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お彼岸とは?今さら聞けない「お彼岸」の意味やお供え物について知っておこう!

お彼岸とは?今さら聞けない「お彼岸」の意味やお供え物について知っておこう!

2017年7月30日 公開

「お彼岸とは何?」そう子供に聞かれて、皆さんは正しく答えられますか?日本独自の文化や風習は、学校では詳しく教えてくれるものではないので、意外と正しい知識を知らない方も多いと思います。親子で恥をかかないためにも、是非この機会に「お彼岸とは何なのか?」について学んでおきましょう。

お彼岸とは?知っておきたい意味や由来について

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お彼岸には「お墓参りをするもの」ということはご存知の方も多いと思いますが、何故お墓参りをするのか?など、理由についてまでご存知の方は少ないと思います。
お彼岸とは、そもそもどのような意味があるのでしょうか?

お彼岸とは、仏教用語。サンスクリット語のパーラミター(波羅蜜多)が語源とされていて、「パーラミター」=到彼岸。つまり、煩悩や悩みを越えて到達する悟りの境地のことを言います。

逆に、煩悩や悩みに溢れた私達が住む世界を此岸(しがん)と言って、此岸にいる者が「布施」「持戒」、「忍辱」、「精進」、「禅定」、「智慧」の6つを修業することで、彼岸に行くことができるとされています。

お彼岸そのものは、このように仏教の教えから来たものですが、お墓参りをする風習自体は、日本独特の文化なんだそうです。

お彼岸の時期はいつ?

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お彼岸は、3月と9月の年に2回あります。よく「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますから、季節の節目である、春と秋に行われます。その目安となるのが「春分の日」、「秋分の日」です。今では、この春分の日、秋分の日を中日として、前後3日間を合わせた7日間のことを「お彼岸」の期間とし、お墓参りに訪れるようになりました。

これまで単なる国民の祝日としか思っていなかった方も、「春分の日」「秋分の日」にご先祖様に会いに行ってはいかがでしょうか?お盆のような特別な準備は要りませんので、あまり気負わずに、家族揃ってお墓参りに行きましょう。

お彼岸にお参りするのは何故?

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先にも述べたように、お彼岸にお墓参りをするのは日本独自の文化です。では何故、日本ではお彼岸に墓参りをするようになったのでしょうか?

日本には、古来より農耕儀式や自然崇拝の考えがありました。特に、種まきをする春や収穫をする秋には、五穀豊穣や安全を、ご先祖様や神様に祈願しました。このような慣習の名残から、年に2回春と秋に、お墓参りをすると良いと考えられて来たようです。

また、日本には、「神道」と言って、どんな物にも神様が宿るという考えがあり、太陽も神様として崇められていました。そこに仏教の「西方浄土」の教えが伝わったことで、太陽が最も真西へ沈む(西方浄土)春分・秋分の日に先祖を供養するのがよいと考えられるようになったのではないかという説もあります。

要するに、お彼岸は、仏教の教えと、日本独特の考え方が融合して出来た風習だということですね。

お盆との違いは?

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お彼岸と同じように、お墓参りをする日といえば、「お盆」がありますよね。どちらも、現代の日本においては先祖供養をする大事な日となっていますが、一体どんな違いがあるのでしょうか。

「お盆」は、地域によっても異なりますが、8月に行われますよね。お盆の考え方は、ご先祖様の魂がこの世に帰ってくる日とされていますので、あの世から私達のところまでやってきてくれるのをお迎えし、供養し、そして再び送り出すのが一般的です。

これに対し、「お彼岸」は、1年の中でこの世のあの世が最も近くなる日とされているので、私達がご先祖様の元に出向いて、供養をする、という違いがあります。「お彼岸」と「お盆」。似ているようで全く異なる風習だったんですね!

お供え物は何がいいの?

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お彼岸の時期には、仏壇を掃除し、お団子やお花などをお供えするのが一般的です。他には、故人の方が好きだったお酒や果物を供えるのも良いですね。

◆「おはぎ」と「ぼたもち」の違いは?

よくお彼岸の時期になると、スーパーにはたくさんの「おはぎ」が並びますよね。これって「おはぎ」?「ぼたもち」?なんて疑問がよくありますが、基本的にはどちらも同じ物。呼び方が季節によって変わるのです。

春には「ぼたもち」、秋には「おはぎ」と呼びます。ぼたもちは、春の牡丹の季節に食べ、おはぎは秋の萩の季節に食べるということから由来してこのように呼び名が変わるんだそうですよ!

