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帝王切開のリスクと後遺症は?リスクを減らすためにできることも

帝王切開のリスクと後遺症は?リスクを減らすためにできることも

2017年2月23日 公開

出産方法の1つに帝王切開があるのはみなさん、ご存知のはず。 経膣分娩で出産予定でも緊急帝王切開になることもあります。突然の帝王切開は誰もが驚くことでしょう。リスクや後遺症が気になりますよね。万が一のためにも、帝王切開のリスクや後遺症の知識を知り心構えをしておきましょう。

帝王切開にリスクはあるの?

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もし経膣分娩予定だったのに、突然、医師から「帝王切開で分娩しましょう」と言われたらどうでしょうか?

大変驚きますよね。
そして不安になることでしょう。

経膣分娩よりも大変だというイメージの強い「帝王切開手術」

では何がどう具体的に大変なのでしょうか。

早速見ていきましょう。

帝王切開とは

まずは帝王切開とはどのようなものなのかご説明していきます。

簡単に言うと、経膣分娩では母子が危険と判断された場合に行われるお産の手術です。

さまざまな理由により、子宮内で赤ちゃんの元気がなくなる(胎児機能不全)や陣痛が弱くてお産が進まなくなる(微弱陣痛)等の理由で行われます。

帝王切開には大きく2つの種類がありますのでご紹介いたします。

①予定帝王切開

妊娠中から経膣分娩が難しいと判断され、手術日を決めて行うものです。

「帝王切開の流れ」について書かれているものをご紹介いたしますので参考にしてみてください。

②緊急帝王切開

分娩前や分娩中に赤ちゃんやママにトラブルが起こったときに行うものです。

ikumamaで「緊急帝王切開」について書かれている記事がありますので参考にしてみてくたさい。

帝王切開へのみんなの意見

帝王切開を経験したことがない方、身近に帝王切開をした人がいない方ですと、帝王切開ってどんなものなんだろうという思いがあることでしょう。

帝王切開を経験した方、帝王切開に対するイメージの声をご紹介いたします。
このように、帝王切開で出産する予定のママは、 陣痛がないまま出産をして母親としての自覚が沸いてくるのだろうかという疑問を持つ方や、漠然と帝王切開に対する恐怖を持っている方、悲しいことに帝王切開という出産方法に良くないイメージを持っている方もいらっしゃることがわかります。

また、帝王切開後の方で、お腹の傷の炎症に悩む方もいらっしゃいましたね。

経膣分娩を予定の方、経験した方とはまた少し別の悩みを抱えています。

上記のツイッターを見ていると、帝王切開だと多かれ少なかれリスクがあることがわかりますね。

では、実際に帝王切開にはどのようなリスクがあるのか本題に入っていきます。

帝王切開の主なリスク

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帝王切開のリスクについて説明いたします。

①経膣分娩よりも出血量が多いので輸血の可能性がある。

②手術後の感染症、血栓症等の合併症、麻酔の影響による頭痛が起こることもある。

③術後、麻酔が切れた後にお腹の痛みがある。

④経膣分娩の場合より、入院期間が1~2日長くなる。

以上のこと等が挙げられます。

みなさんは、このようなリスクがあるのにも関わらず、帝王切開を行うのはなぜだと思いますか?

リスクがあるのに帝王切開にする理由は?

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まず第一に、経膣分娩では出産が難しいとされる方が安全に出産出来るというのが最大の理由です。

昔は、心臓病等の持病がある場合は、出産を諦めなければいけませんでした。

また、前置胎盤(子宮口を胎盤が塞いでしまう)や児頭骨盤不均等(骨盤よりも赤ちゃんの頭が大きくて通れない)等、手術しなければ出産できない、または命を助けることが出来ない場合のみ帝王切開での出産をしていました。

現在は帝王切開はより安心に手術出来るようになり、逆子や多胎妊娠等、経膣分娩よりも帝王切開にした方が安心という場合もあります。

次に帝王切開のメリットについてもご紹介していきます。

帝王切開のメリット

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不妊治療でやっと授かった赤ちゃん、高齢出産なので安全に出産したい等を理由にママ側の方から経膣分娩ではなく、帝王切開での出産を希望される方もいるようです。

経膣分娩では不安を抱える方が、安全を考え帝王切開を選択するのです。

最近は帝王切開手術がより安全に手術出来るようになったため、昔のようにマイナスイメージの強い手術という認識が薄れてきています。

また、いつお産が始まるかわからないのが経膣分娩です。しかし、予定帝王切開ではお産の日を決めることが出来ます。
ご主人の仕事の関係や上のお子さんの預け先等、予定を立てやすいのもメリットです。

赤ちゃんへのリスクもある?

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ママ側へのリスクはご説明しましたが、赤ちゃんへのリスクはあるのでしょうか?

経膣分娩で産道を通って産まれた赤ちゃんよりは、免疫が弱いことがあるようです。

また、帝王切開の際に、局所麻酔ではなく全身麻酔だった場合に胎児も眠ったまま誕生することも。
そのため、赤ちゃんの呼吸が浅いことがあります。

羊水が肺にたまったまま産まれることがありますが、2~3日様子を見て落ち着くことが多いようです。

考えられる術後の後遺症

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お腹の痛み

術後2~3時間後に麻酔が切れ、この頃が痛みのピークとなります。

痛みが強い場合は鎮痛剤が処方されますので、痛みに我慢しないで看護師や助産師に伝えましょう。
傷跡の痛みは術後3日目頃には落ち着きます。

また、術後はしばらくの間、腹圧がかかったときにおなかが痛くて力が入らないこともあると思います。

縫合した糸がほどけたり傷跡が開くことはありませんので、安心してくださいね。
縫合したのは、おなかの皮膚、脂肪層、筋膜、腹膜、子宮の5層です。
傷口は術後数日でくっつきますので、普段通りの生活であれば問題はありません。

