうです。注意が必要ですね。

ヒトメタニューモウイルスの対処法とは?

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意外と厄介な病気にも関わらず、ヒトメタニューモウイルスへの特効薬は存在しません。なので、発症しても対処療法が中心となってしまいます。主に、咳止め、痰を切りやすくする薬、解熱剤、気管支を広げる薬などが処方されるはずです。

ただし、お家で出来るケアもあります。1日も早く辛い症状を緩和してあげたいというママさん。是非、色々と試してみてくださいね。

◆発熱時のケア

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ヒトメタニューモウイルスの場合、39度前後の高い熱が4,5日続きますので、体力のない小さな赤ちゃんはグッタリとしてしまいますね。処方された解熱剤を効果的に使うことで、少しは楽になるかもしれません。基本的に解熱剤は、医師の指導のもと、38.5度以上の高い熱の際に使用します。熱が上がっているということは、ウイルスと体が闘っている時なので、あまり使わない方が良いという話も聞きますが、あまりにも子供が辛そう・眠れないという場合は、薬で下げてあげた方が良いでしょう。

熱がこれから上がる時というのは、寒がったり、手足が冷たくなったり、震えていたりするものです。なるべく温かくして寝かせてあげましょう。逆に、熱が上がりきると、汗をいっぱいかいて、暑がったり、手足の先まで熱を持つことがあります。体のこもった熱を発散させるために、布団は薄手のものにし、着ている服も1枚脱がせるなどすると良いですよ。

汗をたっぷりかいたときは、食欲がなくても水分だけは摂るようにしましょう。脱水症状にならないように、注意することが大切です。ちなみに、冷却シートや氷枕ですが、赤ちゃんの場合は、冷却シートを口に入れたりして、窒息のリスクもあるため、あまりお勧めしません。
熱が高いときは、わきの下や首の後ろなどを保冷剤にハンカチやタオルを巻いて、冷やしてあげるだけでOKだと思います。本人も、気持ちいいと感じてくれるはずです。

◆鼻水のケア

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ヒトメタニューモウイルスになると、酷い鼻水、鼻づまりで、余計に咳き込んでしまったり、夜眠れなくなったりします。また、大量の鼻水で、中耳炎やとびひなどの他の病気を引き起こしてしまうこともありますので、こまめにケアすることが大切なんです。

とはいえ、赤ちゃんはまだ自分で鼻をかめませんので、ママが鼻の吸引器で取るようにしましょう。ママが吸うタイプの吸引器の場合、鼻水と一緒にウイルスも吸ってしまわぬよう、使用後は、必ずよくうがいをしましょう。ママも長い期間、看病をしなければならず、体力が落ちてしまい、感染のリスクが高まります。気を付けましょう。

また、鼻水が垂れてきて、鼻の下が赤くただれてしまう時は、ワセリンなどのクリームでこまめに保湿するか、お茶を含ませたティッシュなどで拭き取ると、殺菌力もあって良いそうです。他にも、鼻詰まりが酷い場合は、蒸しタオルを鼻の下にあてたり、部屋を加湿するなどして工夫しましょう。我が家では、メントールジェルなどを胸元に少量塗ったり、お湯に溶かした湯気を吸わせたりして改善しました。

◆咳のケア

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夜になると特に悪化するのが「咳」。横になると鼻水が、喉の奥に逆流することで咳が出やすくなったり、鼻詰まりによって口を開けながら寝ることで、のどが乾燥して咳き込むことがあります。あまり酷い咳だと、吐いてしまうことも多いので、咳のケアは大切です。

夜間は、バスタオルなどを使って、なるべく上半身を高くして鼻の通りをよくするように寝かせたり、お部屋を加湿するようにして寝かせましょう。また、咳き込んだ時は、冷たいものより暖かい飲み物をゆっくりと飲ませるようにしましょう。冷たい飲み物は、反ってのどを刺激してしまうので、おすすめしません。

ヒトメタニューモウイルスの場合、この咳が1番厄介でした。私の娘は、ほとんど毎晩のように咳き込んで吐き戻し、そのたびに大泣きして、親子そろって寝不足の毎日でした。病院で、喘息用の吸入器を借りていましたが、即効性はあまりなく、結局は時間の経過とともに収まるのを待つしかないような状況でした。ただ、あまり酷く、食欲もない日は、点滴をしてもらい、症状を緩和してもらいました。気になる方は、かかりつけ医に相談すると良いと思います。

まとめ

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いかがでしたか?私の娘は、結局、感染して2週間くらいで症状がおさまりましたが、あまりにも長い間体調が悪いため、本人もずっと機嫌が悪く、看病疲れもあってか、親子共々グッタリでした。幸い、娘の場合は、点滴だけで済みましたが、重症化すると入院となるケースもあるそうなので、早めに気が付けたのが良かったなと思います。

血液検査や、粘膜を調べる検査で判明しますので、あまりにも風邪が治らないなと感じたときは、軽視することなく、病院で診てもらいましょう。ちなみに、その時、私も思いっきり感染してしまい、2か月くらいしつこい咳に悩まされましたので、看病するママさんは、手洗いうがいだけでなく、アルコール消毒やマスク着用も忘れないでくださいね。

長期戦になりやすい厄介なウイルスなので、ママもお子さんと一緒に、休めるときはゆっくり休んで、1日も早く元気になるよう、お家でのケアもしっかりしましょう。