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つわりがないのも不安です!悩める妊婦さんに知っておいてほしいこと

つわりがないのも不安です!悩める妊婦さんに知っておいてほしいこと

2017年1月17日 公開

妊娠するとやってくる試練がつわり。つわりは辛いものですが、つわりがない人にはまた別の不安や悩みがついてまわるんです。ここでは、つわりがないことで悩む妊婦さんに知っておいてほしいことをまとめました。

つわりについておさらいしましょう

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妊娠すると多くの妊婦さんが悩まされるのがつわりです。
妊娠初期のつわりの症状の代表的なものとしては嘔吐、悪心、食欲不振、嗅覚が敏感になるというもの。これらの自覚症状が出てくるのは妊娠5~6週目あたりで、胎盤が完成する16週目頃まで続きます。
つわりや妊娠悪阻の原因について、日本産婦人科学会の研究報告では次のように述べています。
成因は不明であるが,妊娠初期の急激なホルモン環境,代謝の変化,環境要因の変化に対する母体の不適応状態のあらわれであるといえる.
原因についてはさまざま考えられるもののハッキリしたことは言えないというのが現状のようです。
初期のつわりとは別に、妊娠後期につわりを経験する人もいます。後期つわりの原因は明快で、子宮が大きくなり胃を圧迫することで息苦しさや吐き気を感じるというもの。初期のつわりがなかった人でも後期つわりにかかることは大いにあります。

どれくらいの人がつわりに悩んでいる?

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妊娠とつわりはセットのように語られることが多いですが、実際どれくらいの人がつわりになるのでしょうか?
日本産婦人科学会では、妊娠悪阻の研究レポートの中で「つわりは全妊婦の50~80%に発症するが,妊娠悪阻の頻度は全妊婦の0.1%前後といわれる」と報告しています。50~80%とやや開きはあるものの、つわりがない人もけっこういることがわかりますよね。

なぜつわりがない人がいるの?

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ではなぜつわりのある人とない人がいるのでしょうか?
つわりの原因がはっきりわからないのと同様にこの疑問についても明確な答えは出ていません。
よく、「専業主婦よりも仕事をしている人の方がつわりが軽い」「上の子がいる場合はつわりが軽い」などと言われますが、これは色々とすることがあって気が紛れやすいということのようです。もちろん、この説にも全ての人が当てはるわけではありません。
つわりにはまだまだ曖昧なことがたくさんあるんですね。

つわりは妊娠ごとに違う

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全くつわりの症状が出ない妊婦さんがいる一方、症状が重く妊娠悪阻と診断されて入院する人もいます。日本産婦人科学会の研究報告では、妊娠悪阻の人の割合や重症化する場合の特徴についても述べています。
妊娠悪阻の頻度は全妊婦の0.1%前後といわれる.また,経産婦より初産婦にその頻度は多いとされているが,重症化するものは経産婦に多い.季節的変動はみられない.妊娠悪阻の頻度を上げる他の因子としては多胎妊娠,妊娠悪阻の既往,妊娠中毒症の既往などがある.
全妊婦さんの0.1%には悪阻が起こるとのこと。そして重症化するかどうかにも色々な条件が関係していることがわかりますよね。つわりの程度は、個人差というよりは妊娠ごとに異なってくるようですね。

その「ちょっとした違和感」、実はつわりかも

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つわりというと、ごはんの炊けるにおいで気分が悪くなるとか、急な吐き気でトイレに駆け込むといったイメージが強いのではないでしょうか。確かにつわりのメジャーどころ(?)と言えば「食べつわり」「吐きづわり」「においつわり」あたりで、それに当てはまらなければ「私にはつわりがない?」と思ってしまいそうですね。
でも、それ以外にもつわりには色々な症状があるんです。どんな症状があるのか見てみましょう。

○よだれがたくさん出る
○頭重、頭痛
○常に眠い、急に眠気が襲ってくる
○全身の倦怠感
○気分の落ち込み、イライラ など

上記で挙げた症状は、つわりなのかちょっとした体調の変化なのか判断しにくいものだと思います。つわりの重い・軽いも人それぞれのように、つわりのタイプにも個性があるんですね。
自分にはつわりがないと思っているあなた、本当にそうでしょうか?そのちょっとした違和感がもしかしたらつわりかもしれませんよ。

つわりがない人が気をつけたいこと

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つわりがない妊婦さんには、体が辛くないがゆえに気をつけなくてはならないことがあります。ひとつひとつ見ていきましょう。

妊娠前のように頑張りすぎないで

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胎動がない妊娠初期、つわりがない人は自分が妊婦であるという実感が湧きづらくなります。すると、仕事をしている妊婦さんは妊娠前と同じように残業をどんどん引き受けたり、通勤ラッシュに飛び込んでいったりしがちに。
つわりがなくても妊婦さんの体の中では劇的な変化が起こっています。しかも妊娠初期は胎盤が未完成の不安定な時期。無理は禁物です。いつもどおりに動けるからと頑張りすぎて切迫流産などにならないよう、体をいたわることが大切です。

