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子供の救急に備えて!焦らず対応するためのマニュアル

子供の救急に備えて!焦らず対応するためのマニュアル

2016年12月5日 公開

いつ訪れるか分からない緊急事態。その中に、子供の救急もあります。いざとなると、心配のあまり気が動転したり慌てたり焦ったりして正しい処置が出来ないこともありますよね。特に、はじめての育児では分からないことだらけです。すぐに病院に受診した方がいいのか?救急車を呼ぶレベルなのか?その判断方法をご紹介します。

子供の様子がおかしい!そんな時は…

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育児をしていると、突然の事態に悩まされることが多々あります。その中で、子供の救急に対応する方法、処置する方法を間違える事もありますよね。
正しく処置しないと命に係わる事もあります。また、その逆に、問題ないのに救急車を呼んでしまう、といった間違いも起こり得ます。

正しい知識をもって、慌てず焦らず、子供の容態を確認しましょう!
すぐに受診した方がいいのかの判断材料にもなりますので、心に留めておきましょう。

熱が出たとき

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大人よりも平熱の高い子供。さらに泣いたり、眠たかったり、機嫌が悪かったりすると少し熱は高くなります。
子供の平熱は『37.4℃』までは平熱だと考えて良いでしょう。

発熱に気付いたら家庭で出来る事は、まず氷枕や冷却シートで冷やしてあげる事。冷やす時には、頭、首の後ろ、両わき、股の付け根などを冷やすと効果的です。しかし、冷やし過ぎには注意しましょう!
ぬるま湯でしぼったタオルで身体を拭いてあげると緩やかに放熱し、熱が下がっていきます。

熱が少し(37.5~38℃)あるが、普段通りに遊んでいたり、すやすや眠っているようであれば様子を見て、診療時間内に受診しましょう。

熱が高く(39℃以上)不機嫌、嘔吐・下痢が続く、けいれんがなかなか止まらない、呼吸がおかしい、といった症状がある時は、すぐに病院で受診しましょう。
生後3ヶ月未満の乳児の場合は、高熱が出た時点で病院へ行きましょう。

高熱が出た時には、どんどん水分が失われます。子供用のイオン飲料や薄めたお茶などを少しずつこまめに飲ませるようにしましょう。熱が下がっても、呼吸がおかしい、機嫌が悪いなどの症状がまだあるようなら診察を受けましょう。反対に、すやすや眠り始めたり、機嫌が良くなるようなら様子を見て、診療時間内に診察を受けるようにしましょう!

けいれん(ひきつけ)を起こしたとき

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けいれんとは、急に身体の一部または全身をピクピクさせたり、意識がなくなって目が固定してグーッと突っ張ったりすることを言います。その時には、白目になったり、呼びかけても反応がなかったりします。突然の事態に気が動転する事が多いのがこのけいれん(ひきつけ)。様子を見ていても問題ない場合がありますので、まずは落ち着いてしっかり子供の様子を確認しましょう!

けいれんに気付いたら、慌てて抱き上げたり、ゆすったり、頬をたたいたりしないで下さい。けいれんによって舌を噛む事はないので、口に物を入れるのも誤飲の原因になり得ますので絶対にやめましょう。
様子を見て、注意するポイントは『けいれんに気付いた時間』『熱、目つき、手足の動き、吐き気などおかしいところはないか』『けいれんが続いた時間』この3つです。体感時間では、不安な時にすごく長く感じてしまうため、時計を見て正確に測りましょう!

けいれんが一度だけで数分以内におさまる、目を開けて呼びかけに反応したり泣いたりする場合は、様子を見て診療時間内に受診しましょう。
静かに寝かせ、衣類が苦しくないようにゆるめてあげるのも効果的です。けいれんの際に吐いてしまうと喉に詰まらせとても危険です。顔を横に向けるようにしましょう。けいれんが終わっても、すぐに飲み物や食べ物をあげないようにしてください。

けいれんが10分以上止まらない、一旦止まっても繰り返す、意識が15分以上回復しない、激しい嘔吐をともなう、けいれん後に手足に麻痺が残る、一度眠っても目が覚めた時にいつもと様子が違う、という症状がある時はすぐに病院で受診しましょう。
高熱の際のけいれんで、はじめてで、長時間続くような時も同様です。

高熱の際に震えている時は、反応するかどうかを確認してください。ただ熱で震えているだけで、けいれんを起こしているわけではない時があります。また、強く泣いて顔色が悪くなり、身体が硬直したようになるのは、泣き入りひきつけと言います。これは、本当のけいれんではなく、様子を見ていて問題ないです。しばらくすると回復するので、心配はいりません。