ですが、縫合した場所の引きつれ感は産後1カ月ほど残ることもあるようです。

退院後もおなかの痛みや高熱が出た場合は、産院に連絡してくださいね。

おなかの傷跡

帝王切開の際に、おなかを10センチから12センチ切ることになります。

このおなかの傷跡が赤く腫れ、みみず腫れのように盛り上がったものを「ケロイド」と呼びます。
このケロイドは、痛みや痒みを伴います。

ケロイド化する原因はまだわかっておりません。

帝王切開予定のママは、おなかの傷跡がケロイド化するのでは?と心配される方が多くいます。
ケロイドになった傷跡を治療する方法はさまざまありますので、医師に相談しましょう。

ikumamaのサイトでも「帝王切開の傷跡」について書かれているものがありますのでご紹介いたしますね。

次の妊娠に及ぼす影響

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VBACをご存知ですか?

帝王切開後の妊娠や出産には様々なリスクが伴います。

前回の帝王切開の原因が、骨盤が狭い、子宮筋腫がある等、ママ側にあった場合は次回も帝王切開になることが多いようです。

逆子や前置胎盤等、赤ちゃん側の原因であった場合、経膣分娩での出産になることもあります。

しかし、帝王切開で出産をすると次の妊娠の出産方法も帝王切開になることが多いのが現状ですし、産院側も次も「帝王切開での出産」と薦めるところもあります。

なぜ次の妊娠を帝王切開を薦めるのでしょうか。

それは、下記のような子宮破裂の可能性があるからです。
最も怖いのは子宮破裂。帝王切開の手術法や縫合に使う糸の改良などで、以前より安全にはなっているとはいえ、縫い目は他の組織より弱く、陣痛のいきみで裂けてしまうことがあるのです。子宮破裂の頻度は子宮筋を横切開で約1%、縦切開・逆T字では10%以上といわれています。
子宮破裂の危険性は、妊婦さんがそれまでに受けた帝王切開の回数や子宮切開の方法、前回の妊娠との間隔によっても違ってきますが、万一、子宮破裂を起こした場合、赤ちゃんが命を失ったり重篤な後遺症を残したり、お母さんは救命のために子宮を取ることなどが必要になってきます。
しかし、最近では帝王切開後の次の妊娠で経膣分娩を希望される方が多いそうです。

みなさんは、VBACをご存知ですか?
Vaginal Birth After Cesareanの略で、帝王切開で出産をした方が、次の妊娠の出産方法を経膣分娩にするということです。

最近では、芸能人の方でVBACで出産したことが話題となりました。

もし、VBACで出産する方法を選択したい方は、産院や家族とよく話し合ってみてくださいね。

次の妊娠時期はいつ?

経膣分娩した方は、次の妊娠は子宮の回復を待ってからの1年後に次の妊娠を考えるよう言われています。

帝王切開での分娩をされた方も一緒で、傷が治るまで1年は空けてからにしましょうと医師から言われることが多いようです。

帝王切開後の次の妊娠について詳しく書かれているikumamaの記事をご紹介いたします。

リスクを減らすためにできることは?

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上記にご説明したように、帝王切開後は、血栓症になりやすいです。

血栓症とは長時間、同じ姿勢でいると血流が悪くなり、下半身に血のかたまりが出来やすくなります。
それが血栓症と呼ばれるものです。

特に肥満傾向のある方や大きな子宮筋腫がかる方は、下半身が圧迫されやすいと言われています。

この血栓症については、産院でも予防策を講じているようですが術後は出来るだけ早くベッドの上で足を動かす等すると予防になります。

術後に初めて起き上がったり歩いたりしたときに、息苦しさや胸の痛みを感じたときは、血栓症の恐れがあります。

早めに看護師、助産師に伝えましょう。

経膣分娩にもリスクはある

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経膣分娩の方もリスクはあります。

分娩の際、母子の安全のために赤ちゃんをすぐに出さなければいけない場面があります。
その時に行うのが医療処置です。

会陰切開

分娩の際に、会陰は赤ちゃんの頭によって押し広げられ伸びますが、伸びが悪かったりすると赤ちゃんがスムーズに出てこられなくなることがあります。

無理に通過しようとすると、会陰や膣壁が複雑に避けてしまうことも。

その際に行うのが会陰切開です。
会陰を2~3センチほど切り赤ちゃんが通過出来るようにします。

産後、会陰を切っているため、しばらく座る姿勢が辛いことがあります。

吸引分娩・鉗子分娩

吸引分娩は半円形のカップを赤ちゃんの頭に当てて、赤ちゃんを引っ張り出すというものです。

また、鉗子分娩は鉗子で赤ちゃんの頭を挟み、赤ちゃんを外に引っ張り出すものです。

お産への恐怖心

経膣分娩では、陣痛に合わせてママがいきみを繰り返すことにより赤ちゃんが誕生します。

陣痛と戦う時間は個人差がありますが、初産婦だと10時間以上越えたり、医療処置を行った等、お産への恐怖心が生まれてしまい、次回の妊娠では経膣分娩を選択しない方もいらっしゃいます。

まとめ

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経膣分娩の予定の方も、予定帝王切開の方も、メリット、デメリットをよく理解しておきましょう。

出産の際に、予想外のことが起きても知識があれば落ち着いていられることもあります。

また、帝王切開は母子の安全のために行われる手術です。

ママ自身も帝王切開は必要な手術であるということを受け入れることは、とても大切です。
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