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妊娠率は年齢と共に低下する!?卵子の老化と不妊の関係は?30代から考える妊活の基礎知識

妊娠率は年齢と共に低下する!?卵子の老化と不妊の関係は?30代から考える妊活の基礎知識

2018年6月18日 公開

晩婚化・晩産化の日本では、妊娠したいのになかなか授からずに悩む夫婦が年々増えています。年齢の上昇と共に、妊娠の確率はどんどん低下していくという事実をもっと多くの人が認識する必要があるのかもしれません。そこで今回は、年齢別で見る妊娠率と卵子の老化と不妊の関係性についてご紹介します。

年齢が上昇すると妊娠率は低下する!

Pregnant Woman Pregnancy · Free photo on Pixabay (120144)

健康的な男女が、排卵日に合わせて夫婦生活を行った場合、妊娠できる確率はおよそ20~25%と言われています。この妊娠率は、年齢が上がれば上がるほど、低下することが判っており、それと同時に、流産率や染色体異常など先天性疾患を抱えた赤ちゃんが授かる確率も上昇すると言われています。

以下、各年代における妊娠率をご紹介します。

【年齢と妊娠率】

20代:約20~25%
30代前半:約15~20%
30代後半:約10%
40代以上:約5%以下

上記で分かる通り、妊娠の「適齢期」と言えるのは、20代半ば~後半となります。

30代以降の女性はなぜ妊娠しにくくなるの?考えられる理由3つ

Question Mark Why Problem · Free photo on Pixabay (120145)

前述したとおり、年齢の上昇と共に低くなるのが妊娠率ですが、20代と30代以上ではなぜここまで妊娠率に違いがでるのでしょうか?

その理由は3つあります。以下に詳しくご紹介しましょう。

1. 子宮のトラブルが増えるため

20代女性に比べ、30代以降の女性は、婦人科系の病気にかかりやすくなります。例えば、子宮筋腫や子宮内膜症などです。これらは、不妊の原因にもつながりますので、これらのトラブルが少ない20代半ば~後半のうちに妊活をした方が確率は高くなるというわけです。

また30代以降となると、子宮の筋力も衰えてきますのでお産が重くなる可能性も増えていきます。

2. 卵子の数の低下

卵子は、産まれたときから女性の体内に存在するもので、男性の精子のように毎日作られるものとは異なり、新たに卵子の数が増えたり、質が良くなったりすることはありません。

つまり、女性の年齢=卵子の年齢ということなのです。

女性は産まれた時点で卵巣内にあるすべての卵子のもとは、約200万個そなわっているといわれています。ところが、月経がはじまる思春期には約180万個が自然消滅し、約20~30万個にまで減少してしまいます。

そして、毎月の月経によりどんどん数が減っていき、37歳では約25.000個にまで減ってしまうのです。
卵子の数が少なくなれば、当然排卵に向かう卵の数が減りますので、必然的に妊娠する(受精する)確率が減ってしまうというわけなんです。

3. 卵子の質の低下

卵子の数=妊娠率ではありません。卵子がたくさん残っていたとしても、その質も問われるのです。先にもお伝えしたとおり、卵子は人間と同じように歳を重ねていきます。卵子が老化することにより、数の減少だけでなく、卵子の質も低下していきますので、妊娠する確率も下がってしまうのです。

卵子の質が低下していくのは、おおよそ33歳くらいからだと言われています。卵子の質が低下することにより、妊娠しにくくなるだけでなく、染色体異常などの赤ちゃんが授かる確率も増えてしまうのです。

自分の卵子の数を知る方法は?

Sperium Cum Sperm · Free image on Pixabay (120147)

近年、卵子の「残存数」を調べるAMH(アンチミューラリアンホルモン)検査というものが取り入れられるようになりました。

このAMHとは、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンのことで、このAMHの数は卵巣内にある卵子の数と比例すると言われています。つまり、AMHの値をもって、現時点での卵子の数を予測することができるわけです。

検査自体は、血液検査のみで1週間程度で結果が分かります。保険適用外のため、費用は5.000円~10.000円程度だそうです。

AMHの値=妊娠率ではない!

