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保育園との信頼関係をこわさない『上手な苦情の伝え方』

保育園との信頼関係をこわさない『上手な苦情の伝え方』

2016年10月28日 公開

働くママにとって、保育園って必要不可欠ですよね。大切なわが子を預けるわけですから、安心して預けられる保育園であることもは必要不可欠。そのためには、保育園との信頼関係を気づいておくことは大切です。でも、、、もし、園に対する要望や苦情を抱えていたとしたら・・・?今回は、信頼関係を壊さず、上手な苦情の伝え方についてお話しましょう。

一体何に怒っているの?

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保育園に子どもを預けていると、発熱や嘔吐、怪我などがあった場合、担任保育士から連絡が来ることってありますよね。

そんな時、保育士の対応に不信感を持ったこと、ありませんか?

園でありがちな場面です。
こんな時、あなたはどう感じますか?


仕事をしていると、保育園から連絡がありました。
子どもが遊んでいる時に、脱臼した、というのです。
「これから病院に連れていくので、すぐに病院へ来てください。」と言われました。

今は、仕事の途中です。
「脱臼しやすいということは伝えているはずなのに、、、」と思いながらも、心配なので、言われるままに病院へ行くと、担任保育士が脱臼の経緯を説明してくれました。

担任保育士は、謝罪をしてくれたものの、「言い訳」のようにしか聞こえない説明に腹が立ってしまいました。

さて?この母親は何に対して怒っているのでしょうか?

・園で子どもが脱臼したことに怒っている?
・脱臼したときの保育園の対応に怒っている?
・担任保育士の言い訳態度に怒っている?

上手に苦情(あなたが怒っているポイント)を相手に伝えるためには、自分が今何に一番怒っているのかを見つけることが大切です。

苦情は「怒ったまま言わない」ほうがうまくいく

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苦情は「苦しい事情」と書くように、元々は「難儀な事情」を意味した言葉。
転じて、害を受けていることに対する不平不満の気持ち。また、その気持ちを相手に伝えることや、その言葉をいう。
対象となる事象が、本来あるべき姿と異なることを伝えるというよりは、その事象に対して腹が立つ感情を伝えることを表す。
ということは、苦情を言う時には「伝える」ことに重きを置いて、コミュニケーションを取らなければならないのです。
あなたの苦情の目的は、相手を打ち負かすことではありません。
「難儀な事情」のある状態を解決する為に、より良い方向に向かわせるために、お互いが気持ちよく関係を続けてていくために、「自分の感情と欲求を伝える」ということが目的のはずなのです。

「怒り感情」に振り回され、怒ったままの状態で苦情を言ってしまうと、本来の目的を達成することが難しくなってしまいます。

つまり、あなたが苦情を言う時のポイントは、「怒ったまま苦情を言わない」ようにすることなのです。

苦情を整理して相手に伝わりやすくする

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次に紹介する3つのステップを踏んで、苦情を整理していきましょう。
この作業をすることで、「怒っている」状態ではなく、落ち着いて苦情の目的を伝えることができるのです。

1、何に怒っているのか明確にする
2、自分の第一次感情を見つける
3、「私は」メッセージで伝える。

この手順を踏んで、苦情を伝えることで自分の要求が伝わりやすくなり、解決する確率が高くなりますよ。

では、先ほど紹介したエピソードを使って整理をする練習をしていきましょう。

1、何に怒っているのか明確にする

Free photo: Graffiti, Painting, Girl, Art, Wall - Free Image on Pixabay - 1559161 (1983)

この母親が一番許せないのは「保育士のいい訳」だと仮定しましょう。

確かに、脱臼しやすいことを伝えていたはずなのに、気を付けてもらえなかったことにも腹が立ちます。
そして、こちらの都合も考えず、仕事中に呼び出されたことも腹が立ちます。
でも、一番腹が立っているのは、保育士の「言い訳」
どんな状況にあったにせよ、子どもが脱臼していることは事実なのだから、それに対して自己防衛的な「言い訳」を前面に出すのはいかがなもんなのか?

ここで、1つ目のステップ達成です。

何に怒っているのか明確にする
→保育士の自己防衛的な「言い訳」に対して怒っている。

2、自分の第一次感情を見つける

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ここで少し「怒り」の仕組み見ついてお話しておきます。

私たちは何故「怒り」の感情が湧き起こってくるのでしょう?
ここを理解しておかないと、実は冷静に苦情を伝えることはできないのです。

苦情を言いたくなる背景には「怒り」が関係しています。
その「怒り」は、第二次感情と言われています。

「怒り」感情が湧き起こる前段階に、第一次感情があるのです。

あなたの心の中に、コップがあるとイメージしてください。

そのコップには、ネガティブな感情の水が溜まっています。
毎日の生活の中で、「不安」「心配」「辛い」「疲れた」「悲しい」「淋しい」などネガティブな感情が沸き起こったとき、コップの水が増えていくのです。

そのコップの水がいっぱいになって溢れ出た時に、怒りの感情が湧き起こり、怒りの行動となって表に現れてくるのです。

つまり、「怒り」感情の裏側にかくれている第一次感情を見つけて、そこをサポートしていかないと「怒り」はおさまってくれないのです。

では、エピソードの母親の第一次感情は何?

彼女の第一次感情は、信頼していた保育士のいい訳に対する「不信感」「裏切られた感」。
もしくは、その行動に対する「残念感」「悲しさ」と言ったところでしょうか?

ここで2つ目のステップ達成です。

自分の第一次感情を見つける
→「不信感」「裏切られた感」「残念感」「悲しい」

3、「私は」メッセージで伝える

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さて、最後にあなたがすることは、相手に伝わる苦情を実践することです。

ステップ1、ステップ2で見つけた答えを盛り込んで「私は」メッセージで伝えていきます。

「私は」メッセージとは、相手を責める言い方ではなく、自分を主語にして、事実に対して自分が感じたこと(第一次感感情)、自分がどうしてほしいのか(欲求)を伝える方法です。

ちなみに、「私は」メッセージとは逆の伝え方が「君が」メッセージです。
「君が」を主語にするので、相手は自分が責められている印象が強くなってしまいます。

「先生が、うちの子を脱臼させたのに、いい訳ばかりして不愉快だわ」

これだと、今後いい関係を築いていくのは難しそうですよね。

「私は」メッセージで伝えるとしたら

事実に対して自分が感じたこと(第一次感情)
→不信感、裏切られた感、残念、悲しい

自分がどうしてもらいたいのか(欲求)
→「いい訳」ではなく、今後どう対応していくのかについて聞かせてほしい。

これらを整理して言うとしたら
「私は、子どもが脱臼したことに対して言い訳されたことがとても残念です。先生をとても信頼していたのに裏切られた感じがして悲しい気持ちでした。」

ここまでが、第一次感情を伝える言葉です。

「私は、いい訳ではなく、今後どのように対応してくれるのかが聞きたいので、教えてもらえますか?」

こんな感じで欲求を伝えてみてはいかがでしょう?

まとめ

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お互いにとって、今後の関係が建設的な方向に向かっていけるような苦情の言い方を身に付けると、あなたにとっても、お子さんにとっても、心地よい生活を送ることが保障されるのです。

働くママにとって、保育園とのより良い関係は、子どもの健やかな育ちを支える条件です。
ママも子どもも、ハッピーライフを送るために上手な苦情の伝え方を知っておくことは大切ですよ。