成功率アップのカギは?体外受精を決断するために知っておきたいこと
2017年1月31日 公開
体外受精はどのような場合に行うの?
via pixabay.com
体外受精は希望すれば誰でも受けられる治療ではなく、人工授精を数回試しても妊娠まで至らず、このまま人工授精を続けても妊娠の可能性が低いと判断された場合に適応されます。
また男女のどちらか、あるいは両方に卵子や精子の機能的な障害がある場合にも体外受精が適応されます。
卵子や精子の機能的な障害とは、
・卵管の詰まりや癒着
・子宮内膜症で卵子を卵管に運ぶ機能が弱い
・抗精子抗体があり、精子が卵子にたどり着くのを妨害する
・精子の全体数が少ない、奇形、元気な精子が少ない
・不妊の原因が不明で長期間治療を続けている
などの状態を言います。
また男女のどちらか、あるいは両方に卵子や精子の機能的な障害がある場合にも体外受精が適応されます。
卵子や精子の機能的な障害とは、
・卵管の詰まりや癒着
・子宮内膜症で卵子を卵管に運ぶ機能が弱い
・抗精子抗体があり、精子が卵子にたどり着くのを妨害する
・精子の全体数が少ない、奇形、元気な精子が少ない
・不妊の原因が不明で長期間治療を続けている
などの状態を言います。
人工授精との違い
via pixabay.com
人工授精とは、採取した精液を洗浄濃縮して元気な精子たちを選び、排卵直前のタイミングでカテーテルという細い管を使って子宮の奥に直接注入する治療法です。精子を卵子が受精しやすいところに運べるので受精する確率が上がります。人工授精は『人工』や『受精』という言葉とは違い、精液を洗浄濃縮し元気な精子を選び出す部分だけが人工的なだけで、カテーテルで子宮内に注入して後の受精の部分に関しては自然に任せます。人工授精には保険治療が適応されます。
体外受精は、卵子も精子も体外に取り出して受精させた受精卵が細胞分裂してから子宮内に戻す(胚移植)治療法です。細胞分裂し受精卵を子宮に戻すので後は着床を待つだけなので、妊娠の可能性は人工授精よりもかなり高くなります。
体外受精は、卵子も精子も体外に取り出して受精させた受精卵が細胞分裂してから子宮内に戻す(胚移植)治療法です。細胞分裂し受精卵を子宮に戻すので後は着床を待つだけなので、妊娠の可能性は人工授精よりもかなり高くなります。
体外受精を行うメリットとデメリット
via pixabay.com
体外受精のメリットは何と言っても、タイミング法や人工授精など他の不妊治療に比べて成功率が高くなる事です。また、卵子と精子を体外で受精させ細胞分裂してから子宮に戻すので、その段階に妊娠しにくい原因がある方(卵管や精子数に問題がある方)にとっては、とても有効な方法です。
体外受精のデメリットは、やはり経済的な負担と身体的な負担が1番です。保険診療ではなく自由診療なので費用負担が大きく、個人差はありますが1回に数十万円は必要になります。身体的負担は、採卵前の排卵誘発剤の使用による卵巣過剰刺激症候群などが起こる事があります。生理痛と盲腸が合わさったような痛みに襲われます。また、採卵時の麻酔や採卵そのものの痛みなども強く感じる人も多いようです。
メリットとは真逆に、卵子と精子を体外で受精させ細胞分裂してから子宮に戻すので、その段階には問題がなく他の部分に不妊の原因がある方の場合には体外受精は解決法にはならないところです。
体外受精のデメリットは、やはり経済的な負担と身体的な負担が1番です。保険診療ではなく自由診療なので費用負担が大きく、個人差はありますが1回に数十万円は必要になります。身体的負担は、採卵前の排卵誘発剤の使用による卵巣過剰刺激症候群などが起こる事があります。生理痛と盲腸が合わさったような痛みに襲われます。また、採卵時の麻酔や採卵そのものの痛みなども強く感じる人も多いようです。
メリットとは真逆に、卵子と精子を体外で受精させ細胞分裂してから子宮に戻すので、その段階には問題がなく他の部分に不妊の原因がある方の場合には体外受精は解決法にはならないところです。
体外受精の成功率
via pixabay.com
Q1. 生殖補助医療(以下ART)の成功率はどのくらいですか?一般的に何回ぐらいまで行うものなんですかか?