妊婦さんにNGなことは忘れないで

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つわりがないことで妊娠中ということを忘れてついお酒を飲む、たばこを吸う、大量の生魚などを食べる・・・と「妊婦さんにNGなコト」をしてしまわないように注意しましょう。神経質になりすぎることはありませんが、後から「あっ!」と思い出してくよくよするのは辛いものです。後悔のないよう、気を引き締めてこの時期を過ごしましょう。

つわりがないからこそ栄養管理・体重管理に要注意

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妊娠初期につわりが重くあまり食べられない人は、栄養は気にせずに食べられるものを食べるよう指導されます。その点、つわりがない人は食欲不振に悩まされることがなく快適ですよね。
しかし、妊娠中は便秘しがち・むくみがちになって体が脂肪を蓄えやすくなるため、これまでと同じように食べていると、妊娠中期までにみるみるうちに体重が増えてしまいます。妊娠中の体重は後期に一気に増えるため、初期の頃はあまり増やさないことが推奨されています。食欲に任せて食べ過ぎて体重が増えすぎるということのないように気をつけましょう。
何でも食べられることを味方につけて、栄養価が高くカロリーオーバーにならないものをすすんで摂取しましょう。

つわりがないのも悩ましい!

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つわりがない人はつわりがある人に比べて妊娠期を快適に過ごせるように思えますよね。確かに体の不調から解放されているのはありがたいのですが、一方で悩ましいこともあります。

ここで、妊娠初期につわりが全くなかった私の体験談をご紹介しますね。
まだ胎動のない妊娠初期から中期にかけては、妊娠している実感をつわりで感じることができないため、赤ちゃんに命があるのかとにかくいつも心配でした。
しかもこの時期は妊婦健診が4週に一度。次回の健診までがあまりにも長く、精神的に不安定になりました。

また、職場には仕事の引き継ぎの関係上、早めに妊娠報告をしたのですが、つわりがないために「体がラクなら大丈夫だよね」と力仕事などを任されることも多くありました。つわりはなくとも妊娠初期の大切な時期に無理な仕事をこなすのは辛いものがありました。

あくまでも私の体験談ですが、つわりがなく身体的には快適でも、精神的に悩ましい時期でした。

根拠のない噂や迷信に振り回されないで

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つわりの程度に関しては根拠の曖昧な言い伝えや迷信がたくさんあります。一体どんなものあるのでしょうか?

①つわりがないと流産になる
つわりがない人は無理がきいてしまうので、無理した結果で流産につながってしまうことはあると思います。ただし、「つわりがないイコール即流産」という説には根拠がありません。

②つわりがないと赤ちゃんに問題がある
つわりがないと赤ちゃんが障がいを持って生まれてくるとか、IQが低い子になるといった噂もあります。これは根拠のない迷信です。

③つわりの有無は赤ちゃんの性別に影響される
これもよく聞く話ですね。つわりがなかった私も周囲からよく言われましたが、「男の子だね」も「女の子だね」も言われたことがあります。いかにいい加減な迷信かがよくわかりますね。

④つわりがないと自分と性格の似た子が生まれる
友人から聞かされた話です。曰く、お母さんと赤ちゃんの性格が似ているためお腹にいても拒否反応がなく、不快なつわりも起こらないのだそう。面白い説だとは思いますが、これも迷信と言えそうですよね。

⑤つわりがひどいとお産がラク
⑥つわりがひどいと丈夫で育てやすい赤ちゃんが生まれる
これらは迷信というよりは、つわりに苦しむ妊婦さんにおくる激励の言葉でしょう。よく言われる、「つわりは赤ちゃんが元気に育っている証拠」というのも激励の一種なのだと思います。

つわりはそのメカニズムに謎が多く正解がわからないため、ちょっとした噂や言い伝えに不安になることも。でもそこは落ち着いて、その説には医学的根拠があるものなのかどうか確認しましょう。不安なら医師に聞いても良いと思います。
激励などの励みになる言葉はかみしめつつ、自分をいたずらに不安にさせる話は軽やかにスルーしてしまいましょう。

「つわりが急になくなった」には要注意

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ここまで述べてきた通り、もともとつわりがないことに問題はありません。
ただし妊娠12週未満で、それまでつわり症状が出ていたのに急に症状がなくなった場合には要注意。妊娠初期のつわりは8週〜11週がピークで、12週頃から16週頃にかけて症状はなくなっていくため、11週までに突然つわりがなくなった場合には赤ちゃんの状態が心配です。早急に病院を受診しましょう。

まとめ

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つわりは「あって当たり前」ではありません。つわりがないことで悩むのはナンセンスです。
約10か月にわたる妊娠期間中、他にも色々と大変なことが待っています。つわりくらいは「なくてラッキー」と前向きにとらえましょう。もちろん妊婦さんとしての注意点は忘れずに、ハッピーなマタニティライフをおくりましょう!