発疹・湿疹が出たとき

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発疹が出たら、どんな発疹なのか、かゆがるか、痛がるか、を確認しましょう。発疹の形もよく観察してください。小さい赤みのものか、いろんな形をしたものか、発疹の広がり方はどうか、といったものも見るようにしましょう。また、言葉で説明するのが難しい場合には写真を撮って、それを小児科医に見せましょう。

発疹のみ、じんましんは様子を見ていて大丈夫でしょう。じんましんは、食べ物が原因となることもありますが、原因の多くは未だ不明です。出る場所によって大きさや形が違い、薄い紅色で盛り上がった発疹がじんましんです。

発疹がどんどん広がっていったり、かゆみが強いもの、発熱をともなう、ゼーゼーという呼吸をする、という症状がある場合にはすぐに病院で受診しましょう。

じんましんでも、強いかゆみがないものや発疹が数個しかない場合は、家庭で患部を冷やして様子を見ましょう。じんましんが出ている場合は入浴は避け、優しく拭いてあげるようにしましょう。

全身のアレルギー反応が起こったとき

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じんましん、アトピーなどのアレルギー反応は身体の一部に起こりますが、全身にアレルギー反応があるものを『アナフィラキシー』といいます。これは、生命の危機にかかわる場合があるので、迅速な対応が必要です。

アナフィラキシーが起こる可能性がある時は、何かを食べたり飲んだりした後、ハチやクラゲに刺された後などです。毒蛇に噛まれた場合にもアナフィラキシーを起こす可能性があります。
これらの可能性がある時に、皮膚のかゆみ、じんましんが起こったり、口の中のかゆみや違和感、嘔吐、腹痛、下痢、咳、呼吸困難などを引き起こしたりする際にはアナフィラキシーを疑ってよいでしょう。また、皮膚蒼白や冷や汗、手足の冷えや頻脈・不整脈、意識障害や眼球充血などが起こることもあります。

食べ物によるアナフィラキシーは全身の強いアレルギー反応を起こします。これらのような症状が現れた場合はすぐに病院で受診しましょう。
その他の原因で起こるアナフィラキシーも、軽い症状であっても常に悪化に注意し、必ず受診しましょう。
アナフィラキシーは軽症でも危険です!

出血したとき

切り傷のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや (8054)

出血した時は、何が原因で出血したのかを確認しましょう。また、止血するまでの時間や、出血のしかたを観察しましょう。
出血したがすぐ止まった、浅い(軽い)傷、鼻血などは様子を見ましょう。

15分押さえても止血しない、拍動性のある出血のしかた、鼻血が30分以上続く、傷が深い(大きい)、細かなガラス片などや汚れが取れない場合は、すぐに病院で受診しましょう。
ナイフやガラスなどが深く刺さった時は、抜かずにそのまま受診しましょう。抜くと出血がひどくなる場合があります。

鼻血が出た時は座らせ、鼻骨のすぐ下を10分ほど圧迫しましょう。止まらない鼻血は、清潔なガーゼなどを鼻に詰めて圧迫し、そっと抜き取るようにしてくださいね。のどに垂れてきた鼻血は飲み込まずに出させるようにしてください。
切り傷は、浅いものは軽く、深いものは強く圧迫して止血します。止血しにくい時は心臓より高い位置に患部を上げましょう。

頭を打ったとき

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子供は好奇心・探求心が強く、動けるようになるとどんどん動いていきます。目を離した隙に怪我をする…という事も。階段や大きな段差などは柵をするなど未然に怪我、事故を防ぐようにしたいですね。
それでも、頭を打ってしまった場合は『頭を打った後すぐに泣いたか』『ぼんやりしていなかったか』『吐き気や嘔吐はあるか』『呼吸はおかしくないか』『瞳の状態はおかしくないか』『目や手足の動きは正常か』を確認しましょう。

頭を打った後すぐに泣きだし泣き止んだ後に元気で食欲もある、意識や目・手足の動きに異常がなく普段通り、会話が普通にできる場合はしばらく様子を見ましょう。
何度も吐いたり、意識がない・ぼんやりして放っておくと眠ってしまう、光を嫌がる、手足の動きが悪い、けいれんする、打ったところだけではなく頭全体を痛がる、などの症状がある場合はすぐに病院で受診しましょう。
頭を打った際に出血したら、清潔なタオルなどで上から押さえ、そのまま受診するようにしてください。

頭を打ってから3日ほど様子を見て、何も症状が出なければ安心してよいでしょう。

やけどをしたとき

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子供のやけどの原因は、熱湯が一番多いです。しかし、ホッカイロや湯たんぽなどに長時間同じ場所が当たり続けていると低温やけどを招きます。やけどは、範囲と深さが重要です。範囲が広いほど、深さが深いほど重症です。
子供のやけどは、身体の表面積の10%以上の広さをやけどすると重症と言われています。

