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妊活には運動も大切だった!意外と知らない運動の効果

妊活には運動も大切だった!意外と知らない運動の効果

2016年12月29日 公開

妊娠力の高い体づくりにはバランスのとれた食事と適切な運動が欠かせません。食生活を改善し、サプリメントで栄養を補給したら、その栄養満点の血液を全身に送り込むと努力の成果が実りやすくなります。妊活中の方は、栄養に気を付けるだけでなく、運動習慣も身に着け、血液の流れが良い体を保つように心がけましょう。不妊治療クリニックの現場で実施されている運動指導をお伝えしていきます。

出産年齢の高齢化

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女性の社会進出に伴い晩婚化が進む日本では、女性の第一子出産年齢は上昇し続けています。平成23年には30歳を超え、35歳以上の出産は「高齢出産」になります。

高齢出産になると単に妊娠しづらくなるだけでなく、流産・早産のリスクや子どもが障害を持つリスクも高まってしまいます。まだ、結婚の決まっていないような若い年齢でも、栄養バランスのとれた食事と運動を習慣にすることで体年齢を若く保ち、妊娠に向けて身体の準備をしておくことがとても大切になってきています。

慢性的な運動不足も不妊の原因!?

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生活が日々便利になっていく中で、男女問わず運動不足が深刻化しています。
職場やスーパーのドアは自動ドア、階段は使わずエスカレーター、洗濯は洗濯機が、床掃除はロボットがやってくれる時代。
昔は自らの手で、体を使って行っていた日常動作が徐々に自動化し人間の体はラクを追い求め、気が付けば体力は衰えています。

たまに階段を使うと息が切れてしまう、雑巾で床掃除すると腰がつらい、一日の仕事を終えるとぐったりしてしまいやりたいことができない・・・これは体力の低下に他なりません。

では、そんなに体が疲れているときに赤ちゃんを授かったら?赤ちゃんが生まれたら?
自分のことで精いっぱいの体で育児をするのはとても大変です。
妊活は、赤ちゃんを授かることを目標にするのではなく、元気な赤ちゃんを生み育てるまでを目標に体づくりをすることを目標にしましょう。

運動すると何でいいか一言で言えますか?

最近ではメディアでも健康に関する情報が溢れていますが、どの情報も言っていることは同じ。
「健康な体には、栄養と休養と運動が大切」
これは病気の予防でも、ダイエットのためでも、アンチエイジングのためにも、もちろん妊活のためにもみんな共通です。

では・・・なぜ運動するといいのでしょうか?一言で言えますか?
運動療法を受けに来られた患者さんに質問すると意外と答えられません。漠然と「運動は体にいいから。。。」と思って来ている方がほとんどです。

妊活中の運動の効果をご紹介していきます。

妊活女性に嬉しい運動の効果

体温上昇!血流改善!

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不妊に悩む女性の多くは年間通じて「冷え」を感じている女性が多く、酷いと平熱が35.0℃台の低体温症の方もいます。これは日常の血流の悪さが原因であることがほとんどです。

特にこの時期は、手足の先端が冷たくなっている人が多いようで、これは内臓の冷えからきています。

普段から座っている時間が長く、運動不足で背中を丸めたような姿勢が続いていたり、冷たい飲み物や食べ物をよく食べていたりすると内臓が冷えてしまいます。
内臓温度が下がると、機能が低下してしまうので、脳は慌てて内臓に血液を集めるように全身に指示を出します。すると、体は末端の手足に張り巡らされている毛細血管から閉じていき、内臓に血液を集めようとするのです。こうして手足がいつも冷たい状態になってしまいます。

運動をすると、全身の筋肉が縮んだり弛んだりを繰り返すので、筋肉の周りに張り巡らされている血管がもまれ、血液を押し流し、流れが速くなります。
血液の流れが速くなると体内で生産される熱量が増えるので体温が上がり、当然内臓へも血液がたくさん送り込まれるので、末端の手足まで血液がいきわたるようになるのです。

栄養の吸収率が上がり、ホルモンバランスも整う!

