体外受精の費用やリスクって?男女別スケジュールと流れまとめ

体外受精とは、いったいどんなものだろう。通院頻度や費用を含め、始める前に知っておきたいことをまとめました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  •  
  •  

2017/02/17 公開 | 345 view

体外受精の費用やリスクって?男女別スケジュールと流れまとめ

体外受精とは?

子宮内部図解

子宮内部図解

夫婦生活をもつことで膣内で射精された精子が、膣、子宮、卵管と泳いで上っていきます。
そして卵管の先端(卵管采)に行きついたところで生殖能力をもって卵子を待ちます。その間に、卵巣にできた卵胞がはじけて出てきた卵子が卵管采に取り込まれれば、精子と出会えて受精となるのです。

この過程のどこかで阻害する要因がある場合、
① 子宮頚管に溜まる粘液に攻撃を受け、精子が子宮内に侵入できない
② 卵管に詰まりがあって、精子が卵管采まで上れない
③ 精子が卵管采にたどり着くほどの数を有していない(精液中の精子数が少ない・運動率が低い)
④ 卵管采が卵胞から出た卵子を拾えない(キャッチアップ障害)
など、
「精子と卵子を出会わせてあげる」ことが必要になります。

そのために用いるのが、体外受精です。
手術で卵巣から卵子を取り出し、マスターベーションで得た精液を振りかける(または卵子に針を刺し、精子を中に入れてあげる=顕微授精)ことを体外で行うことから、『体外受精』と呼ばれるようになりました。

体外受精の歴史はまだ新しく、世界で初めて体外受精で命を授かった子どもが、現在38歳です(1978年・英)。
まだ40年に満たない技術ですが、この高度生殖医療はその需要に応えるべく進化・発展し、今や日本で生まれる赤ちゃんの23人に1人が体外受精児だというデータもあります。

体外受精の方法

体外受精

体外受精

男性はマスターベーションで精液(精子)を体外に出すことができますが、女性は卵子を自力で体外へ放出することができません。
(精管の閉塞による無精子症などの場合、男性も手術をして精子を取り出すことがあります)
そこで女性の場合、卵巣から卵子を取り出す手術が必要になります。

膣に入れたエコーに沿わせて細い針を入れ、膣壁を貫いて卵巣に直接針を刺します。詳しくは、卵巣の表面にできた卵胞に直接針を刺し、卵子を吸い出すという事を行っているのです。
これを、「採卵」といいます。

体外に取り出した卵子に精子を振りかけ、精子が自力で卵子内に侵入するのを期待する方法を「体外受精」といいます。
精子数が非常に少なく貴重である場合や、ふりかけただけでは精子が卵子に侵入できない場合などは、元気に動く精子を顕微鏡下で吸い込んだ針ごと卵子に刺し入れてあげます。こちらを「顕微授精」といいます。

1つだけ精子が入り数時間たつと精子が雄性前核を作り、受精が確認されます。その後、細胞分裂が始まり良好であることが確認できたところで、培養液とともに受精卵を子宮内へ細いチューブで挿入します。これを、「胚移植」というのです。

この一連の流れを大きくまとめて、体外受精といいます。

体外受精の流れ(卵胞期)~採卵

Free illustration: Syringe, Pill, Bottle, Morphine - Free Image on Pixabay - 1884784 (37370)

採卵は、月経から排卵までの卵胞期の管理が重要です。

月経が始まると同時に、脳下垂体からのホルモンが卵巣を刺激し、卵巣の表面に卵胞(卵を入れた袋)があらわれます。良好な卵子を得るためにこの期間はとても重要で、卵子が卵巣の中で成熟していく過程を調整しながら診ていかなければなりません。

その卵胞期の管理方法には、大きく分けて2つあります

刺激法

たくさんの卵を成熟させ採卵することで妊娠率が上がると考え、従来から、ショート法・アンタゴニスト法・ロング法などの刺激法が行われてきました。排卵誘発剤などの薬を使うことで卵をたくさん育てたり排卵をコントロールするのが特徴です。

メリットは、1度に多くの卵を得ることができる点であり、デメリットは毎日注射に通う必要があることや(自己注射という方法もあるが高価である)卵巣過剰刺激症候群になるなど、体に負担がかかる場合があるということです。

自然周期

できるだけ薬を少量に抑え、本来体内に存在しないホルモンであるhCGに関連した製剤を使用せず、 自然に近い状態で排卵を促す方法を自然周期といいます。
自然周期には全く薬を使用せず自然の状態で採卵する「完全自然周期」と、多少の薬を使用する「低刺激周期」の2種類があります。

メリットは、卵巣への負担を最小限にすることで休むことなく治療を続けられるという点であり、デメリットは1度の採卵で多くの卵を得ることが難しいことです。採れる数が少ないので、どうしても空砲だったり受精しなかったりで、移植が出来ないリスクが高いようです。しかし、卵が採れる数が少ない分、質が良いとされています。
自身がメリット・デメリットを理解し、卵巣年齢や卵巣の状態からいづれの方法が適応かを担当医が判断し、どちらかの方法で排卵までを経過をみてゆきます。
その人の状態や今までの結果などによって、刺激周期と自然周期のどちらが合うのかを選択するのが通常ですが、病院によっては刺激周期がメインの病院と自然周期がメインの病院があるので、病院を選ぶ際にも知識が必要です。
片方しかやっていない病院で結果が出ない場合は、転院を考えた方がよいでしょう。

自然周期と刺激周期のどちらが合うかというのは、やってみないと分かりません。それぞれにメリットやデメリットがあり、その人の体やライフスタイルにおいても合う人合わない人がいるので、どちらが良いとは正直、一概には言えません。

大金を使って治療に臨むからには、自身が納得する方法で挑むのが一番良いと考えます。
こうして、卵胞期の管理を行った後、排卵直前の成熟した卵子を「採卵」という手術で取り出します。
膣からエコーを挿入し、それに沿わせて採卵の針が入ります。そして、膣壁を貫いて卵巣の表面にできた卵胞に直接針を差し入れ、卵胞液とともに卵子を吸い出していきます。
最新の病院では、非常に細い採卵の針を用い、手術による体への負担を軽減しているところもあります。そういった病院では、無麻酔で採卵を受けられ、術後はすぐに元気に帰宅することが可能です。

取り出された卵は、精子と出会わせます。
精液データに問題がなければ、直接振りかけますが、
① 抗精子抗体が強い陽性を示す場合
② 精液中の精子数が少ない、または運動率が低く、元気にまっすぐ泳ぐ精子が貴重な場合
上記2点に当てはまる場合などは、顕微鏡下で卵子に精子を刺し入れる顕微授精を用いることになります。

そして翌日、受精が確認できた受精卵は、移植に向けて準備を始めるのです。
54 件

関連する記事