◆「おはぎ」と「ぼたもち」あんこに違いがある?

実は、「おはぎ」と「ぼたもち」の違いは、呼び名の違いだけではありません。なんと「あんこ」についても違いがあるんです!

秋のお彼岸の「おはぎ」には「つぶあん」を、春のお彼岸の「ぼたもち」には「こしあん」を用いるのが一般的。何故かというと、秋のお彼岸は小豆の収穫期と重なるので、
やわらかい小豆を皮のままつぶして「つぶあん」にするからです。

一方、春のお彼岸は、年を越してかたくなった小豆の皮を除く為、「こしあん」になるのだそうです。加えて、大きさも関係していると言う説もあります。
牡丹の花は大きいので「ぼたもち」は大きく、萩の花は小さいので「おはぎ」は小さめに作られるようになったなどとも言われています。

最近は、このような大きさやあんこの違いは、あまり感じませんから、好みによって購入する方も多いと思いますが、お菓子1つをとっても、こんなに様々な説があるとは驚きですよね。

◆何故「おはぎ」や「ぼたもち」を供えるの?

何故お彼岸には「おはぎ」や「ぼたもち」を供えるのでしょうか。これにもきちんとした理由があります。

おはぎやぼたもちに使われているお砂糖は、昔はとても貴重な食材でした。特に、江戸時代の初め頃は、超・高級品だったので、当時は、そんな砂糖を使ったおはぎやぼたもちは、贅沢スイーツでした。その為、特別な日や、大切な人へ振る舞う食べ物とされ、ご先祖様へのお供え物として用いられたんだそうです。

また、おはぎやぼたもちに使われる、小豆の赤い色には、「魔除け」の効果があると信じられていたので、邪気を払う食べ物として先祖様への供養に使われていたとも言われています。

彼岸花とお彼岸の関係

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お彼岸と聞くと、思い浮かぶのは赤く咲いた「彼岸花」。お彼岸の頃になると、咲くお花なので、「彼岸花」と名付けられただけで、お彼岸と直接の関係はないようです。しかし、田舎のお墓に行くと、やたらお墓の周りに咲いているので、何だか「気味が悪い」などと不吉なイメージの強いお花ですよね。

実際、彼岸花は異名が非常に多く、例えば茨城や埼玉では「狐花(きつねばな)」、福島や大分では「死人花(しびとばな)」、神奈川では「じゅずばな」、山口では「どくばな」など各地に400以上の方言があるともいわれています。

◆お墓の周りに咲いているワケは?

お墓の周りに咲いている彼岸花ですが、これは自然に咲いているのではなく、昔の人の知恵で、わざと墓地の周辺に彼岸花の球根を植えていたのです。

現代の日本では、ご遺体を火葬して埋葬するのが一般的ですが、昔は土葬の方が多かったんだそうです。土葬の場合、土の中のモグラやネズミが、ご遺体に悪さをしてしまう恐れがある為、球根に毒がある彼岸花をお墓の周りに植えて、モグラやネズミが寄りつかないようにしたんだそうです。

恐らく、それが今も根付いて、墓地の周りに咲いていることが多いのではないでしょうか。

◆不吉な異名が多いワケは?

前述の通り、彼岸花の球根には毒が含まれていた為、子供達が触らないように遠ざける為、不吉なイメージのする異名が付けられていたとされています。しかし、これにもまた深い理由があり、子供達を毒から守るためだけでなく、子供達が彼岸花を抜かないようにする為だとも言われています。

彼岸花は、お墓の周りだけでなく、田んぼの畦道や小川の土手にも多く咲いています。それは、モグラやネズミが田んぼを荒らさないようにするためです。球根の毒を嫌って、モグラやネズミは近づきませんから、自然と大切な田んぼを守ることが出来たのです。

田んぼを守る為の役割も担っていた彼岸花。これを子供達のいたずらで、引っこ抜かれないように、不吉なイメージの言葉と結びつけ、子供も遠ざけていたんだそうです。

まとめ

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いかがでしたか?日本独特の風習である「お彼岸」。こうしてみると、ご先祖様を大切にする日本人ならではの気持ちが根強く残っているのだなと思いますよね。

今までなんとなくお墓参りをしていた方も、それすら行っていなかった方も、日本に生まれ、日本人として育ったのであれば、こういった古くからの風習や文化を大切にし、子供達へ受け継いで行って欲しいなと思います。今年は是非、そんな気持ちで親子でお墓参りに訪れてみてはいかがでしょうか。