A1. ARTには大きく分けて「体外受精」「顕微授精」「凍結融解胚移植」があります。
ARTの成功とは、生児を得ること、と定義するのが妥当ですが、転院などで分娩まで経過を追えない症例もあります。妊娠(世界的には胎嚢を認めた妊娠)した率を成功と考える場合が多く、分 母には治療したすべての症例、または胚移植した症例を用います。
2006年の成功率を治療周期総数から見ると、体外受精で19%、顕微授精で15%、凍結融解胚移植で28%という数字が出ています。
凍結融解胚移植は、すでに受精した凍結胚がある患者さんへの治療なので患者さんの選択がすでにされており、体外受精や顕微授精よりも高い妊娠率が得られます。また、融解後着床できると思われる良好胚を選択して凍結してあることも、原因のひとつと考えられます。さらに、凍結融解胚移植周期は、自然周期、または自然に近いホルモン補充周期を用いるので、体外受精や顕微授精の治療周期に比べて、着床しやすいといわれています。
これらの治療で妊娠率に最も影響を与える因子は女性の年齢であり、30歳代中ごろから妊娠する能力が顕著に低下します。
この治療は、何回でも受けることはできますが、妊娠する方のほとんどが、5回までに妊娠していると思われます。
齊藤英和先生 (倫理委員会 登録・調査小委員会 委員長)の回答です。
引用文の中に書いてあるように『2006年の成功率を治療周期総数から見ると、体外受精で19%、顕微授精で15%、凍結融解胚移植で28%』体外受精の成功率は19%になっています。(2006年のデータ)この成功率が高いのか低いのか受け止め方は人に寄って違うと思いますが、
自然妊娠の成功率が約20%
タイミング法の成功率が約3%
人工授精の成功率が約5%
と言われているので、こうして並べてみると体外受精の成功率の19%は高いように見えます。
自然妊娠の成功率が約20%
タイミング法の成功率が約3%
人工授精の成功率が約5%
と言われているので、こうして並べてみると体外受精の成功率の19%は高いように見えます。
年齢と成功率の関係
via pixabay.com
体外受精の成功率は自然妊娠と同様に年齢と反比例し、年齢が上がるにつれて妊娠の確率は下がり、25歳で40%、35歳で35%、38歳で30%を切り、40歳で20%以下、45歳になると約5%になります。年齢が上がると卵子や子宮内膜の状態の劣化してしまう事が妊娠の成功率が下がってしまう原因です。受精卵が細胞分裂してから子宮内に戻すまでの工程が上手く進んでも、着床に至らない事も多くなります。
タイミング法や人工授精を複数回試して、妊娠に至らない場合には、出来るだけ年齢が低い間に体外受精を検討した方が成功率は高くなると言えます。
タイミング法や人工授精を複数回試して、妊娠に至らない場合には、出来るだけ年齢が低い間に体外受精を検討した方が成功率は高くなると言えます。
体外受精のリスク
via pixabay.com
体外受精を受けた場合に考えられるリスクの代表的なものを説明します。
・卵巣過剰刺激症候群
卵巣過剰刺激症候群とは、排卵誘発剤によっての刺激が過剰だった場合に卵巣が腫れてしまう病気で、腹部の張り・腹痛・吐き気などが起こります。
・採卵時の痛み
採卵時の痛みに関しては個人差が大きく、麻酔なしでもあまり痛みを感じない人も居れば、激痛だった人も居ます。採卵の痛みは麻酔・鎮痛剤・針の太さなどで軽減する事も可能です。
・多胎児、流産、先天的な奇形の可能性
これらに関しては、自然妊娠時よりも可能性が高くなります。
体外受精を受ける事で考えられる全てのリスクを知り、夫婦間でしっかりと相談してから体外受精に臨みましょう。
・卵巣過剰刺激症候群
卵巣過剰刺激症候群とは、排卵誘発剤によっての刺激が過剰だった場合に卵巣が腫れてしまう病気で、腹部の張り・腹痛・吐き気などが起こります。
・採卵時の痛み
採卵時の痛みに関しては個人差が大きく、麻酔なしでもあまり痛みを感じない人も居れば、激痛だった人も居ます。採卵の痛みは麻酔・鎮痛剤・針の太さなどで軽減する事も可能です。
・多胎児、流産、先天的な奇形の可能性
これらに関しては、自然妊娠時よりも可能性が高くなります。
体外受精を受ける事で考えられる全てのリスクを知り、夫婦間でしっかりと相談してから体外受精に臨みましょう。
体外受精の流れは?