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妊娠しやすい体づくりには食事のバランスやサプリメントによる栄養療法が必要不可欠ですが、その摂取した栄養を運んでいるのも血液です。

運動で血液循環を良くすることで、摂取したビタミンやたんぱく質が各組織へ効率よく運搬され、効果や成果が表れるのが早くなります。

また、血液にはホルモンも溶け込んでいるため、ホルモンバランスが乱れて体調不良を引き起こしやすかったり、情緒不安定になりやすい傾向の方にも血液の流れを整えてホルモンの運搬をスムーズにするのはとても大切です。

骨盤内の血流アップで子宮・卵巣の機能改善

大宮レディスクリニック 〜妊娠しやすい体質づくり〜 - ピルビスワーク〜骨盤運動療法〜のススメ (12974)

運動する中でも、妊活女性が特に動かしたい場所は骨盤周辺。
女性は骨盤が小さい上に生殖器が体内にあるため、骨盤の中は、大腸・小腸・子宮・卵巣・膀胱・・・と重要な臓器がひしめき合っている状態。座りっぱなしや猫背姿勢が続くと、骨盤内の血流は滞りがちに。血液が不足すると、子宮・卵巣周辺が貧血状態になるため、排卵痛や月経痛の原因になったりもします。

骨盤を動かすと骨盤を支えている大腰筋や腸骨筋という筋肉がたくさん動かされるため、血液が集まり、子宮、卵巣へも血液がたくさん届くようになります。

産後のための体力づくりに役立つ!

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妊活をして、赤ちゃんを授かり、無事に出産・・・!とても幸せな瞬間。いつまででも抱っこしていたいですよね。そして、ママの愛情を受けて赤ちゃんは毎日元気に成長し、日々重たく、動きが大きくなっていきます。。。つまり、産後が一番体力が必要なのです。

妊活から妊娠中、出産で体力を使い果たし、育児のときにはヘロヘロ・・・なんてことの無いように、赤ちゃんを迎える準備の中の一つにママの体力づくりも考えましょう。

妊活中にはやらない方がいい運動もあります

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運動をしなさいと言われると、毎日ジョギングしたり、筋力トレーニングをしていたらいいのかというとそうではありません。

特に妊活中の女性は運動の種目にも注意が必要です。

不妊に悩む女性の血液検査を行うと、ほとんどの女性が「鉄欠乏」です。
フェリチンという貯蔵鉄の成分が著しく少なくなっていて、慢性的な貧血状態。

赤ちゃんが宿る子宮は温かな血液のベッドで子宮内膜が豊かであることが理想とされていますが、貧血状態が続くと、血液のベッドが薄くなり、妊娠力に影響します。

そんな貧血状態の女性が
「運動しなくちゃ!」
と焦ってジョギングするのもよくありません。

ジョギングのときの着地の衝撃で足裏に集まった血液の赤血球が壊れてしまい、更なる貧血を引き起こします。

そのため、「そろそろ赤ちゃんが欲しい。。。」と考えている女性は、ジョギングは控えるようにして下さい。

妊活中にやるべき運動

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では何をしたら良いのか。まずは骨盤周辺の血流を良くするようなストレッチや、誰でも気軽にできるウォーキングです。

ストレッチは運動不足で使われていなかった筋肉の硬直を取り除き、関節の動きを蘇らせるために必ず取り入れるべき運動です。運動が苦手・・・という女性でも自宅でカンタンにできるので習慣にしやすいようです。

現在、不妊治療クリニックで実際に患者さんに運動療法として実施しているピルビスワーク(骨盤呼吸体操)はとても気持ちが良い!疲れがとれる!体が柔らかくなった!と評判です。

また、ウォーキングは血液循環を上げる有酸素運動としてはからだへの負担も少なく、妊活女性にはとってもオススメです。のんびり30分~40分かけて歩くのも良いですし、妊活女性に効率よく妊娠力を上げるウォーキング法もあります。これはまた別記事でご紹介しますね。

ウォーキングのほかにも、妊活中におすすめの運動はたくさんあります。例えば、ヨガなど。手軽に始められますし、ストレス解消にも効果的ですね。こちらの記事を参考に、まずは手軽に始められるポーズからチャレンジしてみてくださいね!

まとめ

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妊娠力を高めるためにはとにかく血液の流れを良くすることが大切です。

質の良い卵子を育てるには、たくさんの栄養と酸素が必要ですし、赤ちゃんが着床する子宮内膜は血液のベッドでふかふかにしておきたいところ。

月経周期が不安定だったり、月経痛を感じている方、採卵が困難、なかなか着床しない・・・という方は、もしかしたら血流の改善が解決の糸口になるかもしれません。

1日5分〜10分でもお風呂上がりにストレッチをするようにしたり、エスカレーターではなく階段を使ってみたり、窓拭きや床掃除もいつもより動きを大きくしてやってみると立派な全身運動になります。

血液の流れを良くすることで温かい体を作り、妊娠しやすい体を作りましょう。

妊活中の運動は大事ですが、食事内容にも気を付けて。妊活中におすすめな食事や飲み物が知りたいなら、こちらの記事がおすすめです。できることから始めてみてくださいね!