Sign Caution Warning · Free vector graphic on Pixabay (120149)

AMH検査で出たAMHの値は、妊娠率を表すものではありません。あくまでも、AMHの値をもとにした卵子の残存数の予測です。つまり、卵子の数が少ないということは妊活するにあたっての「残された時間」が少ないということを示しているのです。

たとえ卵子の数が少なくても、質が良く、順調に育つことができれば、妊娠・出産につなげることが出来ます。妊娠するには、卵子の数だけでなく質も問われることを忘れないようにしましょう。

女性の7割が「自分は妊娠できる」と思っている

Angel Pregnant Expecting · Free photo on Pixabay (120151)

ある調査によれば、20~30代前半の女性のうち7割が、結婚して普通通りの夫婦生活を続けていれば、「自分は妊娠できる」と思っているのだそうです。そうです。誰も「卵子が歳をとること」も「老化すると妊娠しづらくなること」も教えてくれなかったからです。

それ故に、35歳を過ぎてから妊活をスタートしたものの、なかなか結果が出なかったと不妊治療の相談に訪れる人が年々増え続けているのです。

学校の性教育でも、「避妊」の方法については教えてくれますが、「妊娠力」や「妊娠率と年齢の関係」については教えてくれませんよね。もし多くの女性が、卵子の老化と妊娠率について正しい知識があったとしたら、将来的に妊娠を望む女性は、妊活を最優先事項として捉えていたかもしれません。

多くの女性が「自分は妊娠できる」と思っているわけですから、そうでなかった事実に直面したときの衝撃は計り知れませんよね。

将来のために…「卵子凍結保存」という方法も

Medic Hospital Laboratory · Free photo on Pixabay (120152)

今は独身だけど、将来的に結婚して家庭を持ちたい・結婚して子供は欲しいけど、今は仕事を頑張りたい・経済的に不安など、状況的に妊娠・出産することが難しいという人も多いですよね。

実は、こういった悩みを解消するために、将来の妊娠に備えて自分の卵子を凍結保存するという事例が増えています。卵子の老化が始まってしまう前に、卵巣から卵子を採取し、-196℃の液体窒素で保存します。

そして、妊娠を希望する時期が来たら解凍して「体外受精」を行うという方法です。費用については保険適用外ですので、クリニックによって異なりますが、卵子の採卵~凍結までに約30~50万円。卵子の保管費用に年間約2~5万円かかります。

将来的に妊娠の可能性を少しでも残しておきたいという方は、人生の選択肢の1つとして考えても良いのかもしれませんね。

凍結した卵子の体外受精成功率は10%!

Pregnancy Beach Sunset · Free photo on Pixabay (120154)

高額な費用を払い、凍結した卵子を体外受精させたとしても、その成功率は約10%程度だと言われています。

何故かというと、妊娠に至るには、卵子だけでなく子宮の健康状態も大きく関わって来るからです。一般的な体外受精の確率も、36歳では16.8%、40歳では8.1%、45歳では1%以下となるように、年齢と共に低下します。

いくら卵子を凍結しても、母体の年齢までは留めておくことが出来ないというわけです。日本生殖医学会は、「卵子の採取は40歳まで、受精卵の移植は45歳未満まで」とするガイドラインを設けています。

せっかく卵子を凍結しても、妊娠できるかどうかは確約出来ないのが現実というわけですね。

正しい知識を身につけることと早めの行動が大切!

Baby Hand Infant · Free photo on Pixabay (120155)

妊娠や出産についての正しい知識というのは、意外と乏しいもので、いざ妊活を始めてみて、なかなか赤ちゃんが授からないということが発覚してから知ることが多いと思います。

でも、その時にはもう遅いんですよね。後悔しないためにも、将来のことについてはよく考え、夫婦で話し合ったうえで、早め早めに動いていくようにしましょう。

まとめ

Beautiful Young Pregnant Woman In · Free photo on Pixabay (120148)

いかがでしたか?
私は28歳で結婚したにも関わらず、「まだ2人の時間を持ちたい」という夫の考えから、あまり妊活に積極的に取り組んでいませんでした。

その後、周りが結婚し、出産するようになったことで、なんとなく焦り始め、31歳から徐々に妊活を考え始めました。ところが、いざ妊活を始めてもなかなか授からず、どんどん月日が経っていき、さらに焦りと不安を感じたのを覚えています。

妊活と言っても、何をどう始めていいかも分からず、不妊治療の病院へ行くにも、敷居が高く躊躇してしまう…。そんな夫婦は意外と多いと思います。

赤ちゃんが欲しいと少しでも思うご夫婦なら、まずは年齢と妊娠率の関係や、妊活・不妊治療についての正しい知識を深めることから始めましょう。不妊治療に悩み苦しむのは、決して他人事ではありません。

「もっと早くからやればよかった」と後悔する前に、ご夫婦でよく話し合い、早めに動いていくことが肝心です。確率が低くなってからの不妊治療は、精神的にも体力的にも負担が大きいものです。終わりの見えない不妊治療をスタートしなければならない覚悟も考慮に入れておくと良いと思いますよ!