via pixabay.com
体外受精は、大きく分けて以下の7つの段階で治療がすすみます。
・排卵を抑える
・卵胞を育てる
・排卵させる
・採卵する
・精子を採取する
・受精させる
・胚移植する
治療の大体の流れは同じですが、その中の排卵・採卵・胚移植など、それぞれの方法や使用する薬などはその時々の状態に沿って変わっていくので、体外受精と言っても皆が同じ方法で進む訳ではありません。卵胞を育てる段階から飲み薬だけで十分な場合もあり、数日間の注射が必要になる場合もあります。体外受精の治療は、細かい部分に関しては個人差が大きくなります。
・排卵を抑える
・卵胞を育てる
・排卵させる
・採卵する
・精子を採取する
・受精させる
・胚移植する
治療の大体の流れは同じですが、その中の排卵・採卵・胚移植など、それぞれの方法や使用する薬などはその時々の状態に沿って変わっていくので、体外受精と言っても皆が同じ方法で進む訳ではありません。卵胞を育てる段階から飲み薬だけで十分な場合もあり、数日間の注射が必要になる場合もあります。体外受精の治療は、細かい部分に関しては個人差が大きくなります。
体外受精にかかる費用
via pixabay.com
体外受精は保険適用外の治療なので自由診療になり費用は全て実費負担になります。それぞれの段階の治療により掛かる費用には大差があるので『体外受精にかかる費用』を具体的には言えませんが、一般的には約10~100万円くらいの費用が必要です。また成功報酬制度を取り入れている病院にもありますし、どんな流れに体外受精のすべての治療をセットにした料金設定にしている場合もあるので、事前に細かな料金の確認をしておく方が安心です。
保険の適応外になり、高額の実費負担が必要になる体外受精ですが、お住いの自治体や世帯収入、治療を受ける病院などにより違いはありますが、基本的に体外受精に支払った費用は不妊治療助成金が適応されます。体外受精と顕微授精は「特定不妊治療」になり、この2つは助成の対象になっています。
保険の適応外になり、高額の実費負担が必要になる体外受精ですが、お住いの自治体や世帯収入、治療を受ける病院などにより違いはありますが、基本的に体外受精に支払った費用は不妊治療助成金が適応されます。体外受精と顕微授精は「特定不妊治療」になり、この2つは助成の対象になっています。
受けられる助成金と対象になる人
via pixabay.com
不妊治療助成金は、厚生労働省が設けている『不妊に悩む方への特定治療支援事業制度』で「不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、高額な医療費がかかる、配偶者間の不妊治療に要する費用の一部を助成する」というシステムです。
・特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがない、又は極めて少ないと医師に診断された法律上の婚姻をしている夫婦
・治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦
・夫婦の所得が730万円未満(所得制限のない自治体もある)
以上の条件を満たした人が、自治体の指定を受けた医療機関で、助成対象になる治療を受けた場合に、助成金が支給されます。
・特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがない、又は極めて少ないと医師に診断された法律上の婚姻をしている夫婦
・治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦
・夫婦の所得が730万円未満(所得制限のない自治体もある)
以上の条件を満たした人が、自治体の指定を受けた医療機関で、助成対象になる治療を受けた場合に、助成金が支給されます。
まとめ
via pixabay.com
体外受精の成功率アップのカギは、1歳でも低い年齢で決断する事です。残念ながら年齢を重ねるごとに成功率は明らかに下がってしまいます。規則正しい生活を心掛けたり、身体を冷やさないようにすることも重要ですが、確実に成功率をアップする為には早い決断も大切です。
]]>