やけどが赤く水ぶくれができていないような場合は流水や冷水で20分以上とにかく冷やし、様子を見ましょう。
やけどした範囲が大人の手のひらより大きく、皮膚が黒く焦げていたり、白くなっている場合はすぐに病院で受診しましょう。範囲が広いやけどは、氷や濡れたタオルで冷やしたまま受診してください。また、服が脱がせにくい場合は無理やり脱がさず、服の上から冷やすようにしましょう。無理に脱がすと、やけどした部分の皮膚が剥がれることがあります。水ぶくれになっていても破らず、そのままの状態にしておいてください。水ぶくれの中は無菌状態ですが、破れるとそこから菌が入る場合があります。もし破れた場合は病院にて受診してください。

昔からやけどに良いとされている、油やアロエを塗ったりする民間療法はやめてください。悪化する可能性があります。

熱中症になったとき

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熱中症は、高温の状況で、体内の水分と塩分のバランスが崩れ、温度調節機能が悪くなった時に起こります。死に至る可能性もある病気ですが、応急処置で救命することもできます。正しい知識を持っておきましょう。

めまいがする(立ちくらみ)、筋肉痛、こむら返りの症状が見られ、大量の汗をかくが熱はない状態で、水分が摂れているようなら問題ないでしょう。頭痛や吐き気もなく、全身状態が良い場合も同様です。
頭痛、吐き気、嘔吐を引き起こしたり、ぐったりしている『熱疲労』の状態の場合はすぐに病院で受診しましょう。また、呼びかけや刺激への反応がない・おかしい、身体がひきつける、歩けないなどの運動障害がある場合もすぐに病院に行きましょう。これらの症状がある時、体温が異常に高い場合があります。

熱中症になった場合、すぐ、風通しがよく涼しい場所に移動させましょう。身体を冷やすようにしてください。また、熱中症による発熱があった場合には解熱剤を使用しないでください!
冷たい飲み物を与えたり、大量の発汗がある場合には子供用イオン飲料などを与えましょう。

誤飲・誤食をしたとき

嘔吐のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや (8074)

小さい子供は何でも口に持っていきます。持っているものが何なのか子供達に確認しているため、成長にはとても必要な行動なのですが、口に入れてはいけないものはたくさんあります。誤飲・誤食してしまった場合は、必ずすべてを吐き出させる、というわけではありません。未然に防ぐよう子供の手の届くところに危険なものを置かないようにするのが鉄則!大人が指でオーケーの形を作ったくらいの大きさが、子供の喉の大きさです。つまり、その輪の中に入る大きさのものは誤飲・誤食の可能性があります。子供用のオモチャでも、月齢・年齢により危険なものもあるので注意してください。

タバコを少し(2cm以下)かじったり、クレヨン、石けん、紙、ビニール、鉛筆の芯をかじったり、インク、絵の具、墨汁、化粧水をなめた時は少し様子を見ましょう。
飲み込んだ時に、急にせきこんでいるか、呼吸がおかしくないか、嘔吐していないかなどを確認してください。また、小さなものを飲み込んでしまった場合は、周りにあるもので何を飲んでしまったのか推測しましょう。

タバコを2cm以上食べた、タバコを捨てた空き缶のジュースなどを飲んだ、漂白剤・殺虫剤などを飲んだ、飲み込んだ途端せき込んだり呼吸がおかしい、嘔吐がとまらない、顔色が悪い、けいれんしている、などの症状がある場合はすぐに病院で受診しましょう。
漂白剤や洗浄剤など、酸性・アルカリ性のものや、石油製品、ベンジン(揮発性のもの)は吐かせるとかえって危険です!吐かせず、すぐに病院へ向かってください。

異物が口の中に見える時には、詰まっているものを指でかき出したり、喉に詰まっている時は頭を下にして背中を強めに叩いてください。苦しそうだから、痛そうだから、と弱い力で叩くとなかなか取れず、余計に苦しい思いをします。もし背中にアザが出来ても、誤飲・誤食したもので窒息するよりはるかに軽症です。
子供は何をするか大人には予測がつきません。子供の目の高さで、手の届くところに危険なものがないか実際に確かめてくださいね。

正しい知識で正しい処置を!

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子供の救急に関して、正しい知識を持っていれば、未然に防げる事故や軽症で済む事もたくさんあります。
何事も、子供の目線で考えるようにしていきましょう。子供の動きを観察して、予測し得る限りの予防をしていきたいですね♪

愛する子供の大切な命。少しでも大事になる前に、正しい処置を行いましょう!

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